MOT勉強会 (2007/05/09) 大阪大学工学研究科 ビジネスエンジニアリング 専攻 座古研究室 修士2年 Agenda 1. 登られるが,降りられない 2. ディスクドライブ業界の上位移 動 3. 総合鉄鋼メーカーの上位移動 4. 組織の性質に関する原則 5. 破壊的技術はそれを求める顧客 を 持つ組織に任せる 6. 組織の規模を市場の規模に合わ 登られるが降りられない • バリューネットワークに属する企業は,その境 界から抜け出せる • 上位のネットワークには移動できるが,下位の ネットワークには移動できない ディスクドライブ業界の上位移動 • シーゲートテクノロジーの例 (P119) – 5.25インチディスクドライブ(8インチに対する破 壊) – 主要市場はデスクトップ – 上位市場はミニコン • 市場規模と利益率は主要市場の1.5倍 – 上位市場に対する強みがある • 低い利益率で成り立つビジネスモデル • 短い製品開発サイクル • 破壊的技術が持つ性質(小型,耐久性,省電力) ディスクドライブ業界の上位移動 • 資源配分と上位への移動 (P123) – イノベーションは組織の深い場所から生まれる – 底辺からのアイデアを中間管理職がふるい分けを行 う • 企業の財務,競争力,戦略の状況に照らす • 市場がなかったことが原因の失敗はコストがかかり,企業 の評判を傷つけ,マネージャーも危ない • 既存顧客や製品の既存ユーザーのニーズに的を絞った,市 場が明確なプロジェクトが承認を得やすい 総合鉄鋼メーカーの上位移動 • 総合鉄鋼メーカー – – – – 1980年から1990年まで効率を高める努力をしている 効率改善 鉄鋼生産1t当り9人時→3人時以下 93000人→23000人に労働力削減 設備の近代化のための設備投資額20億ドル以上 • ミニミルメーカー – 60年代~ – 鉄くずからコスト競争力のある溶融鉄鋼を生産する 規模が鉄鉱石から作る場合の10分の1 – 鉄鋼生産1t当り0.6人 – 線材,棒鋼,形鋼に関しては,北米市場を独占 (2000年) 総合鉄鋼メーカーの上位移動 • ミニミルメーカー – 初めはぎりぎりの品質→市場は最下層の鉄筋分野の み 強み – – – – 減価償却費がほとんど無い 研究開発費はゼロ 営業経費も低い 一般管理費も最小限 組織の性質に関する原則 1. 資源の依存 2. 小規模な市場は,大企業の成長需要を解決しな い 3. 破壊的技術の最終的用途は分からない 4. 組織の能力はそのプロセスと価値基準にある 5. 技術の供給は市場の需要と一致しないことがあ る 破壊的技術はそれを求める顧客を 持つ組織に任せる 「企業に何ができて何ができないかを実質的に決 定する のは,企業の顧客である」 では,破壊的技術が出現したとき,経営者はどう するか 1. 技術の長期的重要性を全社員に訴える 2. 独立した組織を作り,その技術が必要とする新し い顧客の中で活動させること 組織の規模を市場の規模に合わせる • 持続的技術において,ファーストムーバーアドバ ンテージは働かない (P174) • 破壊的な技術においてはリーダーシップが莫大な 価値を生む – – 破壊的ディスクドライブ市場に2年以内に参入した 企業の成功確立はそれ以降の6倍 P179の表 組織の規模を市場の規模に合わせる • 破壊的技術に直面した企業の対処 1. 新しい市場の成長率を押し上げる – アップル (45000台と140000台) 2. 市場がうまみのある規模に拡大するまで待つ – – プライアム (2年と1年) シーゲート (販売して設計し,最後に製造する) 3. 小規模な組織にチャンスを与える – – CDC (5万ドルの注文に夢中になれる組織) モチベーション ディスカッション • ミニミルの粗悪な鉄が何故上位市場を食っていったか – 品質を上げるための設備投資が必要→コストが上がるのでは? – リサイクルという手法は供給が不安定でプロセスが複雑なので は? – 何故買わないの?→独禁法 – 事業の選択と集中により,上位市場に移行した • 企業の長期的戦略はどう考えていたのか – トップは短期的な結果を追い求めてしまう? スケジュール 5月 6月 7月 第 6 回 勉 強 会 第 7 回 勉 強 会 4 , 5 , 6 章 7 , 8 , 9 章 電 気 自 動 車 章 ? イ ノ ベ シ ョ ン の 収 益 化 ? 事 例 研 究 第 8 回 勉 強 会 第 9 回 勉 強 会 第 10 回 勉 強 会 10月 第 11 回 勉 強 会 第 12 回 勉 強 会 発 表 会 ア ウ ト プ ッ ト ) 第 5 回 勉 強 会 9月 ( 第 4 回 勉 強 会 ー 第 3 回 勉 強 会 8月
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