日本ベンチャーにとっての シリコンバレーにおける チャレンジと成功へのヒント ブレークスルーキャンプ BY IMJ セミナー アニス・ウッザマン [email protected] 1 2012年6月29日 1 Agenda 日本人ベンチャーの シリコンバレーにおけるチャレンジ 1. 2. 3. 4. 5. 6. How to get started Products Development Team Building Fund Raising Local Promotion & Marketing Exit Strategy Development 2 Challenge 1. How to get started 〜アメリカ進出の始め方〜 3 Challenge: How to get started シリコンバレーのネットワーク構築の際に まずコンタクトをとるべきは? • 人的インフラ • 実業家 • アクセラレーター • リーガルパートナー, HR パートナー • バイリンガルなコンサルタント 4 3つのパートナーシップの方法 ①アクセラレーター ②実業家 ③人的インフラ 5 アクセラレーター スタートアップのための 全てがそろう場所 ・資金 ・メンター ・場所等 Demo Day等を設け、 資金調達のサポートも行う 創業初期のスタートアップに 必要な様々なネットワークを提供 6 実業家 SNSを利用し実業家とつながる 7 人的インフラ ・弁護士:wsgr.com ・会計士:paychex.com ・ウェブ開発:Bizreef.com ・マーケティング:SquadHelp.com ・データ分析:Crowdflower.com ・その他:Elance.com シリコンバレーでは大部分の仕事をアウトソーシング アウトソーシング先からパートナーシップを得る 8 リーガルパートナー Alex Strygin 幅広いネットワークを持つ弁護士とのネットワーク 既にシリコンバレーで起業している 日本人起業家からの紹介を得るのがカギ 9 バイリンガルコンサルタント Brandon Hill /btrax シリコンバレーのローカルネットワークを持つ バイリンガルなコンサルタント 10 Challenge 2. Products Development 〜プロダクトの開発方法〜 11 Challenge: Product プロダクト開発を進める上で 重要なポイントは? Problem, not solution * リーンスタートアップモデルを活用 12 プロダクト開発で重要なポイント problem, not solution. Dave Mcclure 500 Startups / Founding Partner & Sith Lord 自分たちが解決したいのは “誰のどのような問題点か?”を明確にする 13 Challenge: Product リーンスタートアップモデルとは? シリコンバレー発のプロダクトの 開発方法に関する新しい概念 14 リーンスタートアップ Customer Discovery Customer Validation Customer Creation Customer Building 繰り返す 実際にプロダクトに顧客ニーズがあるか、 反復的に確認しながら効率的にプロダクト開発 15 リーンスタートアップ IDEA LEARN BUILD DATA CODE ① できるだけ早くプロ ダクトをリリースし、 ② 顧客からフィード バックを入手し、 効率的にプロダクトを 改良していくモデル 『Pivot(事業モデルの 転換)』を行うこともある MEASURE Build-Measure-Learn Feedback Loop 16 Ex) Instagram ~リーンスタートアップの例~ IDEA LEARN BUILD DATA CODE MEASURE 設立当初にリリースしたのは 現在地・写真を共有できる ソーシャルチェックインアプリ 17 Ex) Instagram ~リーンスタートアップの例~ IDEA LEARN BUILD DATA CODE MEASURE しかし、ユーザーは写真共有を 中心に利用していることがわかった 18 Ex) Instagram ~リーンスタートアップの例~ IDEA LEARN BUILD DATA CODE MEASURE 写真アプリにフォーカスして『Pivot』 ・美しさ ・アップロードの早さ ・他サービスとの連携 19 Challenge: Product プロダクト開発をどのような手順で 行えばいいのか? 一般的な開発フェーズを意識して できるだけ早くプロダクトをリリース 20 一般的なプロダクトの開発フェーズ プロトタイプ •デモンストレーション 用 •資金調達 21 一般的なプロダクトの開発フェーズ プロト タイプ • デモンスト レーション用 • 資金調達 アルファ •開発初期段 •特定の担当者に利用し てもらうことによるバ グ取り 22 一般的なプロダクトの開発フェーズ プロト タイプ • デモンスト レーション用 • 資金調達 ベータ アルファ •試用版 • 開発初期段 • 特定の担当者に 利用してもらう ことによるバグ 取り •特定のユーザーに利用 してもらうことによる ニーズ調査・バグ取り 23 一般的なプロダクトの開発フェーズ プロト タイプ • デモンスト レーション用 • 資金調達 プロダクション アルファ ベータ •完成版 • 試用版 • 開発初期段 • 特定の担当者に 利用してもらう ことによるバグ 取り • 特定のユーザー に利用してもら うことによる ニーズ調査・バ グ取り •実際にユーザーに リリース •ユーザーを獲得 24 一般的なプロダクトの開発フェーズ プロト タイプ • デモンスト レーション用 • 資金調達 アルファ アドバンス プロダク ベータ ション • 試用版 • 完成版 •新たな機能を追加した バージョン • 特定の担当者に • 特定のユーザー • 実際にユーザー • 開発初期段 利用してもらう ことによるバグ 取り に利用してもら うことによる ニーズ調査・バ グ取り •ユーザーの拡大 にリリース • ユーザーを獲得 25 一般的なプロダクトの開発フェーズ プロト タイプ • デモンスト レーション用 • 資金調達 アルファ ベータ プロダク ション • 開発初期段 • 試用版 • 完成版 • 特定の担当者に 利用してもらう ことによるバグ 取り • 特定のユーザー に利用してもら うことによる ニーズ調査・バ グ取り • 実際にユーザー にリリース • ユーザーを獲得 アドバンス • 新たな機能を 追加したバー ジョン • ユーザーの拡 大 26 プロトタイプ デモンストレーション用であり、 基本的なプロダクトの機能が説明できる 27 アルファバージョン BlueStacks / Windowsのみに対応 社内向けのみが一般的であるが、 機能を限定してユーザー公開することもある 28 ベータバージョン 外部のユーザーに利用してもらい、 フィードバックを得る 29 プロダクション バグ取り・ユーザーテストが終了し、 完成版として一般リリース 30 アドバンス 新機能を追加し、 プロダクトの普及を広める 31 Challenge: Product 現地におけるデベロッパーの 給与水準はどの程度なのか? スタートアップの給与水準は シリコンバレーの平均給料水準よりも低い 32 Challenge 3. Team Building 〜理想的なチームの作り方〜 33 スタートアップの給与水準 デザイナー・エンジニア: 800~1,200万円 スタートアップ CTO: 200~300万円 + ストックオプション ストックオプションを活用し、 給与を低く抑える 34 Challenge: Team 理想のチームとは? • 情熱的であり、 • エネルギーに満ちあふれ、 • バランス感覚があり、 • 柔軟性を兼ねそろえた • シナジーを生み出せるチーム 35 理想的なチーム Facebook Google 壮大なビジョンを描ける情熱的で、エネルギーに 満ちあふれている人物に加えて、 実際に事業を行う上でのバランス感覚を持ち、 シナジーを起こせる人物とともにチームを作る 36 初めにどのようなアイデアを持っているかよりも、 どのようなチームなのかが重要になってくる 37 Challenge: Team 社外取締役はスタートアップに必要か? 社外取締役は重要な役割を担うが、 創業初期のシードステージには 必ずしも社外取締役は設ける必要ない 38 一般的な取締役の構成 ファウンダー CEO ①幅広い視点での意見 ②調整の役割 を担ってくれる 投資家① 投資家② 社外取締役 シードステージ (創業初期) 経営の正確性よりも迅速性 が重視されるため、 自分たちのみで行った方が 望ましい 39 Challenge: Team アドバイザーはスタートアップにおいて どのような役割を果たすか? アドバイザーはスタートアップの成長に 欠かせない存在 40 アドバイザーの役割・特徴 Timothy Ferriss / Evernote • • • • Rajeev Motwani / Google 社外の経験豊富な専門家 業界内に多くの人脈を持つ 会社の意思決定は持たない 報酬を株式により払うことも多い アドバイザーは外部から スタートアップの成長を加速させる人材 41 Challenge: Team 現地の人材をどのように採用 すればいいのか? オンラインサイトの有効活用 (1) 大学のキャリアセンター (2) ジョブサイト: monster.com etc. (3) ソーシャルメディア: LinkedIn etc. 42 大学のキャリアサイトの活用 大学のキャリアサイトを通したリクルーティング (インターンは無給ポジションも一般的) 43 ジョブサイトの活用 ジョブサイトを活用した一般的なリクルーティング 44 SNSの活用 LinkedInを始めとしたSNSを利用した採用も拡大 45 Challenge: Team チームメンバー全員が 英語を話せる必要があるのか? 英語でプレゼンテーション・交渉を 行える人物は必要 * チームメンバー全員が話せる必要はない 46 チームメンバーの一人、英語ができれば良い ・日本以外の外国人起業家も同じ問題を抱えている。 ・日本人は、もっと自分・ビジネスを上手く表現し、 欧米人に理解してもらう必要がある。 英語以上に、パッションが重要 47 Challenge: Team ~Registration~ シリコンバレー進出を前提として、 会社を設立する際に適切な登記場所は? デラウェア州登記 48 各地域の設立登記の特徴 地域 デラウェア カルフォルニ ア ケイマン諸島 特徴 • 登記手続が簡便 • 清算する際にも時間がかからない • VCからしても慣れ親しんだビジネス法 • シリコンバレーが位置する州であるため、 スタートアップに馴染みがある (ex. Apple) • 複雑な法体系 • 税金が高い • 低コストで起業ができる • 税金が非常に安い • 近年の事件等により日本ではあまり良い イメージがない 49 Challenge: Team ~Visa~ 日本人起業家がアメリカで活動する際に 適切なビザは何か? • H-1B (専門職ビザ) • E-2 (投資家ビザ) 50 米国でのビザ取得 項目 B-1 / 2 (観光ビザ) 条件 / 内容 デメリット • B-1はビジネス訪問、B-2は観 光での訪問 • 6ヶ月以内であれば何度でも 訪問可能 • アメリカで収益や収入を得れ ることは認められていない • 最終学歴と職業の関連性 • 取得が困難 H-1B • 3年間有効(延長により6年間 • 自ら自分を雇うことができな (専門職ビザ) 有効) い • 51%以上を日本の投資家から 資金調達 • 5年間有効 • 常に日本の投資家からの資金 調達を51%以上を維持しなく てはならない • 日本で1年以上会社が存続し L-1 ている事、該当人物が最低1 (駐在員ビザ) 年以上その会社で働いている 事 • 本社がアメリカ国外にあるた め、現地の投資家から資金調 達を実施しにくい E-2 (投資家ビザ) 51 Challenge 4. Fund Raising 〜資金調達戦略の作り方〜 52 Challenge: Fund Raising アメリカにおける資金調達手段とは? • クラウドファンディング • アクセラレーター • エンジェル • ベンチャーキャピタル • 戦略的提携先 53 多様化する資金調達先 クラウドファンディング アクセラレーター スーパーエンジェル ベンチャーキャピタル 54 クラウドファンディング • 複数のユーザーや投資家からの資金調達を行う • 主に小さな金額を大勢の人々から募り、その合計 で希望調達額を達成させる 小額のものが多く、 主に最初期に利用するのが有効 55 エンジェル Ron Conway Yuri Milner 56 スーパーエンジェル リード・ホフマン / Linked Inファウン ダー ケビン・ロー / Digg ファウンダー • 自身のビジネスの成功等から得た資金から投資を 行う個人投資家 業界に精通しているため、 業界のナレッジを得るために有効 57 アクセラレーター • 創業初期の成長をサポートする“資金”・ “場所”・“メンター”等を提供する • Demo Day等を設け、資金調達のサポートも行う 創業初期のスタートアップがアイデアを ビジネスに変えるまでの教育を受けるのに有効 58 2005年以降380以上の スタートアップを手掛け、 その数も年々増加傾向にあ る。 ex) Drop BoxやBumpなど 時期別Y Combinatorから卒業企業数 ・有名な投資家 Ron con wayとYuri miliner が、各団体に1,200万円を与 える 60 ベンチャーキャピタル • 多額の投資を実行する • 規模、投資対象業種、投資対象ステージ(ラウン ド)が各ファームによって異なる 資金ニーズが高い場合、業界のナレッジや ネットワークを得るために有効 61 戦略的提携先 取引上のパートナーシップを組む会社、 M&Aにおける潜在的買収先からの資金調達62 Challenge: Fund Raising 資金調達戦略を作る際の留意点とは? 『いくらの金額が必要なのか?』 『なぜ資金が必要なのか?』 『投資家に何を求めるのか?』 63 成長段階に合わせた資金調達戦略 各フェーズ毎の必要資金調達額と調達先 $1,500,000 $1,000,000 $500,000 $0 シード シリーズA シリーズB クラウドファンディング アクセラレーター スーパーエンジェル ベンチャーキャピタル 戦略的提携先 64 目的を見据えた資金調達 • マーケットの拡大 • エグジット費用 • マーケットの拡大 • 他企業の買収 • 開発資金の確保 • マーケティング • 6ヶ月の運転資金 65 Challenge: Fund Raising 資金調達戦略における株主構成で 留意すべきポイントは? 創業時やシードラウンドにおいて 最終的な株主構成を意識して 株式を発行していく 66 ラウンドごとの株主構成推移 設立時 CEO 90% 共同ファウンダー#1 5% 共同ファウンダー#2 5% 投資家 20-40% 取締役 1% シード シリーズA ファイナル オプションプール 15% 投資家 5-15% 投資家 〜65% 67 Challenge: Fund Raising アメリカで資金調達する前に 日本の投資家から調達を行うべきか? 日本における資金調達は行うべき • 日本での資金調達実績による信用力 • ビザの取得方法の多様化 68 Challenge 5. Local Promotion & Marketing 〜マーケティング方法〜 69 Challenge: Marketing マーケティング戦略を どのように構築すればいいか? スタートアップのマーケティングは ステージごとに異なることを意識する 70 ステージごとのマーケティング戦略 ユーザー数 シード アーリー アドバンス エグジット PR会社 テレビコマーシャル 新聞広告 テクイベント ソーシャルメディア ブログ ウェブサイト(SEO) 友達 時間 71 シードステージ〜アーリーステージ ソーシャルメディア ウェブサイト 登録ユーザーに最新情報を提供 • 口コミによるバイラルマーケティング • ユーザーからの直接フィードバック 資金がなく、プロダクトもない段階でも マーケティングは可能 72 Challenge: Marketing アメリカでのマーケティングを 拡大する際にコンタクトすべきは? PRファームの有効活用 73 PRファームの活用 ・フルタイムで人を雇用するより効果的 ・目的に応じたPRファームの選択が必要 74 Challenge: Marketing マーケティングにおけるパートナーシップ にはどのようなものがあるか? 知名度のある同業他社との規模の拡大 異業種間でのシナジー効果の創出 75 知名度のある同業他社による規模の拡大 Foursquare × Grupon 76 異業種間でのシナジー効果の創出 Foursquare × American Express 77 Challenge 6. Exit Strategy Development 〜エグジット戦略の策定方法〜 78 Challenge: EXIT Strategy Development 日本とアメリカのエグジットの違いには どのような特徴があるか? アメリカにおいては、 M&Aによるエグジットもスタートアップ にとって大きな選択肢となっている 79 M&A件数 〜日本〜 スタートアップ企業へのM&A、投資 M&A案件数 投資案件数 Silicon Valley 85% 61% USAその他 14% 23% 世界各国その他 1% 16% Analysis Performed by Fenox Venture Capital, Source: TechCrunch, San Francisco, September 2011 81 M&A・IPO 〜シリコンバレー〜 Challenge: EXIT Strategy Development M&Aのエグジットと見据えた場合、 どのようにすればいいのか? • アーリーステージから潜在的買収先とパートナー シップを組む •アーリーステージからM&Aコンサルタントを雇う • 潜在的買収先から潜在的投資を受ける 83 アーリーステージでM&Aを見据える カジュアルなパートナーシップから本格的な取引へ 潜在的買収先との初期段階でのパートナーシップが 円滑なプロダクト開発、M&Aを可能にする 84 Where there is a CHALLENGE There is innovation 85 86
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