関節可動域測定法 小学生のための測定法 [測定結果の例] 伸展 0~5度 屈曲 0~145度 計測器 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 (ひじと親指側の 手首を結んだ線) 基本軸は 0° 腓骨への垂線 移動軸は 第5中足骨 (小指の付け根と そとくるぶしを結ぶ線) [測定結果の例] 伸展 0~20度 屈曲 0~45度 計測器 小指側から見て測る [測定結果の例] 伸展 0度 屈曲 0~130度 基本軸は大腿骨 膝の屈曲は股関節 屈曲位で行なう 股関節を 屈曲した姿勢 移動軸は腓骨 (腓骨頭とそとくるぶしを結んだ線) 外側から見て測る 説 明 • 実際に、腕や脚の関節がどの範囲まで動くか、児童 たちに測らせてみると良いでしょう。可動域の計測器 としては、正式には角度計(ゴニオメーター)を用い ます。簡易的な方法として分度器を当てて測る方法 を示します。分度器を使用する場合は、算数で使う 教師用(黒板用)の透明なものか、少し大きめのもの が正確に測れて見やすいと思います。図のように5 度きざみで測ります。 ゴニオメーター どのような人類学的な知見とリンクできるか • 実際に関節を動かしながら測定してみることによって、 それぞれの関節が動く範囲には制約があることが理解 できます。これは、ヒトが遺伝的にほ乳動物としての基 本的な体の構造を先祖代々受け継いでおり、私たちの 運動も決まった関節可動域の範囲で行われていること によります。一方、関節がある範囲で動くことは、ヒト特 有の姿勢や上肢を使ったさまざまな作業を可能にして います。なかでもヒトの重要な特徴のひとつは、膝関節 や股関節を十分に伸展させることができることです。こ のような関節の特徴は、日常的な直立二足歩行ととく に関連しています。 どのような人類学的な知見とリンクできるか • 肘の関節角度: この関節がある範囲で動くことは、梯子に登ったり重いものを 持ち上げるなど、上肢を使ったさまざまな作業を可能にして います。手首の回転角度や指のいろいろな関節の角度との 組み合わせで細かい作業を行うときにも機能しています。節 • 膝の関節角度: ヒト特有の直立姿勢や二足歩行を行なうとき、膝関節はまっ すぐ伸びます。股関節とともに膝関節が伸びなければ、 ヒト に特有の直立二足歩行を行なうことはできません。 • 足の関節角度: 二足歩行では、かかとが地面に着いた後、うしろに蹴るとき にふくらはぎの下腿三頭筋が収縮して、足の関節が屈曲し (足先が伸び)、地面を蹴ります。 計測器 手のひらは 前向き 参考文献 日本リハビリテーション医学会:関節可動域表示ならびに測定法 (平成7年4月改訂),リハビリテーション医学, 32,207-217,1995 山崎信寿編:足の事典,朝倉書店,1999,東京 http://www.kaigojuku.org/sub_scale/sub_scale_07.html
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