日本文会計05

第5回
日本文会計
日商簿記検定3級を中心に
上海市精華外語専修学院
特別講座(全十回)
講師:謝 少敏
2007年1月12日から
毎週金曜日於吴泾总部
第五章 決算の概要
• 決算の意味
• 決算の手続き
• 精算表
• 練習問題
簿記の流れ
決算とは
• 決算とは、経営活動を区切り、その期間(会計期
間) の損益を計算し、業績や財政状態を明らか
にするために、貸借対照表や損益計算書を作成
する作業のことをいう。
決算の手続き
• 期中なら本来しなくてもいい処理を、決算では、決算
特有の手続きとして処理しなければならない。これら
の手続きとは、決算の手続きという。
• 決算の手続きには、一定の順序があり、大きく分け
ると「決算予備手続」、「決算本手続」、「決算報告手
続」の順序で進められる。
決算手続きの内容
• 決算予備手続:決算を行うための準備をする手続き
• 決算本手続:修正手続きと純利益の計算や単純な
帳簿の締め切りなどの手続き
• 決算報告手続:財務諸表を作成する手続き
決算予備手続の内容
• 試算表の作成
• 棚卸表の作成
• 精算表の作成
試算表の作成
• 総勘定元帳に記載された各勘定を一覧表
にまとめ、総勘定元帳の記載に間違いや
記入漏れがないか確認し、間違いがあっ
た場合は、訂正する。(試算表については、
第4章のページを確認してください)
棚卸表の作成
• 棚卸表とは、決算整理事項の明細を一覧
表にまとめた表のことである。
• 資産や負債について実際の有高を確認し、
帳簿上の残高を実際の有高に調整する。
精算表の作成
• 精算表は、期中の取引(日常の取引)を記
録してきた記帳結果に、日頃の取引では
把握できない取引(決算整理で整理した
取引)を反映させるために作成する。
決算本手続の内容
• 決算整理
• 決算振替
• 元帳・仕訳帳の締切り
• 繰越試算表の作成
決算整理の意味
• 期中処理上やむを得ず不完全な処理をしなくて
はならないものに対して、決算日に修正のため
の仕訳を行わなければならない。
• この手続きを決算整理と呼び、この仕訳を「決算
整理仕訳」 と呼ぶ。
• 決算整理が必要な事柄を決算整理事項と呼ぶ。
決算整理事項
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現金過不足の決算整理
消耗品の決算整理
売上原価の計算
貸倒引当金の設定
有価証券の評価
固定資産と減価償却
収益の見越しと繰延べ
決算振替
• 決算振替は、損益勘定(そんえきかんじょう) と
いう決算の時だけ設ける勘定に収益と費用を
いったん集めてしまい、そこから当期純利益を
計算し、資本の勘定へ振替える手続をいう。
元帳・仕訳帳の締切り
• 仕訳帳・総勘定元帳など、各帳簿を締め
切ること。
繰越試算表の作成
• 繰越試算表とは、各勘定を締め切った後、
各勘定の次期繰越高を集めたものである。
決算報告手続
• 財務諸表を作成する手続きになる。
• 財務諸表とは、貸借対照表と損益計算書
のことである。
(1)貸借対照表の作成
(2)損益計算書の作成
精算表
• 精算表とは
• 精算表の種類
• 精算表の目的
• 精算表の記入方法
精算表とは
• 精算表とは、「決算整理前の残高試算表」
に「決算整理仕訳」を加え、損益計算書と
貸借対照表を作成するまでの過程を一つ
の表にしたものである。
精算表の種類
• 6桁精算表
• 8桁精算表
• 10桁精算表
精算表を作成する目的
• 決算処理に間違いがないかチェックする。
• 決算の早い段階で利益を把握する 。
精算表では、決算の流れを確認できる。
• 「損益計算書」と「貸借対照表」を作成すれば、
利益を把握することができるが、それまでに
様々な決算の手続きを踏まなくてはいけないた
め、利益を把握するのに時間がかかってしまう。
• 精算表は決算の流れを表に表しているので、あ
る程度の利益を把握することができるので、早
い段階で、利益の見通しを立てることができる。
精算表の記入方法(1)
期中の取引内容を把握するために
残高試算表に記入されている勘定科
目と金額を、精算表の勘定科目欄と
試算表欄に記入する。
精算表の記入方法(2)
決算整理事項に基づいて、決算
整理仕訳を行い、該当する勘定
科目の金額を修正記入欄に記入
する。
精算表の記入方法(3)
試算表欄の借方・貸方の金額と修正記
入欄の借方・貸方の金額を加減算して、
収益・費用の金額は損益計算書欄へ、資
産・負債・資本の金額は貸借対照表欄へ
記入する。
練習問題
• 次の決算整理事項に基づき、精算表を完
成させなさい。会計期間は、平成18年1
月1日から12月31日までの1年である。
決算整理事項
(1)期末商品棚卸高は、13,000円である。売上原価は「仕入」の行で
計算すること。
(2)期末売掛金残高に対し、5%の貸倒引当金を差額補充法により設
定する。
(3)備品について定額法により減価償却費を行う。耐用年数は6年、残
存価額は取得減価の10%である。
(4)売買目的有価証券を時価の65,000円に評価替えをする。
(5)家賃の前払分が200円ある。
(6)受取利息について未収分が2,000円ある。