Shelf-Navigator ユーザ動作による書籍相関抽出機構

Shelf-Navigator
ユーザ動作による書籍相関抽出機構
環境情報学部4年
豊岡 由美
アウトライン
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研究概要
背景
目的
関連研究
問題点
本研究の提案
設計・実装
評価
まとめ
研究概要

RFID(Radio Frequency Identification)を
用いた効率的な物品管理システムの構築
• 貸出、返却処理の効率化
• 位置検索の効率化
• 書籍の情報表示

ユーザの動作履歴との連携
• 格納先指定機能
• レコメンド、類似検索の結果を本棚へ可視化
本研究の背景

RFIDシステムの発展
• 生活の物品管理システムに利用されるようになっ
た
現在の本棚の格納方法




図書館型格納方法(不特定多数ユーザ)
•
十進分類法に基づいた格納方法
書店型格納方法(不特定多数ユーザ)
•
書店の定めたあるカテゴリーに分けられて分類された格
納方法
嗜好反映型格納方法(個人ユーザ)
•
個人の本棚などに見られる好きな方法で自由に書籍を格
納する方法
WEBサービス型格納方法(不特定多数ユーザ)
•
Amazonのように仮想的な本棚において本棚の情報が蓄
積されている格納方法
格納方法における問題点

対象ユーザにおける問題点
• 集団の共通認識を効果的に用いた格納方法でない。
•
•
個人ではなく複数のユーザが利用する本棚において格納
方法のルールが必要となる
↓
不特定多数のユーザを対象にした格納方法は提案されて
いるが研究室やサークルのような同じ目的を持ったコミュ
ニティにおけるユーザ(共通目的保持ユーザ)への格納方
法ルールは存在しない
本研究の目的

ユーザ動作履歴を用いた書籍情報の共有
• コミュニティにおけるユーザ間でのレコメンド書籍
や類似した書籍の情報共有
関連研究①
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amazon.co.jp

ユーザの動作履歴の蓄積によるレコメンド
の表示
• 書籍情報を表示した際に過去にその書籍を購入
したユーザが他にどのような書籍を購入している
かを表示する。
関連研究②

Academyhills

位置情報検索システム
• 書籍ひとつひとつにICタグを貼付し、本棚にはアンテ
•
ナが設置されている。本の所在位置を携帯電話に
よって知ることができるナビゲーションを重視したシス
テム
毎週設定するテーマにより書籍の配列を変更する。
これによってナビゲーションシステムが必要となる。
関連研究③

宮崎県北方町図書館

自動貸出機能
• 書籍を貸出用RFIDリーダ置くだけ、ゲートを通る
•

だけで貸出処理がなされる
返却処理もRFIDリーダにおくとういう動作だけの
自動返却処理である。
在荷確認における行動負担の軽減
関連研究における問題点


ユーザ動作履歴を考慮したRFIDシステムの不在
•
RFIDを用いた書籍管理システムでは、自動化や位置検索
の効率性といったものは存在するが、RFIDを用いて可能と
なるユーザの動作履歴を蓄積を活かしたシステムが存在し
ない。
Amazonの問題点
•
•
「買った」というユーザ履歴だけを蓄積し、書籍の内容を調べ
たが購入には至らなかったという書籍に興味を持ったという
記録を保持していない。
「興味を持った」けれども「借りなかった」という記録も書籍を
評価する要素である。
本研究の提案

ユーザ動作履歴を基にして格納先を通知す
ることでの類似検索、Recommend書籍の
可視化(書籍の格納状態)
• ユーザの嗜好を加味した類似検索を本棚に可視
•
化する
ユーザの動作履歴(貸出動作、書籍閲覧動作)よ
り評価の高い書籍のレコメンドを可視化する
Book Correlation Model


ユーザ動作履歴を基にして評価の高い書
籍および書籍同士の相関を抽出するモデ
ル
このモデルを基にして格納先通知機能を
Shelf-Navigatorの機能とする
Book Correlation Model
Book Correlation Model(レコメンド)

ユーザの貸出履歴・書籍閲覧動作によって書籍
に対して評価点を加算していく
貸出動作
書籍閲覧動作
評価点の抽出方法
貸出が行われた書籍の得点係数をm
書籍閲覧が行われた書籍の得点係数をn
それぞれの動作が1つの書籍に対して行
われた回数をそれぞれk,lとする。
Z=m×k+n×l(m>n)
 環境によって得点係数を変化

評価点格納先通知アルゴリズム

評価点を基にしてどのように格納先を決定してい
るか
相関点の抽出方法
例として書籍Aに対しての書籍Bとの相関点
の抽出手法を示す。
 Aが取得された総回数(α)
AとBの書籍が同時に借りられた回数(β)
Aの次にBの書籍が借りられた回数(γ)
δ(相関点) = (β+γ)/α

相関点格納の手法

相関による類似書籍格納の手法
格納先の優先順位

ユーザの動作履歴による評価点の高い書
籍を管理者が定めた最も見やすい場所から
順に格納し、その他の本棚のブロックでは
相関点による類似検索の高い書籍を同じブ
ロックへと格納する。
Book Correlation Modelの特徴


貸出動作、書籍閲覧動作の利用
•
RFIDを用いることでユーザの書籍に関する行動履歴を蓄
積することが可能になり、amazonのようなユーザによるレ
コメンドに比べ、書籍を「借りた」という動作履歴(貸出動
作)だけではなく、「書籍を手にとって内容を閲覧して元の
位置に戻した」という履歴(書籍閲覧動作)を用いる。
Recommend、類似検索を反映する
•
•
評価の高い書籍を本モデルから抽出して本棚の一番見や
すい場所に格納先を指示することでレコメンドされている
書籍が本棚に可視化される
相関点により抽出された類似検索も格納により本棚に
反映される。
Shelf-Navigator利用による結果
ユーザAが利用した結果、
Javaの書籍が本棚に集
約される
①ユーザAが
Javaの勉強を
はじめ、Javaの
書籍をよく利用
する。
DEMOビデオ★

デモビデオをごらんください
Shelf-Navigatorの効果

書籍情報をコミュニティの中で共有できる
• 共通目的保持ユーザにおけるコミュニティにおい
て、共通目的に関する書籍情報を「レコメンド」や
「類似検索」を可視化できるShelf-Navigatorは最
も効果的な対象といえる。
Shelf-Navigatorの設計・実装
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設計
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実装
• 想定環境
• Shelf-Navigator設計図
• 実装環境
• 実装した機能
設計

想定環境
研究室、サークルなどの共通目的を持った
コミュニティ(共通目的保持ユーザにおける
コミュニティ)の中における本棚を想定
設計

Shelf-Navigator設計図
設計





RFID管理機構
制御モデル機構
格納先通知機構
データベース
管理機構
情報表示機構
実装した本棚(Shelf-Navigator)

本棚
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利用したRFIDアンテ
ナ、リーダ、ICタグ
実装した機能
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

位置検索機能
自動貸出及び返却機能
格納先通知機能
評価

評価
• 評価方法
• 格納先通知アルゴリズム評価
• 定性的評価
評価方法

シミュレーションによる視覚的な評価

定性的評価
• 試行回数1000回
• 本棚占有率75%
• レコメンド書籍ほど多くとられるように設定
• 既存研究と本システムとの比較
格納先通知アルゴリズム評価

左:本システム

右:書籍を左から順番
に配列
定性的評価

ユーザの目的から抽出した本棚の機能で比較
本システム
単一検索
類似検索
書籍取得
Recommend
Discovery
(出会い)
○
△(ユーザの
○
○
○
△(ユーザの
×(本を実
○
○
嗜好によるもの
である)
際に手に取
れない)
△(配架者の
○
△(テーマとされ
○
嗜好によるもの
である)
amazon
○
academyhills ○
嗜好によるもの
である)
宮崎県北方
町図書館
○
△(類似検索
機能の精度に
よる)
ているもののみレ
コメンドとなる)
○
×(十進分類法
△(十進分類
による配架でるた
め)
法による配架で
あるのため)
まとめ

今後の課題
• 既存の書籍データベースとの連携
• 今回は頻度だけで書籍の価値を抽出したが、
ユーザが事前に決める書籍の価値も考慮する
MTG 指摘、問題

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
Book Correlationのアルゴリズムをきちん
と説明しよう
設計に機能をいれる
どこにどういう風に格納するのかの手法の
説明
本棚に必要となる機能

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


単一検索機能
•
欲しい書籍を検索及び取得を容易にする機能
類似検索機能
•
ある書籍に類似した内容の書籍の取得を容易にする機能
書籍内容取得機能
•
書籍を本棚から取り出し内容を閲覧できる機能
Discovery機能
•
本棚を見ることで書籍との出会いの機会を与える機能
Recommend機能
•
借りる価値の高い書籍を