サイトマルチホーミングとは

Address Assignment and
Route Selection for IPv6
End-to-End Site Multihoming
IPv6 エンドツーエンド サイトマルチホーミング
実現のためのアドレス割当と経路選択
指導教官: 岡部寿男 教授
ネットワークメディア分野
February 19, 2004
大平健司
Public Hearing of Master Thesises
1
はじめに

研究背景:


インターネット接続は一般家庭などにも普及し、ライフ
ライン化しつつある
研究目的:

家庭ネットワークのような小規模ネットワークのイン
ターネット接続を安価だが高信頼なものにする
→マルチホーミングによる解決を図る
February 19, 2004
Public Hearing of Master Thesises
2
マルチホーミングとは
The
Internet
ISP
A
信頼度99%の回線
ISP
B
経路情報を
すべての上流へ
アナウンス
信頼度90%の回線
×2本
どちらもシステム全体の信頼度は99%

マルチホーミング


ネットワーク高信頼化技術
の一種


接続回線の複数化
コスト面での優位性
February 19, 2004
古典的マルチホーミング



スケーラビリティがない
手動設定項目が多い
高度な知識が必要
→ 一般への普及は難しい
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3
本研究の基盤:
エンドツーエンドマルチホーミング
The
Internet
ISP
A
ネットワークへの 
アドレス割当
各ISPからアドレスを取得

ISP
B

経路選択

ISPはマルチホーミングが
下流で行われるかどうか
気にする必要がない
スケーラブルな方式
両端末に経路の選択権
→複数ある経路をどのように
すればうまく利用できるのか
課題が多い
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本研究の概要

The
Internet
Uplink
1
Uplink
2
複数の対外接続を家庭等の
ネットワークで共有する場合
ネットワーク内の機器への
アドレス割当
 経路選択を実現するための
ネットワーク層の機能
について、エンドツーエンドマルチ
ホーミングへの拡張の形で新しい
プロトコルを設計

Internet Draftとして公開
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IETF Multi6 WG
The
Internet
ISP
A

ISP
B

経路情報を両
方のISPへ
アナウンス
・アドレス体系の木構造を崩し、
経路情報の集約ができない
古典的なマルチホーミング
方式はスケーラビリティが
ない
スケーラブルなマルチ
ホーミングソリューションの
策定を目指す
・経路の選択はルーティング
プロトコル任せ

古典的マルチホーミング
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6
IETF Multi6 WG:
サイトマルチホーミングとは
The
Internet
The
Internet

ホストマルチホーミング

ホスト自身が複数系統の
経路を持つ
February 19, 2004

サイトマルチホーミング

外部への複数の経路を家庭
ネットワーク(サイト)全体で
共有
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7
IETF Multi6 WG:
サイトマルチホーミングの課題

どの対外接続を経由させる?


パケットにどのようなアドレスをつける?


ISP Selection / Site Exit Router Selection問題
Ingress Filtering問題
複数の対外接続を同時に利用できないか?

Load Sharing問題
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IETF Multi6 WG: 提案されている
サイトマルチホーミング手法
Z::z
Z::z
Z::z
ISP
A
ISP
B
ISP
A
Mapping
Agent
A::x
B::x
3.
1.
src B::x
dst Z::z
A::x
B::x
マッピングエージェント 出口ルータ間トンネリング
(Huitema et. al.)
(Launois et. al.)
• Ingress filtering問題は解決している
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src A::x
dst Z::z
ISP
A
ISP
B
2.
2.
1.
2.
ISP
B
1.
src B::x
dst Z::z
A::x
B::x
パケットリライト
(Nordmark et. al.)
• Load sharingは解決していない
• Single point of failure を抱える
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9
エンドツーエンドマルチホーミング
サイトへのアドレス割当


The
Internet

Multi6 WGでの提案
Ohta et. al.による
経路選択は上位層の役割

ISP
A
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ISP
B
アドレス対を決定することで
経路を選択
経路選択
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エンドツーエンドマルチホーミング
のサイトマルチホーミング対応

上位層の対応



上位層の経路選択へのネットワーク層の対応


通信経路(アドレス対)の選択
通信途中でのアドレス変更への対応
各パケットが送信元アドレスに対応したサイト出口
ルータから出るようにし、上位層での選択をフォロー
サイト内のアドレス割当


複数与えられるアドレスを自動的に管理
経路表設定と連携
→本研究では下2つの課題を解決した
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エンドツーエンドマルチホーミング:
経路選択
Address A1
B1
Host B
Host A
A2



B2
トランスポート層など、ネットワーク層の上位層で行う
1組の送信元・宛先アドレス対が1つの経路に相当
TCP-MH (Matsumoto et. al.) など
本研究ではこれを下支えするためのネットワーク層の機能について整備した
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成果1: 経路選択実現のための
ネットワーク層の機能
A::s
ISP
C
ISP
A
ISP
A
ISP
B
s
B::s
C::t
ISP
C
t
B::t
Upper Layer

ISP
B
s
t
Network Layer
1組の送信元・宛先アドレス対が1つの経路に相当
送信元アドレスに対応したISPを経由
Source Address Based Routingを導入
 送信元のみマルチホーミングの時にも複数経路利用
SABR適用をデフォルト経路に限定
- 既存プロトコルへの修正を最小限に
 サイト外ネットワークへの経路情報はISPへの経路
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(デフォルト経路)だけ 13
draft-ohira-assign-select-e2e-multihome-02.txt

成果2:
サイト内アドレス割当プロトコル
48bits
16bits
Global Routing Prefix
Subnet ID
ISPから取得


Interface ID
NICから
自動生成
IPv6ではアドレス長は128ビット
16ビットをサイト内で管理




IPv6アドレスの典型例
64bits
マルチホーミング状態では各ノードは複数アドレスを持つ
構成するリンク数に比例して設定変更の量が増加
手動設定では設定ミスの可能性
経路表設定とも連動させる
→アドレス自動割当によりユーザの負担を軽く
draft-ohira-multi6-multilink-auto-prefix-assign-00.txt
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階層的アドレス割当
ISP
X
The
Internet
A
ISP
X
A
C
X:0000::/48
X:0000::/64
ISP
Y
C
ISP Xはサイトに
X::/48をdelegate
D
X:1000::/52
X:1000::/64
B
D
E
F
E
X:1100::/56
G
X:1100::/64
B
G
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F
サイト内のリンクに出口ルータに近い所から順にアドレスが
割り当てられる 15
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アドレス自動割当プロトコル詳細
16bits

Subnet ID
再帰的アドレス割当


p bits
q bits
16-p-q bits
delegated
delegating
Link ID
DHCPv6 with Prefix
Delegation Option
経路表設定との連動

デフォルト経路へのSource
Address Based Routing
割当の段が深くなるほどpは増える
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まとめ

本研究ではIPv6エンドツーエンドサイトマルチホーミン
グに関し、

複数の対外接続を家庭などのネットワーク中で
共有する場合の
 上位層での経路選択のためのネットワーク層の機能


draft-ohira-assign-select-e2e-multihome-02.txt
経路表設定と連動したサイト内のアドレス割当

draft-ohira-multilink-auto-prefix-assign-00.txt
についてのプロトコルを設計し、
Internet DraftとしてIETFに提出
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