パームバイオマス再資源化技術開発の新展開 -アジアを視野に入れて- Malaysia Palm Oil Industry and Biomass Industry Challenger, KIT & UPM! 九州工業大学大学院生命体工学研究科/マレーシアプトラ大学食品生物工学部 白井 義人/モハメッド・アリ・ハッサン GRADUATE SCHOOL OF LIFE SCIENCE AND SYSTEMS ENGINEERING KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY YOSHIHITO SHIRAI FACULYT OF FOOD SCIENCE AND BIOTECHNOLOG UNIVERSITY PUTRA MALAYSIA MOHD. ALI HASSAN process water methane 400t/y 15000t/y FFB 81000t/y solid waste (EFB) 14500t/y EFB is used for fertilizer to oil palm plantation POME 40000t/y COD 40000 ppm SS 15000 ppm solid waste (fiber) 14500t/y All the energy for the mill can be supplied by cobustio of fiber. CPO 27000t/y lagoon (anaerobic pond) Large amount of methane is releaed to the atmosphare. a current palm oil mill 100万人 8000 1億人 3000 3億人 2億人 0 500 1000 10億人 5億人 1500 2000 世界の人口(67億人) 中国:13億人、インド:11億人、アメリカ:3億人、 インドネシア:2億3千万人、ブラジル:1億9千万人、 パキスタン:1億6千万人、バングラディシュ:1億5千万人、ロシア:1億4千万人 ナイジェリア:1億4千万人、日本:1億3千万人、ヨーロッパ全体:5億人 地球の二酸化炭素濃度の変化 産業革命後 に急に増え ている 2009年の 平均寿命 女 86.1歳 男 79.3歳 白井教授大3 白井教授小4 白井教授誕生 明治平均寿命 女 44.3歳 男 42.8歳 死因 栄養失調、 結核でなくなった作家:正岡子規(34歳)、石川啄木(26歳)、 感染症(結核、腸チフス、天然痘、マラリア(瘧)等) 樋口一葉(24歳)、二葉亭使命(45歳)、森鴎外(60歳) 江戸時代(17世紀~18世紀)の平均寿命(信濃国過去帳より) 女 17.4歳 男 19.8歳 世界のひとりあたりの年間国民所得の比較 (2004) 日本 400万円 アメリカ 450万円 ドイツ 340万円 ホンコン 290万円 シンガポール 280万円 ロシア 40万円 日本(1967) 月給3万円 →年収50万円(1$:360円) →1500$→17万円(今のレート) 水 食糧 健康 安全 安心 中国 インド ベトナム ミャンマー エチオピア ブラシル インドネシア タイ マレーシア 教育 17万円 7万円 6万円 ― 1万円 33万円 13万円 27万円 50万円 雇用 バイオマスに関する基本コンセプト 太陽エネルギー以上はできない 食糧かエネ ルギー・資 源か? エタノール ポリ乳酸 食糧との取り合いなし? 最終的にエネ ルギーに! バイオマス 資源を一瞬 に使うべき でない! バイオマス も2次資源 (フィード・ス トック)に! Oil Palm Tree and Fresh Fruit Bunch マレーシアのパームプランテーションの面積 約400万ha (マレーシアの国土:3500万ha) 油の収率: 3~5トン/(ha・年) 搾油工場数 約400 1農家の面積:最低4ha 油ヤシ実房(Fresh Fruit Bunch: FFB) 油ヤシの実 油ヤシの木 FFBの山 FFBの蒸煮用トロッコ FFB蒸煮ドラム 空房(Empty Fruit Bunch: EFB) パームオイル工場(Palm Oil Mill) EFBの集積地 パームオイル廃液 (Palm Oil mill Effluent: POME) 油ヤシの実の繊維(Fiber) マレーシアパームオイル産業における物質の流れ スタート メタン POME POME: palm oil mill effluent パームオイル廃液 COD >40000ppm, 2500万t/y ラグーン(嫌気処理池) 肥 料 C PO 水 蒸煮による 実の分離 FFB: fresh fruit bunch(油やし房実) 6000万t/y CPO: crude palm oil(粗ヤシ油) 1100万t/y 400 US$/t 洗 浄 搾油工程 実 種 殻 繊維 + 油 核油 繊維:600万t/y 水分含率:40% 燃焼エネルギー 2700 kcal/kg P K EFB: empty fruit bunch (ヤシ空房)1440万t/y 水分含率: 65% 燃焼エネルギー:1400kcal/kg ヤシ核油 + ヤシ核ケーキ 計300万t/y 380 US$/t 殻: 400万t/y 水分含率: 10% 燃焼エネルギー 4500kcal/kg CDM クリーン開発メカニズム 先進工業国 共同プロジェクト 開発途上国 温暖化ガス削減量 境界 ベースライン 共同プロジェクト 空間的 時間的< 2012 検証可能 No温暖化ガス Yes 削減量 CDM活用のための全体の流れ ①CDMプロジェクトの計画策定 ②投資国、ホスト国の承認が必要 ③CDMプロジェクトの有効化と登録 途上国の持続可能な成長に貢献すること 書面による承認が必要 プロジェクト設計書による有効化と登録 有効化:指定運営組織(OE)が行う 登録:CDM理事会(EB)が行う プロジェクト設計書(PDD) ◆ ベースライン:CDMプロジェクトがなかった場合に排出されていたであろう温暖化ガス 排出量の予測シナリオ ◆ クレジット期間、◆ モニタリング計画、◆ プロジェクトの境界、◆ 環境影響分析 ◆ 利害関係者からのコメント ◆ 公的資金の活用に関する情報:ODAの流用でないという先進工業国の確認書が必要 ベースライン設定・モニタリングに対する新たな方法 EBに属するMeth Panelに審査申請し、承認されねばならない ④CDMプロジェクトのモニタリング ⑤CERの検証・認証・発行 ⑥CERの分配 CER:認証された排出量削減量 検証・認証はOEが、発行はEBが行う FELDA社 Serting Hilir工場バイオマス発電と温暖化ガス削減 この工場からの総メタン排出量 総バイオガス排出量 600万m3/年 1500t/y (30000t-CO2/y) 現在の自家発電能力1.3MW Biogas (Methane+CO2) POME 160000 m3/y FFB 360000t/y mill mill digesting tanks Biogas (Methane+CO2) no biogas (30%) shell FFB x 0.066 = 24000t/y EFB FFB x 0.24 = 86400t/y Fiber FFB x 0.1 = 36000t/y CPO 65000t/y facultative pond EFBによる発電能力2.4MW (21000MWh) モデル工場での試算結果 6000t-CO2/y 総温暖化ガス排出量 = 30000 + 6000 = 36000t-CO2/y 共同研究先のFELDA社 (マレーシア最大のパームオイル企業) 本社(クアラルンプール) 左より FELDA社顧問 渡辺氏 (前マレーシア日本人会事務局長) 白井、Subash統括工場長兼R&D部長 (FELDA社カウンターパート) Mohamed Ali 教授(UPMカウンターパート) FELDA社本社近くから望むツインタワー FELDA社のパームオイル搾油工場の所在地 Kuala Lumpur Kuala Lumpur International Airport (KLIA) Serting Hilir 水平のラインは FELDA社のパーム オイル工場の所在 地を示す。FELDA社 はマレーシア全土に 72工場をもつ。 九州工業大学(KIT)・マレーシアプトラ大学(UPM)・FELDA社による 国際産学連携共同研究 現地での建設見積もり2千3百万円 (メタン発酵槽、スクラバー、ガス貯留 タンク、その他関連機器含む) 日本の設計により滞留時間は10日 に短縮される(現在20日). 500m3メタン発酵システム バイオマス火力発電 21000MWh KITとUPMが協力して Serting Hilir工場に設置 (2400kW) POME 160000 m3/Sep 高圧蒸気 120000t (120000Gcal) mill FFB 360000t/y Biogas (Methane+CO2) Biogas digesting tanks メタン発酵 (Methane+CO2) no biogas (30%) EFB FFB x 0.24 = 86400t/y Fiber FFB x 0.1 = 36000t/y CPO 65000t/y 6000MWh (650kW) 高圧蒸気 20000t facultative pond (20000Gcal) 九州工業大学(KIT)・マレーシアプトラ大学(UPM)・FELDA社による 国際産学連携共同研究 現地での建設見積もり2千3百万円 EFB(炭素成分) セルロース 30% ヘミセルロース 30% リグニン 30% 3 (メタン発酵槽、スクラバー、ガス貯留 タンク、その他関連機器含む) 日本の設計により滞留時間は10日 に短縮される(現在20日). 500m メタン発酵システム バイオマス資源 (潜在生産量) セルロース リグニン 六単糖 五単糖 乳酸 FFB ポリ乳酸 360000t/y : 10000t/y : 10000t/y : 11000t/y : 11000t/ymill : 22000t/y : 20000t/y KITとUPMが協力して Serting Hilir工場に設置 POME 160000 m3/Sep Biogas (Methane+CO2) digesting tanks 有機酸発酵 酢酸 プロピオン酸 酪酸 no biogas (30%) EFB FFB x 0.24 = 86400t/y Fiber FFB x 0.1 = 36000t/y CPO 65000t/y Biogas (Methane+CO2) : 800t/y : 400t/y : 400t/y facultative pond 生ゴミ革命-21世紀の循環社会について-みんなの力で環境にやさしく豊な社会の実現を響灘エコタウン 平成15年11月7日 (九工大院生命体)白井 義人 実証試験施設内部 文部科学省「生活者ニーズ対応研究」生ゴミ生分解性プラスチック化仮設実証試験施設 生ゴミの糖化 100 kg 300 g 生ゴミ 50 kg 水 グルコアミラーゼ 生ゴミの糖化 肥料 50 kg 150 kg 残渣 固液分離 糖化液 100 kg 発酵 生ゴミ糖化液からポリ乳酸の生産フロー図 ここがデンプン糖化液 に変われば通常の ポリ乳酸生産 生ゴミ糖化液 100 kg 重合 乳酸発酵 15 Mcal 5 kg 精製 残渣 固液分離 水 65 kg 95 kg (飼料添加物) 19 Mcal アンモニア 濃縮 30 kg 3 kg エステル化 残渣 (リン資源) 10 Mcal 蒸留 ブタノ-ル ゴミ焼却 排熱 8 Mcal 8 kg 90% 乳酸 加水分解 ラクチド 重合 10 Mcal 10 Mcal ポリ乳酸 72Mcal/5=14.4Mcal/kgPL 5 kg 2001年北九州博覧祭会場の生ゴミから つくられたポリ乳酸ペレット ビデオ 設備償却費 消耗品費 技術移転費 設備補修費 人件費 原料費 エネルギー費 管理費 A 原料費 エネル ギー費 B 原料費 エネル ギー費 C 原料費 D 原料費 0 設備償却費 設備償却費 50 100 150 200 250 ポリ乳酸製造コスト内訳 A:我が国で5万トン/年規模のポリ乳酸をつくった場合のポリ乳酸製造原価(設備償却期間) B:我が国で5万トン/年規模のポリ乳酸をつくった場合のポリ乳酸製造原価(設備償却完了後) C:マレーシアで5万トン/年規模のポリ乳酸をつくった場合のポリ乳酸製造原価(設備償却期間) D:マレーシアで5万トン/年規模のポリ乳酸をつくった場合のポリ乳酸製造原価(設備償却完了後) 野外実験が許可されているSeting Hilir工場のプラント建設予定地 左から3人はこのテーマで九工大 博士課程進学を希望しているUPM 化学工学科の助手と講師 白井、UPM滞在中の白井研究室 のM2ふたり Methane fermentation system for UPM and KIT Power Boiler KIT・UPM Sign board indicating collaboration between UPM & KIT マレーシアパームオイル産業の廃棄物利用による新事業 CDMによりラグーン を工場用地にし、廃 棄物発電で電気を 格安で供給する 更地になる CDMにより温暖化ガスの削減 CDM事業により広大なラグーン ができるばかりでなく地域的な を閉めて更地にする 公害の防止(ラグーンからの悪 CDM事業により更地に進出し 臭の防止)と雇用増やす(企業 てきた企業に電気を提供する 誘致により)ことができる 森林伐採によるプランテーションの開発はすべきでないしもはや経済 的 に合わない。一方、今後もパームオイルの需要は増え続けるため、都 バイオマス産業としてのパームオイル産業の ADVANTAGES!! Business as Usual (BaU) BaUとして 季節性なく安定してバイオ マスが集まる ・CDMによる広大な敷 地とバイオエネルギー ・低いカントリーリスク ・優秀な労働力(英語力) ・相手企業の資本力 ・環境と経済の両立 をイメージ発信できる 資源 BaUとして すべての工場か ら 輸出港までロジ の問題がない エネル ギー BaUとして、わずか1工場に年5万トンを越える均質のバイオマス廃棄物が流通している
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