べき4.5 - 名古屋大学

チベット太陽中性子望遠鏡による
2001年9月24日の太陽フレア中性子の検出
土屋晴文、村木綏A、湯田利典A、松原豊A、﨏隆志A、
渡辺恭子A、瀧田正人、大西宗博、塩見昌司、佐々木孝雄B、
片寄裕作C、堀田直己D、小澤俊介D、 Y.H.TanE
(他、Tibet Asγ Collaboration)
東京大学宇宙線研究所、
名古屋大学太陽地球環境研究所 A、
神奈川大工 B、横国大工 C、
宇都宮大 D、中国科学院高能研 E
日本物理学会 第57回年次大会@立命館大学 2002年3月24日
Contents
Introduction
チベット太陽中性子望遠鏡について(サイト・装置)
2001年9月24日の太陽フレアについて
観測結果
シミュレーションとの比較
(到来方向とタイムプロファイル)
まとめ
Introduction
太陽フレア時の >GeV粒子(核子)生成の
瞬間をとらえたい。
惑星間空間磁場の影響を受けない中性粒子による
観測が必要。
電磁波(電波~γ線)による豊富な観測があるが、
ほとんどが電子からの放射。
我々は、太陽フレアにともなって放出される中性子
(太陽中性子)を観測することで、太陽フレアにおける
核子成分の加速機構を解明したい。
チベット太陽中性子望遠鏡について
(サイト)
中華人民共和国
チベット自治区
Yangbajing
Bolivia Switzerland
Tibet Norikura
Hawaii
Armenia
Tibet AS γ 実験サイトを使用。
北緯 30.11°、東経 90.53°
標高 4300m
鉛直大気柱密度 603g/cm2
チベット太陽中性子望遠鏡について(装置)
Plastic scinti
PRC
Wood
・3m×3m×40cm(厚)のプラスチック
シンチレータで中性子を陽子に変換。
・上側5面を比例計数管で覆い、荷電粒子を排除。
・下層に井桁に組んだ比例計数管で陽子の方向を測定。
・方向層には計20cmの木材があり、陽子に対して210MeV(垂直)の
threshod energyを持つ。
2001年9月24日の太陽フレア
Region 9632, X2.6/2B,
S16E23, ten flare, IV burst,
Full halo CME
9:32UT X2.6
12:15UT
Proton event
>10MeV
>50MeV
>100MeV
9:32UT
10:38UT
観測条件
2001年9月24日9:32UTの
チベットでの太陽天頂角は
約60°
太陽方向の大気厚さは
~1200g/cm2
最短経路効果を考慮すると、
~860g/cm2
観測結果
8:30UT-10:30UT
低エネルギーチャネル
(Anti・Scinti)一分値
>40MeV
9:32UT
>80MeV
フレア開始(9:32UT)直後に
小さな増加があるが、
有意ではない。
>120MeV
>160MeV
>40MeV
>80MeV
>120MeV
>160MeV
観測結果(方向別)
方向別シグニフィカンス
±3.7σ
N
W
9:30
UT
9:32
UT
9:34
UT
9:36
UT
E
S
フレアスタート時(9:32UT)の 9:38
太陽位置 UT
散乱を考えた後の見かけの
太陽位置(Shibata, Valdes Galicia)
9:40
UT
方向別
チャネル
組み合わせ
(2分値)
増加方向一日分
移動平均と標準偏差
これ
シミュレーションとの比較
Power Law at the Sun.
F(Tn)dTn = C・Tn-α dTn
(Tn=230-1700MeV)
Decay in Flight.
Attenuation in the
Earth’s atmosphere.
(Shibata model)
Zenith Angle :60°
Detector Response
(Geant3 or Geant4)
到来方向分布
シミュレーション結果。
べき4.5、装置上で >300MeVの中性子。
2001/9/24 の観測結果
タイムプロファイル2
べき4.5 10秒値
300sec
300sec
べき4.5 20秒値
タイムプロファイル3
べき
3.5
べき
4.0
べき
4.5
べき
5.0
まとめ
・ 2001年9月24日のX2.4クラスの太陽フレアに
伴って、チベット太陽中性子望遠鏡で中性子の
信号が得られた。
・ >300MeVの中性子の到来方向は、大気内散乱
から予想される方向を向いていた。
・ 信号増加のタイムプロファイルは中性子がindex
~-4.5のべき型スペクトルを持つとして説明がで
きる。
・ 中性子発生時刻にHXRの増加は見られなかっ
た(ようこう)。
・電子と陽子が異なる加速機構を持つ?
・電子が彩層に到達できなかった?
シンクロトロン放射による
電波が見えるはず。
今後の課題
・ 装置のシミュレーションを完成させ、全チャネルの
カウント数を説明する。
・ 中性子モニタのデータとの比較。
・ タイムプロファイルとMC計算の比較から、太陽での
スペクトル、加速時刻、加速エネルギーの上限等の
物理量を決定する。
・ 他波長観測結果との比較(なぜHXRがないか、
電波でシンクロトロン放射がみえているか、γ線は?)
ようこうSXT画像
9:25:12
9:27:20
9:29:28
9:31:36
9:34:00
9:36:24
9:38:32
9:40:40
9:42:48
9:32UT
ようこうHXT
プロファイル
ようこうHXTプロファイル2
シミュレーション結果いろいろ
べき 3.5
べき 4.0
シミュレーション結果いろいろ2
べき 4.2
べき 4.5
タイムプロファイル
方向マップ1(フレア前)
8:22-8:51UT
方向マップ(フレア直前)
8:52-9:21UT
方向マップ(フレア前後)
9:22-9:51UT