Shared Questionnaire System デバイス中立なフォーム記述言語を 用いたマークシート式調査システムの 開発と運用 久保 裕也 [email protected] 千葉商科大学 政策情報学部 専任講師 慶應義塾大学 SFC研究所 上席研究員 2006/08/26 日本教育情報学会@岡山理科大学 1 研究の背景 • 「学校評価」の義務化 – 平成14年 学校設置基準の改定 – 各教育委員会によるガイドラインの策定 •自己評価 •第三者評価 情報公開 参画の広がり・学校の改善 設置者・教育委員会 管理職教員 一般教員・職員 児童生徒・保護者 地域住民など (支援者・将来の顧客) Plan Do Act Plan Check Action Do Plan Check Action 学校関係者それぞれによるPDCA Do Check 2 解決すべき問題 PDCA:客観的な評価基準を用いた改善 「学校関係者へのアンケート調査とその分析」 しかし… 質問紙方式での調査・集計業務が 学校現場の多大な負担となっている。 ※Webアンケートを利用できる場合は非常に限定的 ※マークシート方式は機器・用紙コストが高く、回答者にも負担がある 3 DublinCore + XForms ※FormControl部分のみ + XHTML2 + いろいろ ∥ 調査の属性+ 調査票の本文 を抽象的に記述する言語 “SQS Source” 4 問題意識・仮説 調査結果・情報公開 Excel,SPSS/ CSV 自由記述欄 アンケート設計ツール SourceEditor 雛形A 雛形B 集計ファイル 表形式データ 雛形C 画像 マーク読み取りツール 印刷原稿PDF アンケート 印刷原稿 PDF 印刷・配布・ 回答・回収 アンケート 回答用紙 MarkReader 調査票スキャン 画像フォルダ/ 画像ファイル 印刷原稿PDF 5 デモンストレーション •SQS SourceEditor – 調査票の雛形構造(調査手法)の選択 – 調査票の論理的構造のデザイン – 調査票の具体的メディアに対応した コンテンツの生成 •SQS MarkReader – マークシート式調査メディアに対応 – 集計処理・グラフ生成の自動化 6 デバイス中立性 • One Source – Multi Device – 同じ調査票データを用いて: • 質問紙調査によるアンケートの調査票 – 回答欄表現方法を変更 • 汎用マーク式調査によるアンケートの調査票 – 回答欄番号ルールを変更、回答欄表示を省略 • 専用マーク式調査によるアンケート・SQSの調査票 • Webフォーム – PC用 – 携帯電話用 – 変換スクリプトを使い分けるだけで、多様な方式での 調査票の表現を、自動作成できる – 「構造」と「スタイル」の分離 7 集計に要す る設備 集計の準備 回答のしやすさ 質問紙 手書き なし コード化・ ○ 無効票基準の 設問と回答欄の 統一化 対応が自明 汎用 マーク シート 専用マーク コード化 情報設定 スキャナ 特製 マーク シート 汎用光学 スキャナ SQS による 特製 マーク シート 汎用光学 スキャナ 集計に要する 処理速度 おおよそ 10秒/設問 (手作業) × 塗つぶしが面倒 設問とマーク欄の 対応が不明瞭 おおよそ 1秒/枚 (自動) マーク位置 設定が面倒・ コード化情報 設定 △ 塗つぶしが面倒 設問と回答欄の 対応が自明 おおよそ 1秒/枚 (自動) 抽象的な 調査票構造の 定義 マーク位置・ コード化情報 設定は不要 △ 塗つぶしが面倒 設問と回答欄の 対応が自明 おおよそ 1秒/枚 (自動) 8 設問構造 再利用性 回答構造 再利用性 調査票の 属性 質問紙 手書き × 標準なし × 標準なし × 標準なし 汎用 マークシート × 標準なし CSV、ODBC など × 標準なし 従来の特製 マークシート × 標準なし CSV、ODBC など × 標準なし SQSによるマーク シート XHTML+ XForms CSV or XFormsModels Dublin Core/ RDF 9 本研究による提案 •調査票のデバイス中立性up •抽象性・汎用性up •再利用性(拡張性・応用性)up •調査コスト軽減・品質向上 10 調査デザイン・調査票の流通・再利用 • ネットワーク経由で取得した「調査票の本文」 を、コピー・貼り付けしたり、一部を書き換えた りすることで、簡単に新しい「調査票」を作れ るようになる。 • 社会的に調査ニーズの高い・品質の高い調 査票が、繰り返し使われることで、より洗練さ れるとともに、その調査結果が蓄積し、客観 的な評価のための比較に用いることができる ようになる。 11 学校評価の役割の3層構造 調査手法 文科省・教育委員会・ 大学・研究機関・NPO それぞれの 学校現場 (学校評価の実施担当教員・ 校長・教頭) (調査の手法・ 調査項目の雛形) 課題への取組 調査票 (何を・どのように を共通化・ 調査するのかの 特色化 デザイン) 学校評価への回答者 (教職員・児童生徒・ 保護者・地域住民など) 調査結果 (回答内容・ 現実はどうなって いるのかのデータ) 12 成果:社会的普及・行政施策への反映 • 宮城・岩手・群馬の県教委・学校へ公式導入。 – 個別学校内の担当者による自発的な利用を含めれば、全国で数百校の規模で普及が拡大中。 • 文部科学省行政に反映。 – 平成17年:中央教育審議会・義務教育特別部会(第33,34回) • 議論に取り上げられる。 – 平成18年4月:「学校の第三者評価等に関する研究計画に関わる事 業案の公募」 • 文部科学省からのヒアリングを受け、募集内容に影響を与える。 – 平成18年8月:「学校評価ガイドラインに基づく評価実践研究推進地 域及び協力校の指定」・「コンピュータ等を有効に活用した効果的な 処理方法の研究」部門 • 岩手県奥州市における「学校評価の事務的負担を軽減する「学校評価 支援システム(SQS)」の有効な活用と普及・拡大」が採択される。 • 関連して、日本教育新聞、教育委員会月報などでの報道、計5回。 13
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