国民年金(老齢基礎年金) 厚生年金(老齢厚生年金) 05f0829 寺田恵也 はじめに 現在、年金制度の崩壊、少子高齢化問題等で 私達の将来の年金制度に対する展望は、 決して明るいものとは言えません。 そんな今だからこそ、年金制度をしっかりと理解し 将来のライフプランを構築するべきではないかと 考えた為、国民年金・厚生年金をテーマとして 選びました。 プレゼンの趣旨について 本プレゼンでは、国民年金、厚生年金という膨大な範囲 を扱う事になるが、あえて私達大学生にとって関わりの ある項目に絞って説明を行う。 目次 ①年金保険制度の全体像 ②国民年金保険 ・全体像 ・概要 ③厚生年金保険 ・全体像 ・概要 ・計算式 ④おわりに 年金保険制度の全体像 国民年金 社会保険制度 国民年金基金 厚生年金 公的年金 被用者年金 (1)年金保険 共済組合 (2)健康保険 (3)労災保険 企業年金 (4)雇用保険 私的年金 (5)介護保険 個人年金 厚生年金基金 年金保険制度の全体像(単語説明) 国民年金基金…国民年金を補うもの 共済組合…公務員、私立学校職員が加入する年金保険 企業年金…企業が社員に対して年金を支給する仕組み 厚生年金基金…企業年金の代表的なもの。厚生年金に 上乗せされて支給される。 年金保険制度の全体像 老齢基礎年金 国民年金 障害基礎年金 遺族基礎年金 老齢厚生年金 厚生年金 障害厚生年金 遺族厚生年金 年金保険とは? 社会保険制度の説明 そもそも年金保険とは…社会保険制度の一部。 社会保険制度 →その加入者や家族に病気・出産・失業・障害・死亡 等の「事故」が起きた時に、一定の「給付」を行う制度 である。 年金保険とは? 社会保険制度の内訳は… (1)医療保険…病気やケガなどで治療を有する人に給付を 行う (2)年金保険…老後の収入の確保の為に一定年齢以上に 達した人に老齢年金を給付する制度。 また、身体への障害の場合には障害年金、 死亡の場合には、遺族に遺族年金が給付される。 (3)労災保険…労働者の業務上の負傷等に給付するもの (4)雇用保険…失業者への給付を行うもの (5)介護保険…加齢や疾病等によって、要介護状態となった人にサービス等 を適用するもの 年金保険とは? 年金保険制度の全体像 年金保険制度の全体像 →年金保険制度は大きく公的年金制度と 私的年金制度に分けられる。 ・公的年金制度…国などの公的機関が保険者 →(国民年金、厚生年金) ・私的年金制度…主に民間の金融機関が保険者 →(企業年金等) 公的年金制度の概要 現在の日本国の公的年金制度は、 ①全国民に共通した国民年金(基礎年金) ②被用者に対する厚生年金保険、共済年金 ③企業年金 以上の3階建ての構造になっている。 →3階建てとは、どういう意味か? 公的年金制度の全体図(3階建て構造の説明) 3階部分 2階部分 1階部分 公的年金制度の年金額 物価スライド制度 物価スライド制度とは、簡単に説明すると… 物価が上昇した時は年金額が上昇して、 下落した時は年金額が減少する事になる制度。 詳しく説明すると… ↓ 公的年金制度の年金額 年金額の物価スライド制 国民年金、厚生年金保険、および共済年金では、 物価の上下により年金額の実質価値に変動があった場 合は、これを自動的埋め合わせる仕組みとして 「物価スライド制」が導入されている。 → 年平均の全国消費者物価指数が前年より変動した 場合は、翌年の年金額が見直される。 公的年金制度の年金額 グラフでの説明 (前年比全国消費者物価指数) 平成14年 ▲0.9% 平成15年 ▲0.3% 平成15年物価スライド率:0.991 平成16年物価スライド率:0.988 平成16年 ±0.0% 平成17年 ▲0.3% 平成17年物価スライド率:0.988 平成18年物価スライド率:0.985 国民年金保険 とは? 国民年金保険とは? 年金制度の最も代表的なもの。 日本国内に住む20歳以上60歳未満の者は国民年金に 強制加入。 制度加入者がある要件を満たすと以下が給付される。 ①65歳以上に老齢基礎年金 ②障害を負うと障害年金 ③死亡してしまった場合は遺族に遺族年金 国民年金保険とは? 被保険者の区分 国民年金保険(全国民対象)では、職業等により 「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」 に分類される。 「第1号被保険者」 →日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の 農業者、自営業者、学生。 「第2号被保険者」 →厚生年金保険、共済年金保険の加入者。 「第3号被保険者」 →厚生年金保険、共済年金保険の加入者の収入によって、 生計を維持されている配偶者(20歳以上60歳未満) 国民年金保険とは? 被保険者の区分 「第2号被保険者」 →厚生年金保険、共済年金保険の加入者…とは? →学生が社会人になり、 厚生年金か共済年金に入ると、 自動的に「第2号被保険者」になり、 「国民年金」との二重加入になる! 国民年金保険とは? 被保険者の区分 3階部分 2階部分 1階部分 国民年金保険 国民年金の保険料 国民年金の保険料は 月額1万4410円(平成20年度) しかし、少子高齢化によって… 平成29年まで 毎年4月に280円ずつ引き上げられる事に…。 結果的に、 平成29年度以降では月額1万6900円! で固定される予定。 国民年金保険 学生納付特例制度 学生特例納付制度 市区町村役場に届け出をして申請されると(学生証持参) 保険料の支払が猶予される。 そして保険料を納めていなくても、期間中の障害や死亡は保障される。 しかし、 学生納付特例制度で猶予された期間の保険料を社会人に なってから支払わないと、老齢基礎年金の年金額を計算する 期間に参入されない。 →65歳からもらえる保険料が少なくなるので注意が必要。 老齢基礎年金 受給資格 国民年金に加入した人には、65歳になると 老齢基礎年金が支給される。 支給条件 受給資格期間が25年以上ある事。 受給資格期間=保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間 保険料納付済期間…第1号被保険者期間の間の免除期間(学生納付特例制度) 合算対象期間…老齢基礎年金の年金額の計算に算入しないが、 受給資格期間には算入出来る期間をさす。 老齢基礎年金 受給期間、金額 老齢基礎年金の受給期間は 受給権を得る65歳の誕生日の翌月から死亡してしまっ た日の属する月まで。 老齢基礎年金の年金額 20歳から60歳に達するまでの40年間、1か月も 滞らず保険料を納めた人は 79万2100円(平成20年度価値額)になる。 厚生年金保険とは? 厚生年金保険 概要 厚生年金保険とは 会社などの一定の事業所に勤務している労働者が 老齢・障害・死亡などの事故により収入が減ってしまった りした場合に、 年金を給付して所得を補償する社会保険制度である。 国民年金は「各個人単位」に適用されるが、 厚生年金は事業所(会社)毎に適用される。 厚生年金保険 被保険者 (1)強制加入被保険者…事業所(企業)に勤める70歳未満の人。加入手 続きは、事業所が行うので自分で届け出を出す 必要は無い。 (2)任意加入被保険者…厚生年金保金に加入していない事業所に勤め る人等は、年金の受給資格を得るために、厚生 年金に加入する事が出来る。 厚生年金保険 支払い保険料 厚生年金は、国民年金とは違い年間収入額を基準に 保険料が決定される。(給料の高い人は、支払い保険料も 高くなる。) 年間保険料=標準報酬月額×保険料率×支給月数 +標準賞与額×保険料率×支給回数 標準報酬月額…保険料計算の簡素化の為に、例えば給与額が19万5000円から20 万9,999円までの範囲を20万円と定める方法。毎年4月から6月の 3か月間の給与を平均した額を、標準報酬等級表にあてはめる。 標準賞与額… ボーナスの事。給料と同じ保険料を支払う。 厚生年金保険 給付の種類 厚生年金保険の給付の種類 老齢厚生年金 障害厚生年金 遺族厚生年金 →実際に将来もらえる厚生年金についてみていく 老齢厚生年金保険 受給資格 65歳からの老齢厚生年金を受け取るには、以下の 要件を満たさなければならない。 (1)厚生年金保険への加入期間が1カ月以上ある (2)老齢基礎年金の受給資格期間(原則25年以上)を 満たしている 厚生年金保険 給付額の計算 厚生年金保険=(①+②)×1.031×物価スライド率 ①平成15年3月以前の期間分 平均標準報酬月額×10.000~7.500/1,000×平成15年3月以前の被保険者期間 の月数 ②平成15年4月以後の期間分 平均標準報酬額×7.692~5.769/1,000×平成15年4月以後の被保険者期間の 月数 (現在、使用されている計算方法を紹介) 厚生年金保険 給付額の計算② 平均標準報酬月額= 標準報酬月額の合計数/平成15年3月以前の被保険者期間の月数 平均標準報酬額= 標準報酬月額の合計数+標準賞与額の合計数/平成15年4月以後の被保険者 期間の月数 厚生年金保険 給付額の計算 計算例 Aさん 昭和23年12月10日生まれ ・厚生年金保険の被保険者期間:40年(昭和43年12月~平成20年11月) ・平均標準報酬月額:36万円(平成15年3月以前の期間:412ヶ月) ・平均標準報酬額:51万円(平成15年4月以後の期間:68ヶ月) ・妻子なし Aさんが65歳からもらえる老齢基礎年金と老齢厚生年金はいくらか? 厚生年金保険 給付額の計算 老齢基礎年金 79万2,100円×480月/480月=79万2,100円 厚生年金部分 ・平成15年3月以前の期間 36万円×7.500/1,000×412月=111万2,400円 ・平成15年4月以後の期間 51万円×5.769/1,000×68月=20万68,92→20万69円(50銭以上切り上げ) 厚生年金保険 給付額の計算 厚生年金保険の合計 (111万2,400円+20万69円)×1.031×0.985(平成20年度物価スライド率)= 133万2,858.20…→133万2,858円(50銭未満切り捨て) 合計 79万2,100円+133万2,858円=212万4,958円→212万5000円 経過的加算部分は簡素化の為に除外した。 終りに 国民年金保険、厚生年金保険共に国が運営する制度であるから、 潰れる心配は原則的には無い。 しかし、国民年金の未納者が増加したりと、私達の将来に年金が必ず貰えると 楽観視する事は危険であると考える。 また。年金は職種による区分化が無くなり、一元化がなされる等 色々と改革が進むはずである。 その為、より政治に関心を持つ事や色々な民間の金融商品を自主的に調べる等の 努力によって、自分の将来は自分で賄うという意識を持たねばならないと 感じている。 参考文献 FP2級検定教本 国民年金制度(社会保険庁HP)
© Copyright 2024 ExpyDoc