資料1 実地検査における主な指摘事例と改善指示について 実地検査の流れ 区から検査実施通知の送付 ↓ 事業所は指定された事前提出書類を区に提出 ↓ 事業所にて実地検査実施 ↓ 問題点の指摘(文書指摘&口頭指摘) ↓ 区が結果通知(改善通知書)を事業所へ送付 ↓ 事業所が改善報告書を区に提出 ↓ 改善報告書の受理 実地検査の結果、各事業所において数多くの改善すべき事 項が見つかっています。 この資料は、その中から、複数事業所において共通の事例 と、それに対する改善指示内容を記載しておりますので参考 にしてください。 1 居宅介護 【東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例】 第3条(指定障害福祉サービス事業者の一般原則) 3項 指定障害福祉サービス事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、 責任者の設置その他の必要な体制の整備を行うとともに、従業者に対し、研修の実施そ の他の必要な措置を講じるよう努めなければならない。 第15条(障害者福祉施設従業者等による障害者虐待の防止等のための措置) ⇒「障害者虐待の防止、障害者の擁護者に対する支援等に関する法律」 障害者福祉施設の設置者又は障害福祉サービス事業等を行う者は、障害者福祉施設従 業者等の研修の実施、当該障害者福祉施設に入所し、その他当該障害者福祉施設を利 用し、又は当該障害者福祉サービス事業等に係るサービスの提供を受ける障害者及び その家族からの苦情の処理の体制の整備その他の障害者福祉施設従業者等による障 害者虐待の防止等のための措置を講ずるものとする。 具体例と改善指摘 (例)指定障害福祉サービス事業者の一般原則において、利用者の人権の擁護や 虐待防止のために必要な措置を講じていませんでした。 (改)利用者の人権の擁護や虐待の防止の研修及び会議、責任者の選定等の措 置を講じる必要があります。再度確認し、是正してください。 (例)運営規定及び重要事項説明書において、虐待防止の措置に関しての記載がなかっ た。 (改)運営規定及び重要事項説明書両方において、虐待防止の措置に関しての記載が 必要となりますので、是正してください。 2 第11条 (運営規定) 指定居宅介護事業者は、各指定居宅介護事業所において、次に揚げる事業の運営につ いての重要事項に関する運営規定を定めなければならない。 1.事業の目的及び運営の方針 2.従業者の職種、員数及び職務の内容 3.営業日及び営業時間 4.指定居宅介護の内容並びに支給決定障害者等から受領する費用の種類及びその額 5.通常の事業の実施地域 6.緊急時等における対応方法 7.事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合には当該障害の種類 8.虐待の防止のための措置に関する事項 9.その他事業の運営に関する重要事項 具体例と改善指摘 (例)居宅介護の内容において、身体介護、又は家事援助の一部として、通院介助が挙 げられている。 (改)通院等介助は身体介護、家事援助と並ぶサービスとして記載してください。 (例)重度訪問介護の内容において、同行援護の説明が混在している。 (改)重度訪問介護の内容に是正してください。 (例)運営規定において、記載項目(緊急時の対応方法が未記載)の不十分が確認され た。 (改)不十分となっている項目を付け足してください。 (例)運営規定において、従業員の職種、員数の内容が実際と異なっている。 (改)状況に変化が生じたら、都度変更してください。 3 第13条 (内容及び手続きの説明及び同意) 指定居宅介護事業者は、支給決定障害者等が指定居宅介護の利用の申込みを行っ た時は、当該利用申込者に係る障害の特性に応じた適切な配慮をするとともに、当該 利用申込者に対し、運営規定の概要、従業者の勤務体制その他の利用申込書のサー ビスの選択に資すると認められる重要事項を記した文章を交付して説明を行い、当該 指定居宅介護の提供の開始について当該利用者の同意を得なければならない。 具体例と改善指摘 (例)苦情窓口となっている「東京都社会福祉協議会 福祉サービス運営適正化委員会 事務局」の電話番号が変更前のものになっています。 (改)(TEL03-5283-7020)に変更してください。 (例)苦情処理の体制及び手順等が記載されていませんでした。 (改)苦情処理の体制及び手順等を記載してください。 (例)重要事項説明書において、利用者の押印漏れが確認された。 (改)再度確認し、押印を受けてください。 (例)利用料金等の記載が不十分である。 (改)利用料、基本単位数、加算について詳細に記載してください。 (例)重要事項説明書において、職員体制の記載されている人数が実際と合っていない。 (改)速やかに是正してください。 (例)区の窓口が障害者福祉課身体障害者相談係になっている。 (改)障害者福祉課庶務係にしてください。(TEL03-5662-0054) (例)サービスの利用方法が記載されていない。 (改)東京都HP>東京都障害者サービス情報>書式ライブラリー>06モデル契約書> 居宅介護>重要事項説明書 を参照して是正してください。 (例)第1条の文言が「障害者自立支援法令」となっていた。 (改)「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に是正してく ださい。 (例)対象としていないサービス内容が記載されている。 (改)是正してください。 4 第23条 (サービス提供の記録) 指定居宅介護事業者は、指定居宅介護を提供した際は、当該指定居宅介護の提供 日、内容その他必要な事項を、その都度記録しなければならない。 具体例と改善指摘 (例)サービス実施記録において、介助内容について未記入及び押印漏れ が散見された。 (改)担当ヘルパーの作成後には、サービス提供責任者が確認し、内容に 漏れや不足がある場合は指導してください。 (例)サービス実施記録において、支援の際の状況や利用者の様子を詳細 に記載していないことが確認された。 (改)出来るだけ詳細な内容をサービス実施記録に記載してください。 第36条(秘密保持等) 2項 指定居宅介護事業者は、管理者及び従業者であった者が、正当な理由なく、その 知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じ なければならない。 具体例と改善指摘 (例)秘密保持について、利用者等の個人情報を保護するための措置を確認できませ んでした。 (改)利用者等の個人情報を取扱う業務に従事する以上は、個人情報保護の観点から 従業者に秘密保持について誓約を交わす等をしてください。(退職後も含めてくだ さい。) 第39条 (苦情解決) 指定居宅介護事業所は、利用者又はその家族からの指定居宅介護に関する 苦情に迅速かつ適切に対応するために、窓口の設置その他の必要な措置を講 じなければならない。 具体例と改善指摘 (例)苦情に関する措置の概要について、事業所に掲示していないことが確認され た。 (改)事業所内の見やすい場所に掲示してください。 5 第40条 (事故発生の対応) 指定居宅介護事業者は、利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した 場合は、速やかに都、区市町村、利用者の家族等に連絡を行うとともに、当該事故の 状況及び処置についての記録その他必要な措置を講じなければならない。 具体例と改善指摘 (例)事故対応マニュアルにおいて、区に連絡するという点が欠如している。 (改)区に連絡をすることを付け足してください。 6 【障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害 福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について】 第三の3 運営に関する基準 : 居宅介護計画の作成等(基準第26条 ) サービス提供責任者の中心的な業務である居宅介護計画の作成について規 定したものであり、サービス提供責任者は、指定特定相談支援事業者等が作 成したサービス等利用計画を踏まえて、当該指定居宅介護事業所以外の保健 医療サービス又はその他の福祉サービス等との連携も含め、居宅介護計画の 原案を作成し、居宅介護計画に基づく支援を実施するものである。 具体例と改善指摘 (例)居宅介護計画書の内容に居宅介護外サービスが含まれていることが確認された。 (改)居宅介護サービスに見合うサービスとはなにかを再度確認し、適切な居宅介護計 画書を作成してください。 (例)題名が「訪問介護計画書」となっているものがある。 (改)題名を「居宅介護計画書」に是正してください。 7 移動支援 【江戸川区障害者移動支援事業運営委託】 仕様書 第6条 (事業の実施方法及び実績報告等) 1 乙は、障害者から事業の利用について申し込みがあったときは、その者の提示する 受給者証を確認の上、当該利用申込者に係る障害の特性に応じた適切な配慮をし つ つ、当該利用者申込者に対し、乙の事業運営の概要、従業者の勤務体制、その 他の 利用申込者の選択に資すると認められる重要事項を記した文書(重要事項説 明書)を 交付して説明を行った上で、当該利用者と契約書を用いることにより、契約 を締結する。なお、重要事項説明書及び契約書は、甲が示すモデル重要事項説明 書及びモデ ル契約書に準拠したものでなければならない。 2 乙は、利用申込者の障害の特性等や要望に関する聞取りを行った上で、支援にお ける手順、留意事項、支援実施の概要等を記載した「移動支援計画書」を作成し、利 用者の確認を受けて交付する。 3 乙は、利用者からの具体的な要望に基づき、支援時間や担当従業者等を記載した 「サービス予定表」を利用者の確認を受けて交付する。 4 乙は、「移動支援計画書」及び「サービス予定表」に基づき、支援を実施する。 5 乙は、利用者から「移動支援計画書」について変更の依頼を受けたとき、又は利用 者からの依頼内容が「移動支援計画書」と異なるものであったときは、「移動支援計 画書」の変更を行った上で支援を実施するものとする。 6 乙は、利用者から「サービス予定表」について変更の依頼を受けたときは、「サービ ス予定表」に変更内容と変更受付日を追記する。 7 乙は、支援を実施した際は実施時間、実施内容等を記載した「サービス実施記録」を 作成し、支援実施の都度、利用者から確認の押印を受ける。 8 乙は、支援の実施状況を、甲が定める「サービス提供実績記録票」により、月ごとに 甲に報告するものとする。 乙=事業者 甲=区 8 具体例と改善指摘 ≪重要事項説明書において≫ (例)移動支援の重要事項説明書にもかかわらず、居宅介護や介護給付費といった文 言が散見された。 (例)平成23年度の障害者自立支援法一部改正に伴い、対象外となった視覚障害者 (児)が対象者として記載されている。 (改)江戸川区が示すモデル契約書に準拠しつつ、適切な内容に改めてください。 (例)区の苦情窓口が福祉サービス苦情調整委員となっていた。 (改)江戸川区福祉部障害者福祉課庶務係(TEL03-5662-0054)にしてください。 (例)その他の利用料金について、水道、ガス等の代金の請求を利用者に求める旨の 記述が確認された。 (改)移動支援ではそぐわないため見直してください。 (例)契約書別紙に署名・押印漏れが確認された。 (改)再度確認し、署名・押印を受けてください。 (例)職員体制の記載されている人数が実際と合っていない。 (改)速やかに是正してください。 (例)主たる対象者に知的障害者、精神障害者の記載がない。 (改)知的障害者、精神障害者にサービスを提供しているのであれば、主たる対象者に 記載してください。 ≪移動支援計画書において≫ (例)未作成の利用者が確認された。 (改)速やかに作成し、計画書に沿って支援を実施してください。 (例)移動支援計画書と実際の支援内容に乖離がみられる。 (改)状況の変化を踏まえた移動支援計画書に変更した上で、支援を行ってください。 ≪サービス実施記録において≫ (例)押印漏れ、記載内容が不十分であった。 (改)担当ヘルパーに確認し、利用者から確認の押印を受けた上で区に報告してくださ い。管理者は、サービス提供責任者及びヘルパーに対し、記録作成とチェック体 制について適切に行うための方法を指導し、その内容を報告してください。 (例)実施記録において、利用者の押印を毎回受けられる書式を使用していな いことが 確認された。 9 (改)毎回押印を受けられるように確認欄を作成してください。 第7条 (管理者及びサービス提供責任者の責務) 1 乙の事業所の管理者は、乙の従業者及び業務の管理を一元的に行わなければなら ない。 2 乙の事業所の管理者は、乙の従業者に対して、契約書、江戸川区障害者移動支援 事業実施要項、江戸川区障害者移動支援事業ガイドラインの規定を遵守させるた めに必要な指揮命令を行う。 3 乙のサービス提供責任者は、「移動支援計画書」の作成を行うほか、乙に対する利 用の申込みに係る調整、従業者に対する技術指導等支援の内容の管理を行うもの とする。 具体例と改善指摘 (例)サービス提供責任者の責務において、移動支援計画書が未作成の利用者が確認 された。 (改)利用者全員分を作成してください。 (例)不適切な内容によるサービスを移動支援サービス費として算定されている。 (改)精査し、区へ報告してください。 第9条 (従業者名簿の提出) 乙は、従業者について、区が定める「移動支援従業者名簿」により、委託契約の締結 時及び内容に変更があったとき、遅滞なく甲に報告するものである。 具体例と改善指摘 (例)移動支援従業者名簿の内容が変わっているのが確認された。 (改)最新の内容を提出してください。 10 第10条 (利用者との契約内容の報告) 乙は、利用者との間で契約を締結したとき、契約支給量を変更したとき及び契約を 終了したときは、受給者証に必要事項を記載し、甲が定める「契約内容(地域生活 支援事業受給者証記載事項)報告書」を甲に提出するものとする。 具体例と改善指摘 (例)受給者証の取扱いにおいて、契約日の記入漏れが確認された。 (改)定期的に受給者証の確認をする等の対策を講じてください。 (例)契約内容報告書(第20条様式)に関して、利用者との間で契約を終了しているに もかかわらず、区への提出が確認できなかった。 (改)速やかに区に提出してください。 第30条 (会計の区分) 乙は、移動支援事業所ごとに経理を区分するとともに、事業の会計をその他 の事業の会計と区分しなければならない。 具体例と改善指摘 (例)会計において、事業所ごとに経理を区分していないことが確認された。 (改)事業所ごとに経理を区分してください。 (例)会計において、移動支援事業と居宅介護事業で会計が区分されていなかった。 (改)移動支援と居宅介護は別の事業ですので、会計を区分してください。 11 第32条 (ガイドラインの遵守) 乙は、事業を実施するに当たっては、「江戸川区障害者移動支援事業ガイドライン」 を遵守しなければならない。 具体例と改善指摘 (例)移動支援サービス費と居宅介護サービス費の重複請求が確認されました。 (改)正確な時間・金額に是正し、区に報告してください。また、こうした事態が今後起き ないように事業所の体制等を検討してください。 第37条 (事故発生時の対応) 乙は、支援の実施中に事故等が発生した場合は、直ちに甲及び利用者の家族に連 絡するとともに必要な措置を講ずるものとする。 具体例と改善指摘 (例)事故対応マニュアルにおいて、区に連絡をするという点が欠如している。 (改)区に連絡をすることを付け足してください。 12
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