Telescope Array実験 /AGASA撤去 千葉大学理学部 櫻井信之 For TA collaboration and AGASA collaboration 目次 1. 2. 3. 4. 5. TAの紹介 地表検出器(SD)の進捗状況 大気蛍光望遠鏡(FD)の進捗状況 AGASA撤去報告 まとめ 1. TAの紹介 目的 – GZK限界を超えるエネル ギーをもつ宇宙線の存在・ 非存在を確定する。 – 最高エネルギー領域にお ける宇宙線の点源の存在・ 非存在を確定する。 > 10 20.0 eV > 10 19.6 eV AGASAで得られたイベントの 到来方向分布 > 10 19.0 eV AGASAで得られたsuper-GZK イベントのエネルギー分布 以上の目標を達成するために大気蛍光望遠鏡と 粒子検出器からなる複合観測装置を建設する。 より高い精度の観測装置および解析手段を開発 し、宇宙線物理学に新展開をもたらす。 サイト – アメリカユタ州の南西部砂 漠地帯の50km×50km の領域 検出器 – 大気蛍光望遠鏡36台を3 箇所のステーションに分け て配置する。 AGASA×4の有効面積 – 地上粒子検出器576台を 1.2kmおきに配置する。 AGASA×9の有効面積 ~40km 2種類の検出器によるシャワー同時観測 1.地表検出器(SD)の進捗状況 SD:検出器外観 スタンド 現地作業場で製作した1号機 – 1.9m x 3.8m x 60cm – 水平調整機構付き – シンチボックスを保護する ために1mm厚の屋根 アンテナポール シンチボックス – 1.7m x 2.1m x 10cm エレキボックス – 1.2cm厚のステンレス エレキボックス 太陽電池 シンチボックス – バッテリーとエレキを格納 太陽電池 – 132W or 120W – 仰角30度で設置 スタンド ※屋根は外してある SD:シンチレータ検出器 検出器仕様 – 入力 PMTソケット電源 (12~15VDC) HV制御用DC信号 – – – – (0.9~1.5V) LED発光制御信号 湿度計電源(5V) 出力 PMT信号(2個) 温湿度計 消費電力:~0.2W 総重量:~180kg 上下二層のコインシデ ンストリガー SD:検出器特性1 シンチレータ – 1.5m x 25cm x 1.2cm x 8枚 – 2mmの溝を掘ってその中に WLSFをはめ込み、その両端をま とめてPMT光電面に密着させる。 – 場所依存性: ~±10% – 温度依存性: -0.765%/℃ (シンチ+WLSF+PMT) – 1MIP ~ 50photon @PMT – Tyvek反射率:70~80% SD:検出器特性2 1inch PMT + Socket 1peの波形 – Electron tube社製 9124SA+PS1806/12 – 12VDC + Control V – SPE rise time ~5ns – 運用ゲイン:4x106 – 電荷分解能:0.529 1pe charge分布 波高~4mV Gain vs V 4x106 SD:エレクトロニクス1 FADC board – 入力: DC12V 2PMT signals 外部トリガー – 時定数100nsでパルスをの ばした後、50MHzでサンプル – 消費電力:~4W – トリガー方式 level trigger sliding sum trigger – エンジニアリングテストに使う 20台分が完成し、現在調整を 行っている。 – GPSで事象を記録した時刻を 20nsの精度で測定する。 GPS LCD CPU FADC Ext trigger Antenna connector PMT input WModem SD:エレクトロニクス2 Slow Control board – PMTの高電圧をコントロール – バッテリーの電圧を監視 – 検出器内外の温度および湿度 を監視 – 較正用LEDを発光させるため のパルスを生成 – FADCボードからコントロールす る。 FADCボード – エンジニアリングアレイ用の20 台分が完成している。 スローコントロール ボード SD:サイト調査1 6/15~25の間にSD設置場所523箇 所(州管理区域内)に杭を打った。 – 日本側8名、アメリカ側3名 ATV(オフロード用四輪車)で予定地付 近まで行き好適地を探した。 通信アンテナの視認状態・植生・ATV タイヤによる環境破壊の程度を記録。 アンテナ位置 SD:サイト調査2 Training field : Jun 15 Camp1 : Jun 16~21 Total : 576 Private Land : 53 Staked site : 523 Position changed sites : 73 Camp2 : Jun 22~25 SD:サイト調査3 SDに対する生物の反応 – ヒト:ミラード郡の祭にSDを展示出品 – ウシ:近くにおいてみたがほぼ無関心 現地通信状態 – 高圧送電線の付近で無線LANの通信状態 の簡易試験を行ったが問題なし – GPSについても同様 – 長距離無線LAN通信については日本国内 での試験で可能であることを確認した。 残る不明点は現在建造中のエンジニアリン グアレイ(後述)で調査する。 – 落雷・積雪・日照・降雨 SD:配置方法 設置場所近くの集積場までトラック で運び、あとはヘリコプターで輸送 する。(別のヘリで作業員も輸送) 日本で輸送テストを行った結果、ト ラック輸送中にシンチ固定金具が いくつか緩む問題はあったものの おおむね良好 – 金具の緩みはスプリングワッ シャ挿入で解決 – 着地時にはスタイルフォーム で足を保護する。 来週に20台の配置を現地 で行う。 デルタ 2.大気蛍光望遠鏡(FD) FD:格納庫・架台 格納庫 – 一基につき望遠鏡12台を収 納する。 – Black Rock Mesaサイトに 一基目を建設した。 – 大気透明度較正用レーザー ドームと発電機も設置済み 架台 – 組立試験を大分で行った。 – セグメント鏡の取り付け・調 整方法の開発・試験も同時に 行った。 1月から2月にかけて現地で架台組立および 鏡取り付けを行う。 現地統合試験は4月ごろを予定。 27m 10m FD:鏡試験 明野観測所にセグメント鏡の試験装置を設置した。 – 曲率半径の位置から拡散光を鏡に当て、反射光のスポットサイズを 測定する。 1ステーション(望遠鏡12台)分の鏡の製造および試験を終 了した。 – 基準に達しなかったものは数枚だった。 Telescope Array Mirror Examination Device The Scanned image Image scanner Laser meter Light source Disk to make out mirror’s axis Mirror mount X stage PMT:R9508 2.7x105@1kV Pre-amp. FD:カメラ&ケーブル Divider&Preamp.board CAMERA BOX Patch panel gain=4 16 ch/cable Filter: BG3 20m 光電面に直接貼付 SDF 16 ch/cable 20m HV distributor PMT700本(2台分)の製造完了 Pre-Amp: – Noise level~1.5mV,Linearity~1.0% カメラ・パッチパネルも2台分完成している。 FDエレクトロニクス ブロック ダイアグラム Clock, Frame ID Final Trigger is generated when 2nd level Trigger = 1 2nd level Trigger = 2 from adjoining TF 1 ステーション Central Trigger Distributor module Clockを、すべてのSDF、TFへ送信 同一ステーション内の2nd level Triggerを集める Final trigger データを取得するか最終的に決定 1 望遠鏡 PMT camera CTD ステーション 内の望遠鏡 2nd level Trigger Code 1 <= 完全なトラック 2 <= 短いトラック 3 <= non conditional bit = 1 Signal 16ch Hit Pattern SDF Signal Digitizer and Finder module PMTの信号を、デジタル化 1st level Trigger PMTの信号を、大気蛍光によるものかどうか判定 Final Trigger TF Track Finder module 16個のSDFから1st level Triggerの結果を取得 全てのモジュールのタイミングを合わせる 2nd level Trigger SDFの結果から、空気シャワーによるトラックか判定 FD:エレクトロニクス開発 SDF – 2chの1stプロトタイプの試験を 終え、今週末から16chの2nd プロトタイプの試験を行う。 TF, CTD – 試作ボードが完成したので、こ れからソフトウェア開発を行う。 SDF 1st prot. 来年2月の明野統合試験 に向けて、作業中である。 TF 1st prot. CTD 1st prot. FD:カメラ較正法 1. 2. 3. 4. 1台のカメラの256本のPMTのうち9本程度は量子効率(Q.E.)、収集効率(C.E.) と絶対ゲインをあらかじめ測定しておく。 窒素レーザー光源 絶対感度測定済みのPMTに絶対光量光源を貼り付け、カメラに搭載する。これらのPM Tの絶対ゲインは常にモニターする。 YAP光源 残りのPMTに対するゲインは、Xeフラッシャー光源をつかってモニターする。 Xeフラッシャー PMT感度の光電面2次元的不均一性はカメラ設置時に測定する。 窒素レーザー(λ=337.1nm) 散乱箱内は窒素ガス充填(1気圧)、レーリー散乱 Xeフラッシャーを使ったキャリブレーション 光量の一様性:<1% YAP パルサー FD:大気モニター LIDAR – Nd:YAG laser 5mJ, 5ns pulse width – PMT 3/4” diameter ゲイン:~106 – Energy meter – FOV : ~ 0.5 degree サイト中心レーザー – 3基のFDから等距離 – Auger/Hiresと同方式 LIDAR試作機 ユタでのEngineering Testの予定 地表検出器(来週~) – 来週に20台分のSDを Black Rock Mesaの近く に設置 10km 大気蛍光望遠鏡(来年4 月~) – Black Rock Mesaに建 設中の建物に1基(2カメ ラ)分の望遠鏡を組み立て、 読み出し及びトリガー回路 を用いてフルテストをする 東南部 Black Rock Mesa AGASA AGASA撤去 AGASAは今年1/5に観測を終了した。 現在最終論文を執筆中である。 – 観測終了までのデータから1019eV以上の事象(1004事象) のリストを公開する予定。 – その後ICRC2005の結果も見た上でAGASAグループの解散 も検討している。 シンチ検出器(111ヶ所)回収・小屋撤去・借地の返還 を完了した。 ミュー検出器(26ヵ所)は3ヶ所を残して撤去。 – 残りも予算獲得次第撤去する予定 光ファイバーはまだ残っている。 – 予算申請中 まとめ TA検出器による最高エネルギー観測に向けて検出器の建 設を着実に行っている。 地表検出器は現地での生産を既に開始し、2005年度末ま でに設置を完了する。 蛍光望遠鏡については2006年度末の設置完了を目指して 一基目の建物が完成しており、来年度から試験を開始する。 – ハイブリッド観測の開始 地表検出器は来週に20台設置して現地試験を開始する。 大気望遠鏡は2月に明野で統合試験を行い、そのあと現地 試験を行う。 AGASAはほとんどの検出器の撤去を完了した。残りについ ても予算獲得次第速やかに撤去する。
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