PP資料(テクノヒル)(最新版)

改正労働安全衛生法の概要
とリスクアセスメント
平成27年度厚生労働省
「ラベル・SDS活用促進事業」受託
テクノヒル株式会社
序:労働安全衛生法とは
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2
労働者の安全と衛生に関わる主な法律
毒物及び劇物取締法(昭和25年)
労働安全衛生法(昭和47年)
労働安全衛生法施行令
目的:労働者の安全と健康の確保、
快適職場の形成
労働安全衛生規則
有機溶剤中毒予防規則
特定化学物質障害予防規則
この下に、具体的は手順、内容を
定めた指針、通達がある
鉛中毒予防規則
四アルキル鉛中毒予防規則
ー
作業環境測定法
作業環境測定法施行令
作業環境測定法施行規則
じん肺法
じん肺法施行規則
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3
労働安全衛生法の特徴
• 目的
− 労働者の安全と健康の確保、快適職場の形成
• 義務主体
− 事業者等
• 保護客体
− 労働者
• 内容
− 最低基準としての危険防止措置及び健康障害防止措置を定
める。罰則をもって履行強制
• 法令遵守の仕組み
− 司法警察権、強力な監督権限を有する労働基準監督官によ
る取締りや、労働衛生専門官による指導・援助
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4
労働衛生対策
労害防止対策
基本的対策
労働衛生管理体制
健康管理・作業管理・作業環境管理
労働衛生対策
職業性疾病予防対策
(化学物質に係るものを除く)
労
働
衛
生
対
策
化学物質に係る
健康障害予防対策
粉じん障害防止
物理障害等の防止
化学物質の有害性の調査
有害情報の伝達
化学物質管理の適正化
健康の保持促進
作業関連疾病等の予防対策
快適職場形成促進
中小企業対策
過重労働による健康障害防止(医師による面接指導)
産業保健活動の活性化(地域産業保健事
業・
地域保健推進センター)
快適職場の普及啓発等
受動喫煙防止対策
地域山郷保健事業
研究体制の整備
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5
労働衛生管理の基本
作業衛生管理体制の確立
作業管理
作業環境管理
作業者の保護に必要な
管理
健康管理
労働衛生教育
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6
化学物質に係る健康予防対策
化学物質の有害性調査
健康予防の3対策
化学物質情報の伝達
化学物質管理の適正化
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7
作業環境管理
作業環境中の種々の有害要因を取り除いて適正な作業管理を確保する
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8
作業管理
有害な物質が労働者に及ぼす影響を、その要因を適切に管理することにより少
なくする。
• 作業の内容、方法等を適切
に管理する。
− 作業方法
− 作業手順
− 保護具の適切な使用
• 有害な物質のばく露の低減
を図る。
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9
化学物質を取り巻く状況
10
化学物質(危険物、有害物等)に起因する
労働災害(休業4日以上)
爆発性の物等
800
労
働
災
害
発
生
件
数
〔
件
〕
700
引火性の物
可燃性のガス
699
653
653
639
600
化学物質(危険物、有害物)に
起因する労働災害が、年間
500程度発生している。
640
563
500
500
400
有害物
515
483
474
480
419
300
200
100
0
〔年〕
厚生労働省説明資料から
11
資料出所:労働者死傷病報告
災害事例
・有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則の対象物質による災害、一酸化炭素中
毒による災害(厨房、コンクリート養生など)が引き続き発生
・以下は、特別則の対象となっていない物質や作業に伴う災害の事例
業種
中
毒
・
薬
傷
爆
発
・
火
災
原因物質
発生状況
化学製品製造工場において、被災者ら4名は、貯蔵物を排出し、苛性水により中和処理後
ジメチルチオホス
化学工業
送風機で5日間乾燥させた貯槽内で、引き渡し前点検および残留物(水垢)の除去作業を
ホリルクロライド
行った。その後、眼に充血、痛み等を自覚し、両目角膜びらん、両目角膜炎と診断された。
ジシクロヘキシル 医薬中間体の製造工程において、反応促進のために使用するジシクロヘキシルカルボジイ
化学工業 カルボジイミド
ミド(DCC)の入ったポリタンクが横転して漏えいし、揮発した際に被災者の目に入り、角膜損
(DCC)
傷となった。
1,1,1,4,4,5,5-ヘプ 工場の洗浄室内の洗浄機から洗浄液が漏洩していたことに気付いた被災者が、洗浄室内で
電気機械器
タフルオロ-3-オキ 換気等の対処を行っていたところ、気分が悪くなり、意識を失った。救急搬送され、ハイドロフ
具製造業
サペンタン
ルオロエーテル中毒と診断された。
被災者は、粉砕機を使用して結晶状のパラクロロアニリンを粉砕する作業を行っていた。作
パラ-クロロアニ
化学工業
業終了後、控室にて休憩を取っていたが、その後、気分が悪くなり倒れた。アニリン中毒と診
リン
断された。
被災者4名が地下貯水槽の解体工事において、貯水槽内で水に浮いた吹き付け材の回収
建設業
アルカリ性の水 作業を行っていたが、ゴム長靴内に浸水し、足に炎症を起こした。貯水槽の天井をはつる際
に生じた細かなコンクリートがらが、貯水槽内に落下し、水がアルカリ性になっていた。
水冷熱交換機内部の残渣物(クロロシランポリマー等)を水洗浄するため、熱交換器のカ
クロロシランポリ
バーを取り外す作業を行っていたところ、数秒後に熱交換器内で爆発が発生し、当該カバー
化学工業
マー等
(300kg)が吹き飛び、衝撃で周辺で作業中の労働者が被災した。
製造所内のアクリル酸を製造するプラントの不純物を含む濃縮アクリル酸を一時的に貯蔵す
るタンクで、重合反応が起こり内圧が上がって爆発し、それにより飛散した高温のアクリル酸
化学工業 アクリル酸
(重合物を含む)を浴び多くの労働者が被災した。
厚生労働省説明資料から
12
労働安全衛生関係法令における化学物質管理の体系
規制の程度
重度の健康障害あり、
十分な防止対策なし
【国のリスク評価】
【詳細リスク評価】
・有害性評価
・ばく露評価※
【初期リスク評価】
・有害性評価
・ばく露評価※
※ 作業内容等の調査
及び個人ばく露測定
作業態様等から
高いリスクあり
措置
検討
(平成28年6月1日時点)
製造禁止 (法第55条)
8物質
石綿等
製造許可 (法第56条) 7物質
PCB等
特別規則
(物質の特性に応じ、局排等の工学的対
策、保護具の使用、健康診断、作業環境
測定等の措置を事業者に義務付け)
健康障害多発、
特にリスクの高い業務あり
産衛学会・ACGIHで
許容濃度の勧告あり 等
119物質
専門家に
よる検討
約6万
物質
640
物質
ラベル表示義務 (法第57条)
SDS交付義務 (法第57条の2)
リスクアセスメント実施義務
(法第57条の3)
【有害物ばく露作業報告】(法第100条)
※作業内容、消費量等を事業者が報告
動物での発がん性が確認された物質等
産衛学会・ACGIHで
新たに許容濃度が勧告された物質
届出の際、変異原性が確認された物質
ラベル・SDS交付の努力義務
(則第24条の14及び第24条の15)
リスクアセスメントの努力義務
(法第28条の2)
一般的健康障害防止措置 (法第22条)
(有害原因の除去、ガス等の発散の抑制、保
護具の備付け等)
健康障害防止指針による指導(法第28条第3
項)
新規化学物質の届出
ばく露低減措置の指導(通達)
13
労働者の健康障害予防のために
製造・輸入業者による
化学物質の危険性・有害性に関する情報の把握
把握した情報の関係事業者等への伝達(SDS等)
事業者によるリスクアセスメントの実施
結果を踏まえたリスク低減措置の実施
(使用中止・代替化、局所排気装置等の設置、保護具の使用等)
厚生労働省説明資料から
14
第12次労働災害防止計画
 「労働災害防止計画」とは、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項
を定めた中期計画です(5年ごとに厚生労働大臣が策定)。
 第12次計画の期間は平成25年度~29年度。
現状と課題
◆労働災害による被災者数(平成23年:震災直接原因分除く)
死亡者数:1,024人(過去最少)
死傷者数:117,958人(2年連続増加、平成24年も増加)
◆ 労働災害は長期的には減少しているが、第三次産業では増加 (特に社会福祉
施設は過去10年で2倍以上)
◆死亡災害も減少しているが、依然、建設業・製造業で過半数を占め、割合が高
い
計画の目標
死亡者数:15%以上減少
死傷者数:15%以上減少
15
厚生労働省説明資料から
第12次労働災害防止計画
(平成25年から平成29年までに、国が取り組む中長期的な計画)
重点ごとの具体的な取組
化学物質による健康障害防止対策
【目標】
GHS分類において危険有害性を有するすべての化学物質について、危険有害性の表示と安
全データシート(SDS)の交付を行っている化学物質製造者の割合を80%以上とする。
 発がん性に着目した化学物質規制の加速
• 発がん性試験等の有害性評価とリスク評価の加速
 リスクアセスメントの促進と危険有害性情報の適切な伝達・提供
• 化学物質に関するリスクアセスメントの促進
• 危険有害性の表示と安全データシート(SDS)の交付促進
• 省庁横断的な取り組みによる合理的な化学物質管理体制の構築
 作業環境管理の徹底と改善
• 化学物質の性状や取扱量等の情報から、測定を行わずに作業環境中の濃度が
推定できる手法の活用による健康障害防止措置の普及
• 発散抑制措置の性能要件化の普及
• 個人サンプラーによる濃度測定の導入検討
16
厚生労働省説明資料から
平成26年 労働安全衛生法改正の経緯
H24.3頃
印刷事業場において洗浄作業等に従事した労働者の胆管がん発症 緊急対応
が相次いで明らかとなった
H25.3
第12次労働災害防止計画策定
目標「危険有害性のラベルとSDSの交付を行っている化学物質製
造者の割合を80%以上とする」
H25.6
労働政策審議会安全衛生分科会において議論を開始
H25.10
胆管がん問題を踏まえた化学物質管理のあり方に関する専門家検 行政検討会
討会報告書とりまとめ
H25.12
労働政策審議会建議
(化学物質管理のあり方の方向性を提言)
H26.2
法改正案要綱について諮問答申
H26.3
労働安全衛生法改正案を国会に提出
大臣策定
労政審建議
法案提出
国会審議
(4/9参議院本会議可決、6/19衆議院本会議可決成立)
H26.6.25
改正労働安全衛生法
公布
法改正
H.27.6.
労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則
H27.9.18
「化学物質等による危険性と有害性の調査等に関する指針」公表 改正
公布
改正
厚生労働省説明資料から 17
化学物質のリスクアセスメントの義務化※1及びラベル表示義務対象の拡大※2について
■施行日
※1:平成26年6月の労働安全衛生法改正による。※2:平成27年6月の労働安全衛生法施行令の改正による。
平成28年6月1日
【改正趣旨】
今回の改正は、人に対する一定の危険有害性が明らかになっている化学物質について、起こりうる労働災害を未然に防ぐため、
事業者及び労働者がその危険有害性を認識し、事業者がリスクに基づく必要な措置を検討・実施する仕組みを創設するものであり、
労働安全衛生法施行令別表第9に掲げる640の化学物質及びその製剤について、①譲渡又は提供する際の容器又は包装へのラベル表
示、②安全データシート(SDS) の交付及び③化学物質等を取り扱う際のリスクアセスメントの3つの対策を講じることが柱である。
施行後
現行
8物質
製造禁止
(
リ
ス
ク
ア
セ
ス
メ
ン
ト
努
力
義
務
)
特
別
規
則
(
基リ
づス
くク
措ア
置セ
のス
努メ
力ン
義ト
務結
)果
に
表ラ
示ベ
義ル
務
(
ラ
ベ
ル
表
示
努
力
義
務
)
(安
S全
Dデ
Sー
)タ
交シ
付ー
義ト
務
(
S
D
S
交
付
努
力
義
務
)
117物質
640物質
石綿等
重度の健康障害あり
(十分な防止対策なし)
PCB等
胆管がん
発生
健康障害多発
(特にリスクの高い業務あり)
健康障害発生
(使用量や使用法
によってリスク
あり)
一定の危険・有害な物質
約6万物質
製造禁止
強
化
部
分
リ
ス
ク
ア
セ
ス
メ
ン
ト
義
務
表ラ
示ベ
義ル
務
(
リ
ス
ク
ア
セ
努ス
力メ
義ン
務ト
)
(
ラ
ベ
ル
表
示
努
力
義
務
)
拡
大
特
別
規
則
(
基リ
づス
くク
措ア
置セ
のス
努メ
力ン
義ト
務結
)果
に
(安
S全
Dデ
Sー
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交シ
付ー
義ト
務
(
S
D
S
交
付
努
力
義
18 務
)
ラベル表示に関わる改正
19
化学物質の表示(ラベル)の改正条文
法第57条 爆発性の物、発火性の物、引火性の物その他の労働者に危険を生ず
るおそれのある物若しくはベンゼン、ベンゼンを含有する製剤その他の労働者
に健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定めるもの又は前条第一項の物を
容器に入れ、又は包装して、譲渡し、又は提供する者は、厚生労働省令で定め
るところにより、その容器又は包装(容器に入れ、かつ、包装して、譲渡し、
又は提供するときにあっては、その容器)に次に掲げるものを表示しなければ
ならない。ただし、その容器又は包装のうち、主として一般消費者の生活の用
に供するためのものについては、この限りでない。
一 次に掲げる事項
イ 名称
ロ 成分 ⇒ 法改正により削除 注)「成分」の表示については、平成28年6月1日以
降、記載義務がなくなりますが、適切と考えられ
ハ 人体に及ぼす作用
る成分の表示を行うことが望まれます。
ニ 貯蔵又は取扱い上の注意
ホ イからニまでに掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
二 当該物を取り扱う労働者に注意を喚起するための標章で厚生労働大臣が定
めるもの
厚生労働省説明資料から
20
ラベル(表示)の対象物質の拡大
ラベル(表示)の対象物質は、安衛令別表第9に掲げる640の化学物質(SDS交付対象物
質)まで拡大されます。
(平成28年6月1日施行。施行日において現に存するものは1年間猶予)
金属*については、粉状以外(塊、板、棒、線など)の場合は適用除外
純物質
*イットリウム、インジウム、カドミウム、銀、クロム、コバルト、すず、タリウ ム、
タングステン、タンタル、銅、鉛、ニッケル、白金、ハフニウム、フェロバナジウム、
マンガン、モリブデン、ロジウム
640物質に掲げる物を含有する製剤のうち、運搬中や貯蔵中で固体以外の状態
にならず、かつ、粉状*にならない物は適用除外
混合物
*粉状とは、流体力学的粒子径が0.1mm以下のインハラブル(吸入性)粒子
を含むものをいいます。
*具体的には、鋼材、ワイヤ、プラスチックのペレットなどは原則適用除外となります。
<適用除外とならない危険物または皮膚腐食性のあるもの>
以下のものは適用除外となりません。
1 危険物(安衛令別表第一に掲げるもの)
2 可燃性の物等爆発または火災の原因となるおそれのある物
3 皮膚に対して腐食の危険を生ずるもの(例えば酸化カルシウム、水酸化ナトリウムなどを含む製剤)
※具体的には、GHS分類の危険有害性クラスで物理化学的危険性または皮膚腐食性を有するもの 21
厚生労働省説明資料から
表示(ラベル)対象物質の拡大と適用除外(概念図)
【SDS(安全データシート)交付】 640物質
【ラベル表示】 104物質
対象物質の拡大
【固形物以外の物】
【固形物】
譲渡・提供時の形状が固体であって、粉状にならない物
・金属、合金等
(例)鋼材(マンガンやニッケル含有)
【固形物でも危険等のおそれのある物】
・令別表第1の「危険物」
・GHS分類で危険性又は皮膚腐食性あり
は新たに適用除外される範囲
注1) 一般消費者向け製品は対象外
注2) 裾切り値は、SDSとラベル表示に相違あり
注)固形物の適用除外は、ラベル表示のみです。
固形物の場合も、SDSの交付はこれまでどおり必要です。
厚生労働省説明資料から
ラベル(表示)の対象物質の拡大
主として一般消費者の生活の用に供するための製品は除きます。
これには以下のものが含まれます。
◆「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法
律第145号)に定められている医薬品、医薬部外品、化粧品
◆ 「農薬取締法」 (昭和23年法律第125号)に定められている農薬
◆労働者による取扱いの過程で固体以外の状態にならず、かつ、粉状または粒状にならな
い製品
◆表示対象物が密封された状態で取り扱われる製品
◆一般消費者のもとに提供される段階の食品
ただし、水酸化ナトリウム、硫酸、酸化チタンなどが含まれた食品添加物、エタノール
などが含まれた酒類など、表示対象物が含まれているものであって、譲渡・提供先におい
て、労働者がこれらの食品添加物を添加し、または酒類を希釈するなど、労働者が表示対
象物にばく露するおそれのある作業が予定されるものについては、「主として一般消費者
の生活の用に供するためのもの」には該当しないこと。
注)ラベル作成の詳細、裾切値については、関係法令、JISZ7253などを参照してください。
厚生労働省説明資料から
23
裾切値の設定・見直し
GHSの
有害性クラス
区分
表示
(ラベル)
通知
(SDS)
急性毒性
1~4
1.0%
1.0%
皮膚腐食性/刺激性
1~3
1.0%
1.0%
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
1~2
1.0%
1.0%
呼吸器感作性(固体/液体)
1
1.0%
0.1%
呼吸器感作性(気体)
1
0.2%
0.1%
皮膚感作性
1
1.0%
0.1%
生殖細胞変異原性
1
0.1%
0.1%
2
1.0%
1.0%
1
0.1%
0.1%
2
1.0%
0.1%
1
0.3%
0.1%
2
1.0%
0.1%
特定標的臓器毒性(単回暴露)
1~2
1.0%
1.0%
特定標的臓器毒性(反復暴露)
1~2
1.0%
1.0%
吸引性呼吸器有害性
1~2
1.0%
1.0%
発がん性
生殖毒性
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法規制上の義務として、
SDSは対象だがラベルは対
象外になる場合もありうる
24
混合物の分類方法の整理
分類方法①
混合物そのものの試験データを利用
混合物そのものの試験データが入手できる場合には、その試験結果に
基づいて分類する
混合物の
分類方法
JIS Z 7252
分類方法②
つなぎの原則を利用
混合物そのものの試験データが利用できない場合には、混合物の分類
が可能かどうかは、「つなぎの原則」を考慮して判断することが望ま
しい
分類方法③
濃度限界を利用
分類方法①②が適用できない場合、混合物の全成分または一部の成
分だけについてデータが入手し、各成分について所定の濃度限界を用
いて分類を行う
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25
ラベル・SDSの裾切値の相違に関わる
注意点
① 混合物成分の濃度限界を用いて分類(例:発がん性の場合)
− 1つの成分が区分1または区分2に分類
− 規定の濃度限界以上で混合物中に存在
成分の分類
混合物の分類基準となる濃度限界
発がん性物質区分1
区分1A
区分1B
発がん性
物質区分2
発がん性物質区分1A
≧0.1%
-
-
発がん性物質区分1B
-
≧0.1%
-
発がん性物質区分2
-
-
≧1.0%
呼吸器感作性
皮膚感作性
発がん性
生殖毒性
② 濃度限界未満でもSDSに記載が必要(例:発がん性の場合)
− 区分2に分類
− 0.1%以上の濃度で混合物中に存在
濃度限界とSDS記載裾切値が異なる場合、危険有害性に分類されな
い混合物でも、SDSへの記載が必要となるケースが発生する
(発がん性・区分2の場合:0.1%≦ かつ <1.0%)
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26
リスクアセスメントの義務化
27
リスクアセスメントの義務化
○特に危険・有害な物質とされている特別規則の物質以外でも、使用量や使用法に
よっては労働者の安全や健康に害を及ぼすおそれがあり、対策を強化する必要。
※胆管がん事案の原因物質は、発生時、特別規則の物質以外であった。
○一定の危険有害性が確認された物質についてリスクアセスメントを義務化。
製造禁止
現行
特
別
規
則
(
リ
ス
ク
ア
セ
ス
メ
ン
ト
努
力
義
務
)
8物質
(
安
S
D全
Sデ
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交タ
付シ
義ー
務ト
(
S
D
S
交
付
努
力
義
務
)
117物質
640物質
石綿等
重度の健康障害あり
(十分な防止対策なし)
PCB等
胆管がん
発生
特
別
規
則
健康障害多発
(特にリスクの高い業務あり)
強
健康障害発生
(使用量や使用法
化
によってリスクあり) 部
一定の危険・有害な物質
約6万物質
製造禁止
施行後
分
リ
ス
ク
ア
セ
ス
メ
ン
ト
義
務
(安
S全
Dデ
Sー
)タ
交シ
付ー
義ト
務
(
リ
ス
ク
ア
セ
努ス
力メ
義ン
務ト
)
(
S
D
S
交
付
努
力
義
務
)
28
改正法の概要
 一定の危険性・有害性が確認されている化学物質による危険性又
は*有害性等の調査(リスクアセスメント)の実施が事業者の義
務となる。(罰則なし)
 事業者には、リスクアセスメントの結果に基づき、労働安全衛生
法令の措置を講じる義務があるほか、労働者の危険又は健康障害
を防止するために必要な措置を講じることが努力義務となる。
 上記の化学物質を製造し、又は取り扱う全ての事業者が対象であ
る。 (規模・業種の限定なし)
 リスクアセスメント等の適切・有効な実施を図るため国が指針を
示す。
 施行時期:平成28年6月1日(経過措置はない)
*
29
「又は」とあるのは危険性又は有害性の一方のみを行えばよいという趣旨ではない。
化学物質のリスクアセスメントに係る法改正(その1)
(平成26年6月公布、平成28年6月1日施行)
第57条の3
事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第57条第1項の政令
で定める物及び通知対象物による危険性又は有害性等を調査しなければ
ならない。
実施すべき事業者 対象の化学物質を製造し、又は取り扱う全ての事業者(業
種、規模を問わない)が行わなければならない。
対象物質
安全データシート(SDS)の交付義務の対象である640物質。
これまで、法第28条の2に努力義務で規定されていたものの一部が、義務化
第28条の2 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、建設物、設備、原材料、
ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等
を調査し、その結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講
ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めな
ければならない。ただし、当該調査のうち、化学物質、化学物質を含有する製剤その他
の物で労働者の危険又は健康障害を生ずるおそれのあるものに係るもの以外のものにつ
いては、製造業その他厚生労働省令で定める業種に属する事業者に限る。
厚生労働省説明資料から30
化学物質のリスクアセスメントに係る法改正(関係省令)
実施時期
1.
2.
3.
【安衛則第34条の2の7第1項】
調査対象物を原材料等として新規に採用し、又は変更するとき。
調査対象物を製造し、又は取り扱う業務に係る作業の方法又は手順を新規に
採用し、又は変更するとき。
前二号に掲げるもののほか、調査対象物による危険性又は有害性等について
変化が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。
実施方法
【安衛則第34条の2の7第2項】
調査は、調査対象物を製造し、又は取り扱う業務ごとに、以下のいずれかの方法
又はこれらの方法の併用により行う。
1. 調査対象物が労働者に危険を及ぼし、又は健康障害を生ずるおそれの程度
(発生可能性)及び当該危険又は健康障害の程度(重篤度)を考慮する方法
2. 労働者が調査対象物にさらされる程度(ばく露濃度等)及び当該調査対象物
の有害性の程度(許容濃度等)を考慮する方法
3. その他、イ又はロに準じる方法
厚生労働省説明資料から
31
化学物質のリスクアセスメントに係る法改正(その2)
第57条の3
2 事業者は、前項の調査の結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の
規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要
な措置を講ずるように努めなければならない。
 労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則や特定化学物質障害予防規則等の
特別規則に規定がある場合は、当該規定に基づく措置を講じることが必要。
 法令に規定がない場合は、結果を踏まえた事業者の判断により、必要な措置
を講じることが努力義務。
第57条の3
3 厚生労働大臣は、第28条第1項及び第3項に定めるもののほか、前2項の
措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するもの
とする。
4 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指
導、援助等を行うことができる。
32
厚生労働省説明資料から
1 危険性又は有害性等の調査に関する指針
(危険性又は有害性等の調査等に関する指針公示)
平成18年3月10日付け公示第1号
2 化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針
(危険性又は有害性等の調査等に関する指針公示)
平成27年9月18日付け公示第3号
(※ 旧指針を廃止し新たに策定)
3 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針
(平成11年4月30日付け 労働省告示第53号、平成18年3月10日改正)
第10条(危険性又は有害性等の調査及び実施事項の決定)第1項
事業者は、法第28条の2第2項に基づく指針に従って危険性又は有害
性等を調査する手順を定めるとともに、この手順に基づき、危険性又は有
害性等を調査するものとする。
33
厚生労働省説明資料から
1.リスクアセスメントの実施時期
施行日(平成28年6月1日)以降、該当する場合に実施します。
<法律上の実施義務>
1.対象物を原材料などとして新規に採用したり、変更したりするとき
2.対象物を製造し、または取り扱う業務の作業の方法や作業手順を新規に採用したり
変更したりするとき
3.前の2つに掲げるもののほか、対象物による危険性または有害性などについて変化
が生じたり、生じるおそれがあったりするとき
※新たな危険有害性の情報が、SDSなどにより提供された場合など
<指針による努力義務>
1.労働災害発生時
※過去のリスクアセスメント(RA)に問題があるとき
2.過去のRA実施以降、機械設備などの経年劣化、労働者の知識経験などリスクの状況に
変化があったとき
3.過去にRAを実施したことがないとき
※施行日前から取り扱っている物質を、施行日前と同様の作業方法で取り扱う場合で、
過去にRAを実施したことがない、または実施結果が確認できない場合
34
厚生労働省説明資料から
2.リスクアセスメントの実施体制
リスクアセスメントとリスク低減措置を実施するための体制を整えます。
安全衛生委員会などの活用などを通じ、労働者を参画させます。
担当者
説明
事業の実施を統括管理する人
(事業場のトップ)
実施内容
リスクアセスメントなどの実施を
統括管理
安全管理者または衛生管理者 労働者を指導監督する地位に
作業主任者、職長、班長など ある人
リスクアセスメントなどの実施を
管理
化学物質管理者
化学物質などの適切な管理に
ついて必要な能力がある人の
中から指名
リスクアセスメントなどの技術的
業務を実施
専門的知識のある人
必要に応じ、化学物質の危険
性と有害性や、化学物質のた
めの機械設備などについての
専門的知識のある人
対象となる化学物質、機械設備の
リスクアセスメントなどへの参画
外部の専門家
労働衛生コンサルタント、労
働安全コンサルタント、作業
環境測定士、インダストリア
ル・ハイジニストなど
より詳細なリスクアセスメント手法
の導入など、技術的な助言を得る
ために活用が望ましい
総括安全衛生管理者など
※事業者は、上記のリスクアセスメントの実施に携わる人(外部の専門家を除く)に
35
対し、必要な教育を実施するようにします。
厚生労働省説明資料から
3 .リスクアセスメントの流れ
リスクアセスメントは以下のような手順で進めます。
リスクアセスメント
ステップ1 化学物質などによる危険性または有害性の特定
ステップ2
特定された危険性または有害性による
リスクの見積り
ステップ3
リスクの見積りに基づく
リスク低減措置の内容の検討
ステップ4
リスク低減措置の実施
ステップ5
リスクアセスメント結果の労働者への周知
厚生労働省説明資料から
リスクとは・・・
特定された危険性又は有害性によって生
ずるおそれのある労働者の危険又は健康
障害の発生する発生可能性とその重篤度
を組み合わせたもの
以下の情報を入手し、危険性又は有害性を
特定する。
・安全データシート(SDS)、仕様書、
機械・設備の情報
・作業標準書、作業手順書
・作業環境測定結果
・災害事例、災害統計
等
・発生するおそれのある危険又は健康障害
の発生可能性と重篤度から見積る。
・化学物質等による疾病では、有害性の程
度とばく露の程度を用いる。
リスク低減措置の優先順位
①危険有害性の高い化学物質等の代替や化
学反応プロセス等の運転条件の変更等
②工学的対策(局所排気装置の設置等)
③管理対策(作業手順の改善等)
④有効な保護具の使用
36
化学物質などによる危険性または有害性の特定
ステップ1
化学物質などについて、リスクアセスメントなどの対象となる業務を洗い出した上で、 SDSに記載さ
れているGHS分類などに即して危険性または有害性を特定します。
ラベル
●●●
危険
○○○○○・・・
△△△△・・・・
ラベルによって、化学物質
の危険有害性情報や適切な
取扱い方法を伝達
SDS(安全データシート)
安全データシート
(SDS)
●●●
-----------------------------------------
(容器や包装にラベルの
貼付や印刷)
---------------------------------------
事業者間の取引時にSDS
を提供し、化学物質の危険
有害性や適切な取扱い
方法などを伝達
<GHS国連勧告に基づくSDSの記載項目>
物理的および化学的性質
(引火点、蒸気圧など)
1 化学品および会社情報
9
2 危険有害性の要約(GHS分類)
10 安定性および反応性
3
組成および成分情報
(CAS番号、化学名、含有量など)
11 有害性情報(LD50値、IARC区分など)
4 応急措置
12 環境影響情報
5 火災時の措置
13 廃棄上の注意
6 漏出時の措置
14 輸送上の注意
7 取扱いおよび保管上の注意
15 適用法令 (安衛法、化管法、消防法など)
8
ばく露防止および保護措置
(ばく露限界値、保護具など)
16 その他の情報
37
厚生労働省説明資料から
SDS 記載例(トルエン 一部)
物理化学的
危険性
健康有害性
環境有害性
出典:厚生労働省 職場のあんぜんサイト「GHSモデルラベル・SDS情報」
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38
<危険有害性クラスと区分(強さ)に応じた絵表示と注意書き>
【炎】
可燃性/引火性ガス 【円上の炎】 支燃性/酸化性ガ 【爆弾の爆発】爆発物
引火性液体
ス
自己反応性化学品
可燃性固体
酸化性液体・固体
有機過酸化物
自己反応性化学品
など
【腐食性】 金属腐食性物質
皮膚腐食性
眼に対する重大な
損傷性
【感嘆符】 急性毒性 (区分4)
皮膚刺激性(区分2)
眼刺激性(区分2A)
皮膚感作性
特定標的臓器毒性
(区分3)
など
【ガスボンベ】高圧ガス
【環境】
水生環境有害性
【どくろ】 急性毒性
(区分1~3)
【健康有害性】呼吸器感作性
生殖細胞変異原性
発がん性
生殖毒性
特定標的臓器毒性
(区分1,2)
吸引性呼吸器有害性
39
ステップ2
リスクの見積もりの方法
(後で詳細説明)
定量的方法
① 作業環境濃度の測定(許容濃度等との比較)
② ECETOC TRA(Targeted Risk Assessment tool)
• BIGDr:(日化協会員向けに公開)化学メーカー向け)
③ あらかじめ尺度化した表を使用する方法(指針では定性的方法として例示)
定性的方法
① マトリックス法
② 数値化法
③ 枝分かれ図を用いた方法(リストグラフ)
④ コントロールバンディング:厚労省「職場のあんぜんサイト」で提供
⑤ プロセス災害を見積もる方法(主に危険性について)
上記に準ずる方法
① 労働安全衛生法関係法令に規定する化学物質の場合、各規定の履行状況を確
認
② その他危険物と同様の危険性を有する化学物質等の場合、労働安全衛生規則
第4章等の各規定を確認
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40
ステップ3
リスク低減措置の内容の検討
リスクアセスメントの結果に基づき、労働者の危険または健康障害を防止するための措
置の内容を検討してください。
◆労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則や特定化学物質障害予防規則などの
特別則に規定がある場合は、その措置をとる必要があります。
◆次に掲げる優先順位でリスク低減措置の内容を検討します。
ア.危険性または有害性のより低い物質への代替、化学反応のプロセスなどの運転
条件の変更、取り扱う化学物質などの形状の変更など、またはこれらの併用によ
るリスクの低減
※危険有害性の不明な物質に代替することは避けるようにしてください。
リスクアセスメント結果
→低減措置
イ.化学物質のための機械設備などの防爆構造化、安全装置の二重化などの工学的
対策または化学物質のための機械設備などの密閉化、局所排気装置の設置などの
衛生工学的対策
ウ.作業手順の改善、立入禁止などの管理的対策
エ.化学物質などの有害性に応じた有効な保護具の使用
厚生労働省説明資料から
41
ステップ4
リスク低減措置の実施
• 検討したリスク低減措置の内容を速やかに実施するよう努めます。
• 死亡、後遺障害または重篤な疾病のおそれのあるリスクに対しては、暫定的措置を直
ちに実施してください。
• リスク低減措置の実施後に、改めてリスクを見積もるとよいでしょう。
• リスク低減措置の実施には、例えば次のようなものがあります。
◆危険有害性の高い物質から低い物質に変更する。
※物質を代替する場合には、その代替物の危険有害性が低いことを、GHS区分やばく露限界値な
どをもとに、しっかり確認します。
確認できない場合には、代替すべきではありません。危険有害性が明らかな物質でも、適切に
管理して使用することが大切です。
◆温度や圧力などの運転条件を変えて発散量を減らす。
◆化学物質などの形状を、粉から粒に変更して取り扱う。
◆衛生工学的対策として、蓋のない容器に蓋をつける、容器を密閉する、局所排気装置
のフード形状を囲い込み型に改良する、作業場所に拡散防止のためのパーテーション
(間仕切り、ビニールカーテンなど)を付ける。
◆全体換気により作業場全体の気中濃度を下げる。
◆発散の少ない作業手順に見直す、作業手順書、立入禁止場所などを守るための教育を
実施する。
◆防毒マスクや防じんマスクを使用する。
※使用期限(破過など)、保管方法に注意が必要です。
厚生労働省説明資料から
42
ステップ5
リスクアセスメント結果の労働者への周知
リスクアセスメントを実施したら、以下の事項を労働者に周知します。
1 周知事項
① 対象物の名称
② 対象業務の内容
③ リスクアセスメントの結果(特定した危険性または有害性、見積もったリスク)
④ 実施するリスク低減措置の内容
2 周知の方法は以下のいずれかによります。 ※SDSを労働者に周知する方法と同様です。
①作業場に常時掲示、または備え付け
②書面を労働者に交付
③電子媒体で記録し、作業場に常時確認可能な機器(パソコン端末など)を設置
3 法第59条第1項に基づく雇入れ時の教育と同条第2項に基づく作業変更時の教育にお
いて、上記の周知事項を含めるものとします。
4 リスクアセスメントの対象の業務が継続し、上記の労働者への周知などを行っている
間は、それらの周知事項を記録し、保存しておきましょう。
厚生労働省説明資料から
43
リスクアセスメント結果等の周知等
周知の内容
周知の手段
①
②
③
④
 作業場への常時掲示・備え付け
 労働者への書面交付
 常時確認可能な機器での電子保管
対象の化学物質等の名称
対象業務の内容
リスクアセスメントの結果
実施するリスク低減措置の内容
周知事項の記録
③
①
②
④
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44
リスクアセスメントの仕方
【どのようなリスクアセスメントを選ぶのか】
有害性(慢性毒性)に着目したRAは、「許容されるばく露量
(気中濃度)」と「実際のばく露量(気中濃度)」を比較して
、リスクを判定することが一般的。
「許容されるばく露量(気中濃度)」には、許容濃度等のばく
露限界値を調べる方法がある。
「実際のばく露量」の推定の方法には、実際に測定する方法と
して、作業環境測定や個人ばく露量の測定があり、検知管など
簡易な方法もある。
コントロール・バンディングでは、使用量、使用温度などから
推定し一定の尺度に変換している。
事業場では、各事業場の実情に応じ、それぞれのリスクアセス
メント手法の特徴を総合的に判断して選択することができる。
46
厚生労働省説明資料から
ステップ2
リスクの見積もりの方法
定量的方法
① 作業環境濃度の測定(許容濃度等との比較)
② ECETOC TRA(Targeted Risk Assessment tool)
• BIGDr:(日化協会員向けに公開)化学メーカー向け)
③ あらかじめ尺度化した表を使用する方法(指針では定性的方法として例示)
定性的方法
① マトリックス法
② 数値化法
③ 枝分かれ図を用いた方法(リストグラフ)
④ コントロールバンディング:厚労省「職場のあんぜんサイト」で提供
⑤ プロセス災害を見積もる方法(主に危険性について)
上記に準ずる方法
① 労働安全衛生法関係法令に規定する化学物質の場合、各規定の履行状況を確
認
② その他危険物と同様の危険性を有する化学物質等の場合、労働安全衛生規則
第4章等の各規定を確認
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47
有害性とリスク
パラケルスス
あらゆるものは毒であり、毒無きものなど存在しない。
あるものを無毒とするのは、その服用量のみによって
なのだ。
1493年か1494年 - 1541年9月24日) はヨーロッパ近世の錬金術
師、医師、自然哲学者。スイス出身。
有害性 × 曝露量
=リスク(悪影響が起きる可能性)
◎「有害性」が大きくても、「曝露量」が少量ならリスクは小
◎「有害性」が小さくても、「曝露量」が大量ならリスクは大
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48
化学物質のリスクとは?
化学物質の危険有害
性(ハザード)
物理化学的危険性
急性障害
健康有
害性
遅発性障害
(慢性障
害)
危険有害性の例
引火、爆発等
リスク予測は?
ラベル・SDSか
ら予測しやすい
ラベル・SDSか
頭痛、吐き気、失神、
らリスクを予測
アレルギー等
できる?
ラベル・SDSか
がん(肝臓、肺等)、
らリスクの予測
障碍児の出等
は難しい
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危険予知活動
(KYT)など
リスクアセスメ
ント
(健康有害性)
49
定量的方法
①作業環境濃度の測定
ばく露限界が設定されている化学物質については、
労働者のばく露量を測定し、ばく露限界と比較する
リスクは許容範囲内とみなす
リスクは許容範囲を超えている
ばく露量
ばく露限界
(許容濃度等)
ばく露量の測定
ばく露限界との比較
 作業環境測定の評価値
 個人ばく露測定結果
 検知管等による簡易な気中濃度測定結果
 日本産業衛生学会の許容濃度
 米国産業衛生専門家会議(AVGIH)の
TLV-TWA など
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50
定量的方法
②数理モデルによる推定
JCIA BIGDr
ECETOC-TRA
EU REACH規則に対応したリスクアセスメン
トルーツ
http://www.ecetoc.org/tra
日本化学工業協会が提供する「化学物質リス
ク評価支援ポータルサイト」(会員向け)
http://www.jcia-bigdr.jp/jcia-bigdr/top
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51
定量的方法
③あらかじめ尺度化した表を使用する方法
①化学物質等による有害性レベル分け
②ばく露レベルの推定
SDSのデータを用いて、GHS等を参考に有害
性のレベルを付す
作業環境レベルを推定し、それに作業時間等作業の状況を組
み合わせ、ばく露レベルを推定
作業環境レベル
= 取扱量 + 揮発性・飛散性 ー 換気 + 修正
有害性
レベル
A
B
E
GHS分類
健康有害性クラス
区分
・皮膚刺激性、眼刺激性
2
・特定標的臓器(単回暴露)
3
・吸引性呼吸器有害性
1,2
・その他の粉体と液体
-
・急性毒性
4
・特定標的臓器(単回暴露)
2
・生殖細胞変異原性
1,2
・発ガン性
1
・呼吸器感作性
1
大量:3
中量:2
少量:1
高揮発性・高飛散性:3
中揮発性・中飛散性:2
低揮発性・低飛散性:1
遠隔操作・完全密閉:4
局所排気:3
全体換気・屋外作業:2
換気なし:1
衣服等に
汚れあり:1
衣服等に
汚れなし:0
作業環境レベル
年
間
作
業
時
間
1以下
2
3
4
5以上
10時間未満
Ⅰ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
10~25時間
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
25~100時間
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
100~400時間
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
400時間超過
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅴ
③リスクの見積り
有害性レベルとばく露レベルを組み合わせ、リスクを見積もる
ばく露レベル
有害
性の
レベ
ル
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
A
1
2
2
2
3
B
2
2
3
3
4
C
2
3
3
4
4
D
2
3
4
4
5
E
3
4
4
5
5
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52
定性的方法 ①マトリックス法
発生可能性及び重篤度を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじ
め発生可能性及び重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用してリスクを
見積もる方法
負傷又は疾病の重篤度
危険又は健康
障害を生ずる
おそれの程度
(発生可能
性)
死亡
後遺障害
休業
軽傷
極めて高い
5
5
4
3
比較的高い
5
4
3
2
可能性あり
4
3
2
1
ほとんどない
4
3
1
1
リスク
優先度
4~5
高
・直ちにリスク低減措置を講ずる必要がある。
・措置を講ずるまで作業を停止する必要がある。
2~3
中
・速やかにリスク低減措置を講ずる必要がある。
・措置を講ずるまで使用しないことが望ましい。
1
低
・必要に応じてリスク低減措置を実施する
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53
定性的方法 ②数値化法
発生可能性及び重篤度を一定の尺度によりそれぞれを数値化し、
それらを加算又は乗算等してリスクを見積もる方法
1 危険又は健康障害の程度
重篤度
死亡
後遺障害
休業
軽傷
X
30点
20点
7点
2点
2 危険又は健康障害を生ずるおそれの程度(発生可能性)
発生可能性
極めて高い
比較的高い
可能性あり
ほとんどない
Y
20点
15点
7点
2点
例;
X + Y = リスク
重篤度(後遺障害)で発生可能性(比較的高い):20+15=35
リスク
優先度
30点以上
高
・直ちにリスク低減措置を講ずる必要がある。
・措置を講ずるまで作業を停止する必要がある。
10~29点
中
・速やかにリスク低減措置を講ずる必要がある。
・措置を講ずるまで使用しないことが望ましい。
10点未満
低
・必要に応じてリスク低減措置を実施する
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54
定性的方法 ③枝分かれ図法
発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していくことによりリスクを見積もる方法
「旧指針」から
困難
重大
日常的
可能
まれ
困難
可能
開始
軽傷
日常的
まれ
居合わせる確率
負傷又は疾病の
重篤度
5
4
高
直ちに低減措置
を講ずる必要が
ある
中
3
速やかに低減措
置を講ずる必要
がある
2
低
1
必要に応じてリ
スク低減措置を
実施する
リスク
優先度
回避可能性
負傷又は疾病の発
生の可能性の度合
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55
定性的方法 ④コントロール・バンディング
ILOの化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)等を用いて
リスクを見積もる方法
INPUT
OUTPUT
ステップ1
対象作業の選定
ステップ2
作業条件の入力
 どの作業を何人
でしているか?
 化学物質の性状
(液体・粉体)
は?
 どのような化学
物質を、どのよ
うな状況で、ど
の程度の量取り
扱っているか?
作業内容
ステップ3
化学物質のランク及
びリスクレベルの決定
ステップ4
作業のリスクレベルと
対策シートの表示
 化学物質のラン
ク及びリスクレ
ベルの表示
 作業のリスクレ
ベルと対策すべ
き事項を表示
揮発性・
飛散性
ランク
化学物質の
物理的形態
ば
く
露
レ
ベ
ル
化学物質の
取扱量
取扱量
ランク
化学物質の
有害性
有害性ランク
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リ
ス
ク
レ
ベ
ル
対策シート
56
厚生労働省:「リスクアセスメント実施支援システム」
コントロールバンディング
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/
マニュアルが提
供されている
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/ras/user/
anzen/kag/ras_start.html
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57
リスクアセスメント対象作業の入力。
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58
「一覧から選択」し「反映」をク
リックすると、「GHS分類区分」と
「沸点」は自動的に入力される。
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59
「一覧から選択」リストから「アン
モニア水」を選択し、「反映」をク
リック、取扱い温度、取扱い単位を
入力した画面
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60
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61
をクリッ
クするとレ
ポートをダウ
ンロードでき
る
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62
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63
「一覧から選択」で物質が分からな
い場合、あるいは、混合物の場合は、
「GHS分類区分」の「選択」をク
リックすると、右の画面になる。
SDSから、名称と「2.危険性有害
性の要約」から分類を入力する。
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64
コントロールバンディングの有害性ランクの分類
GHS有害性分類と区分
低
A
B
有害性
ランク
C
D
E
高
保護具の
使用が有
効な分類
S
・皮膚刺激性、眼刺激性
区分2
・特定標的臓器(単回暴露)
区分3
・吸引性呼吸器有害性
区分1、2
・グループに分類されない、その他の粉体と液体
-
・急性毒性
区分4
・特定標的臓器(単回暴露)
区分2
・急性毒性
区分3
・皮膚腐食性、眼に対する重篤な損傷性、皮膚感作性
区分1
・特定標的臓器(単回暴露)
区分1
・特定標的臓器(反復暴露)
区分2
・急性毒性
区分1,2
・発ガン性
区分2
・生殖毒性
区分1,2
・特定標的臓器(反復暴露)
区分1
・生殖細胞変異原性
区分1,2
・発ガン性
区分1
・呼吸器感作性
区分1
+
・急性毒性(経皮、蒸気、気体、粉じん、ミスト)
区分1~4
・呼吸器感作性
区分1
・皮膚腐食性・刺激性・感作性、眼に対する損傷性・刺激性
区分1,2
・特定標的臓器(呼吸器系、経皮吸収)
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区分1,2
65
コントロールバンディングでのばく露程度の見積もり
(取扱量、揮発性・飛散性からばく露ランクを見積もり)
取扱量(1回、または、1日)
*取扱量
*粉体の飛散
性の判断基準
*液体の揮発
性の判断基準
大量
トン、kℓ単位で量る規模
中量
kg、ℓ単位で量る規模
少量
g、mℓ単位で量る規模
粉体の飛散性の判断基準
高飛散性
微細で軽い粉じん
中飛散性
結晶質、粒状、沈降性
低飛散性
小球状、薄片状、小塊状
350
低揮発性
300
中揮発性
250
沸
点 200
℃
150
高揮発性
100
50
0
20
50
75
100
125
150
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工程温度℃
66
コントロールバンディングのリスクレベルの見積もり
使用量
低揮発性
・低飛散性
中揮発性
(液体)
中飛散性
(粉体)
高揮発性
・高飛散性
有害性ランク A
大量(ton、kℓ)
1
1
2
2
中量(kg、ℓ)
1
1
1
2
少量(g、ℓ)
1
1
1
1
有害性ランク B
大量(ton、kℓ)
1
2
3
3
中量(kg、ℓ)
1
2
2
2
少量(g、ℓ)
1
1
1
1
有害性ランク C
大量(ton、kℓ)
2
4
4
4
中量(kg、ℓ)
2
3
3
3
少量(g、ℓ)
1
2
1
2
次スライ
ドに詳細
結果
有害性ランク D
大量(ton、kℓ)
3
4
4
4
中量(kg、ℓ)
3
4
4
4
少量(g、ℓ)
2
3
2
3
4
4
有害性ランク E
全ての使用量で
4
4
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67
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コントロールバンディング 対策シート(1)
リスクレベル1
100
全体換気
101
全体換気
102
全体換気
103
全体換気
リスクレベル2
200
工学的対策
201
工学的対策
202
工学的対策
203
工学的対策
204
工学的対策
205
工学的対策
206
工学的対策
207
工学的対策
208
工学的対策
209
工学的対策
210
工学的対策
211
工学的対策
212
工学的対策
213
工学的対策
214
工学的対策
215
工学的対策
216
工学的対策
217
工学的対策
218
工学的対策
219
工学的対策
220
工学的対策
221
工学的対策
一般原則:全体換気
一般的な貯蔵及び保管
屋外野積み
集じん機の粉じん処理
一般的注意事項:局所排気装置
換気装置付き作業台
層流ブース
集じん機の粉じん処理
コンベヤによる輸送
袋への充填
袋を空にする作業
袋または小型容器から反応装置や混合装置への充填
中間バルクキャリア(IB C )への粉体の充填と空にする作業
ドラム缶への液体の充填
ドラム缶を空にする作業とドラム缶用ポンプ
粉体の計量
液体同士または液体と粉体の混合
粉体の混合
ふるい選別(シフター型)
ふるい選別(スクリーン型)
吹き付け塗装
酸洗浄槽およびメッキ槽
蒸気脱脂槽
棚型乾燥炉
ペレット成形
錠剤成形
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コントロールバンディング 対策シート(2)
リスクレベル3
300
封じ込め
301
封じ込め
302
封じ込め
303
封じ込め
304
封じ込め
305
封じ込め
306
封じ込め
307
封じ込め
308
封じ込め
309
封じ込め
310
封じ込め
311
封じ込め
312
封じ込め
313
封じ込め
314
封じ込め
315
封じ込め
316
封じ込め
317
封じ込め
318
封じ込め
封じ込めの一般原則
グローブボックスの設計と使用
集じん機の粉じん処理
粉体の輸送
袋を連続して空にする作業
ドラム缶への連続充填
ドラム缶を空にする作業
中間バルクキャリア(IB C )への充填と空にする作業(粉体)
中間バルクキャリア(IB C )への充填と空にする作業(液体)
タンクローリーへの充填と空にする作業(粉体)
タンクローリーへの充填と空にする作業(液体)
ケグへの充填
ポンプによる液体の輸送
小型容器への充填(パケットとビン)
粉体の計量
液体の計量
粉体の混合
液体同士または液体と粉体の混合
蒸気脱脂槽
リスクレベル4
400
特殊
一般原則
S :保護具
S k1 0 0
R100
皮膚や眼に
有害な化学 皮膚や眼に有害な化学物質に対する労働衛生保護具
物質
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呼吸用保護具の選び方と使い方
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〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3 サンホリベビル4F
電話:050-5577-4862/03-6231-0133/03-6231-0851
FAX : 03-5462-6145
E-mail:[email protected]
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