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Freshman Seminar 2008
ネイティブの直感に迫る
-言語分析で学ぶ科学の方法-
藤 正明
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• セミナーの目的
1.英語及び日本語の言語分析により科学の方法
を体験する
2.英語のネイティブスピーカーの直感に近づく
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• 高校生と大学生
– 高校生=>科学の消費者:
科学によって得られた常識・定説を、理解・暗記・応用する
– 大学生=>科学の生産者(予備軍):
常識・定説自体に疑問を持ち、研究によりそれを覆す
ような発見をし、その発見を実用化する
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• 科学について
■この世界がどのような法則に従っているのかを明らかにすることが目的
■観察・実験により、データを集め、それを説明できるような仮説を提案する
■常識・定説となっているような優れた仮説でも、新たなデータが得られれば、
誤っていることが判明する場合が多い
■従って、ある仮説が常識・定説となっていても、常に疑問を持って、より良い
仮説を探そうとする態度が必要
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• 科学の方法を言語分析で体験する
– 挑戦すべき常識・定説=>
• 高校までに教わった「英文法」という定説
• 「日本語は英語に比べて非論理的」とか「方言は標準語よ
り劣っている」といった(非)常識
– 新たなデータ=>
• 英語のネイティブスピーカーから得られたデータ
• 日本語のネイティブスピーカーとしての直感から得られた
データ
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• 英文法の定説の例:
– 「be動詞は主語の(代)名詞とくっついて、いつでも
短縮形となれる」
a) I am happy. => OK I’m happy.
b) I wonder if the party is tomorrow.
(明日、パーティーはあるのかなあ?)=>
OK I wonder if the party’s tomorrow.
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• しかし、ネイティブスピーカーにとっては、いつ
でも短縮形が可能なわけではない
a) Are you happy? -Yes, I am. => ×Yes, I’m.
b) I wonder when the party is tomorrow.
(明日、パーティーは何時にあるのかなあ?) =>
×I wonder when the party’s tomorrow.
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• 不思議な事象に出くわす=>「なぜ?」
接続詞をifからwhenに変えただけで、なぜ短
縮形は使えなくなるのか?
a) OK I wonder if the party’s tomorrow.
b) × I wonder when the party’s tomorrow.
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• セミナーについて
– 目的:英語・日本語のデータを使って、科学の方法を体験
し、ネイティブスピーカーの直感に近づく
– 単位取得の条件:指定されたテキストをよく読み、自分の
頭で考え、独自の仮説を提案し、議論に参加すること
– 教科書:『情報科学のための自然言語学入門』(畠山雄二 著)<丸
善>
– 参考書:『言語の構造 意味・統語篇』(柴谷方良・影山太郎・田守育
啓 共著)<くろしお出版>
– 参考書:『探検!ことばの世界』(大津由紀雄 著)<ひつじ書房>
¥1600