全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト 全関係者が満足する 成績評価への取組み ー2015年度業務改善コンテストー Nov. 27, 2015 東海大学 工学部 動力機械工学科 教授 坂 本 俊 之 1/10 1.改善前 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト ✔改善前は、次の問題を含んでいた † 多様な学生の入学 † 学修レベルが不十分のまま履修を続ける ⇒ 従来評価基準では × 単位取得に支障を来す学生 × GPA評価が低位に止まる学生が増加 2/10 1.改善前 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト 3/10 ✔教員は単位取得させる様々な手を模索 ①授業レベルを落として受 講者の理解度を上げる ②試験問題(中間・期末試 験)のレベルを下げる ③試験ではなくてレポートで 評価 ④試験では教科書持ち込み を認める ⑤試験では自己作成資料 の持込みを認める ⑥出席点を高く評価する ⑦試験後に目標数を満たす ように点数調整 ①大学授業をリメディアル科目 へとすり替える行為 ②本当に身につけて貰いたい力 を評価できない ③基礎学力はレポートで評価で きない ④試験前でも全く勉強すらしない 学生を作り出す ⑤カンニングペーパーの使用を 公に認めたことに他ならない ⑥幼稚園と変わらない ⑦シラバスの評価基準を反古に する行為 2.改善案 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト 4/10 ✔次の改善策を提案する 考え方:大学教育のレベルを下げない(上記の①~⑥) 成績評価基準を安易に変えない(上記の⑦) 課題: ×絶対評価 (再履修を繰り返しても、偏差値上位大 学との溝は簡単に埋まらない) 対策: ○相対評価 (受講者間の成績を評価) Step① 標準試験により受講生の平均レベルを求める Step② 統計的処理により成績偏差値を求める Step③ 授業態度、課題、小テスト等の平常点を加味 Step④ 特別な事情(卒業問題や不正行為)を勘案 ⇒ ①から③の定量的指標で評価 ④の特別な事情は限定的扱い 素点と偏差値 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト 5/10 ✔素点を公平な目で(偏差値で)見てみると (評価に使った科目は、2015年春学期開講の車両制御工学) 偏差値評価 46 偏差値評価 46 86 41 23 18 0 0 9 0 10 21 16 12 12 0 20 6 30 4 40 素点(中間) 50 60 70 2 3 1 0 80 90 0 100 偏差値(中間) 中間試験 ✓レベル:普通 ✓問題:計算主体 ✓講評:素点では、高得点から低得点まで分散。合 格ラインを越える学生は少ない。 偏差値では、高得点側へシフトするものの合格ライ ンを越える学生はまだ少ない。 0 0 1 0 1 0 3 12 1 6 10 20 30 40 4 素点(期末) 50 36 32 26 4 60 12 3 70 0 80 29 0 90 100 偏差値(期末) 期末試験 ✓レベル:平易 ✓問題:論述主体 ✓講評:素点では、高得点に偏る。合格ラインを越 える学生が殆ど。 偏差値では、高得点者は中位得点者側となり、合 格はするものの、C評価へ集中。 素点と偏差値+平常点 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト 6/10 ✔さらに平常点を偏差値へ加味すると 偏差値+平常点 偏差値+平常点 46 62 43 36 29 23 32 36 38 29 18 0 0 9 0 10 12 12 12 0 20 0 30 1 40 7 50 素点(中間) 4 60 70 2 80 1 90 0 100 頻度 中間試験 ✓レベル:普通 ✓問題:計算主体 ✓講評:素点では、高得点から低得点まで分散。合 格ラインを越える学生は少ない。 偏差値+平常点では、高得点側へシフトし合格ライ ンを越える学生も十分。 0 0 1 0 1 0 3 10 1 0 4 1 4 8 12 14 10 20 30 40 50 60 70 素点(期末) 80 90 100 頻度 期末試験 ✓レベル:容易 ✓問題:論述主体 ✓講評:素点では、高得点に偏る。合格ラインを越 える学生が殆ど。 偏差値+平常点では、高得点側へシフトし合格ライ ンを越える学生も十分だが、S評価者はいない。 標語 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト 7/10 ✔SABCの標語で得点分布を見ると 素点 偏差値+平常点 126 61 40 44 35 33 0 0 / 24 9 E 4 C 素点(中間) 素点(中間) S A B C E / 合格率 + 0 1 2 4 126 0 5.3 33 2 B 30 1 A 37 0 S 0 0 / 素点(期末) 素点(期末) S A B C E / 合格率 20 18 10 E 0 C 偏差値&出席(中間) + 37 30 33 9 24 0 82.0 素点比較 ✓中間試験(普通):殆ど合格者なく(合格率5.3%)、 このレベルが学生の実力。 ✓期末試験(平易):殆ど合格者で(合格率82%)、 下位層を持ち上げたためS評価者が続出。 偏差値&出席(中間) S A B C E / 合格率 + 5 35 40 33 20 0 85.0 B A 5 S 偏差値&出席(期末) 偏差値&出席(期末) S A B C E / 合格率 + 0 44 61 10 18 0 86.5 偏差値+平常点比較 ✓中間試験(普通) :殆ど合格者だが(合格率 85%)、統計処理のためS評価者続出など不自然な 分布にはならない。優秀者はきちんとS評価される。 ✓期末試験(平易) :統計処理のため同傾向。 3.改善後 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト ✔改善後は次の効果が期待できる ○学生・父兄・教員・企業の満足度が向上 ○大学評価も向上 「全方位Win Win施策」が実現 8/10 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト 3.改善後 9/10 学生満足度 ○多様な学生を公平に評価 でき学生の満足度も向上 ○他の授業への取組み姿 勢も改善 教員満足度 ○評価基準軸がしっかりと定 まり成績評価で悩むこともな く業務がスムーズに進行 ○大学評価向上 企業満足度 ご父兄満足度 ○学内での頑張りが結果とし て直ぐに現れるため心配度 が期待度・満足度へと変化 ○「S」評価がやたらと多いなど 採用時に学生の成績で疑義が 無くなり大学への信頼度が向上 全関係者が満足する成績評価への取組み 2015年度業務改善コンテスト Thank You for Your Kind Attention 10/10
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