企業倫理と不祥事について

企業倫理と不祥事について
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清水政宏
企業の不祥事
<最近の主な不祥事>
 雪印食中毒、ハンナン食肉偽装、浅田農産、
東北学園大学、ヤフー顧客情報流出、三菱
自動車・・・
⇒枚挙に暇がない
☆以下不祥事のタイプ、原因、防衛手段を考
える
不祥事のパターンと原因①
<組織目的の歪み>
①外部ステークホルダーの軽視
⇒総会屋への利益供与、粉飾決済
②トップの暴走
⇒会社の私物化(武富士)、独善的経営
③組織的不正
⇒機密費流用、肉の偽装、リコール隠しなど組織が
本来の企業理念から乖離
☆限られた集団の際限ない「金銭的」利益追求
不祥事のパターンと原因②
<リスク統制不能>
①特定実力者の暴走
⇒権力が集中し聖域化(ヤミとの繋がり)
②社員の個人不正
⇒横領、水増し、カラ出張、顧客情報持ち出し
③社員のプライベートな問題
⇒痴漢、覗き・・・個人倫理不良
④単純ミス
⇒医療過誤、値付けミス
⑤外部者の不正
⇒顧客情報流出、ハッカー侵入
不祥事の構造①
不祥事の構造②
<発生原因>
①実行者個人と②組織的統制不良が相まっ
て起きる
①・・圧力に簡単に屈する、不注意、判断能力
の欠如
②・・内部統制の乱れ、チェック機能の不在
個人の問題
ア)働く目的、やりがいの欠如
⇒判断停止、過度の協調性、横並び
イ)倫理観の欠如
⇒善悪の判断基準の歪み
☆これらは全て個人に帰着するわけではなく、
組織や社会の問題でもある
組織の問題
ア)ビジョン、企業理念の不在
イ)企業そのものの倫理観欠如
ウ)組織帰属への過度の圧力
エ)理想の上司不在
オ)社会貢献度が低い
☆個人から働く意欲を奪う
不祥事防止の対策①
<個人レベル>
 個人の自立性向上
⇒不正は個人が実行するから発生する
 個人の倫理観の確立
⇒社会に存在している以上ルールの遵守は
必須
☆これらを企業だけで教育できるか?
不祥事防止の対策②
<組織レベル>
・ガバナンスの確認、整備
⇒トップの暴走を防ぐ
・組織の理念、ビジョンの明確化
⇒個人のモラールを引き出す
・企業倫理の確立
・組織の透明性向上
⇒内部告発の社内留保
・リスク管理
⇒発生したときの対処
不祥事防止の対策③
<社会レベル>
 ガバナンスに関する法整備
⇒情報公開、監査の強化
 内部告発者保護制度
⇒告発は会社を潰しかねない。個人で背負うのは限
界
 被害者保護
⇒補償制度の充実
 経営者市場の整備
⇒不正をした経営陣の速やかな退場
ここまでのまとめと課題


個人の行動を左右するのが企業と社会
「倫理観」を企業が育成できるか?
人間性原理
競争性原理
<従来>
 効率性原理と競争原理
⇒利益至上主義、会社中心主
義
<現在>
 株式会社の巨大化
⇒所有の分散、公的な存在に
 独占・寡占と社会利益の相
反
⇒「倫理問題」の浮上
効率性原理
企業経営原理の変遷
社会性原理
企業倫理と社会的責任
現在の経営原理にはそれを規定するもの
が必要
⇒企業倫理
 企業の場合、倫理問題の本質は「社会と自
分」との関係
⇒社会的責任(CSR)論の登場
☆責任を果たす行為の根底にあり、その動機
付けとなるものが倫理

企業の社会的責任(CSR)①
<従来>・・会社権力の正当性とその根拠
<ちょっと前>・・ステークスホルダー・アプ
ローチ(利害関係者・従業員、消費者、地域
社会・・)
⇒①誰が②誰に対し③どのような責任を負い
④責任の所在がどこにあるか
以上を論ずるもの(ブルンマー)
企業の社会的責任(CSR)②
<現在>
 トリプルボトムライン
・・環境配慮、経済性、社会的責任の3つの側
面から会社を評価しようという動き
⇒CSRは企業の持続可能な発展のための必
要条件
参考文献
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
企業倫理の経営学 鈴木辰治・角野信夫著
http://home.att.ne.jp/sea/tkn/Issues/Issue
-Ethics.htm(スライド5の図はここから引
用)
http://www.comm.fukuokau.ac.jp/~gouriki/paper02.html