Corporate Governance in Tomorrow`s Japan

Corporate Governance in
Tomorrow`s Japan
2003年 12月18日
日本企業のコーポレートガバナンスの改善
外国人の日本の企業への投資額は、12%にのぼる。
企業は、より国際的な考え
や基準が必要になってくる。
経営幹部による会議や株主総会を改善する事が必要。
The International Corporate Governance Network
(良いコーポレートガバナンスを促すための私営
企業)が東京で会議を開き、国内外合わせて450
の企業が参加した。
日本企業のコーポレートガバナンス
一般的な日本の企業のコーポレートガバナンスには以
下の3つの主な要素がある。
1. 会社内部の人によって決められた取締役と監査
役による会議
2. 企業の安定のための株式持ち合い
3. 主要銀行により支えられた組織
これらは、敵対的買収の回避・安定した経営の促進・長
期的な視野での戦略の促進、を行うための特徴。
日本企業のコーポレートガバナンスの弱点
会議に出席する取締役や監査人のほとんどが自社
の人、または代表取締役によってそれらの人が任命
されている場合、私欲によって組織が支配されてしま
う恐れがある。
また、経営者が企業にとって良くない判断を行って
いる時など、それをチェックする適切な機能が働か
ない。
株式持ち合いによって、一般的な株主が少なくなっ
てしまい、市場による自社のチェックを行う事が出来
なくなってしまう。
弱点の解決法
これらの弱点に加えて、日本の企業は株主
の権利にあまり重点を置かず、配当も少ない。
これらの解決法
は?!
株主の利益と望みにもっと多くの注意払う事
コーポレートガバナンスの改善は、企業が生き残るため
に不可欠であり、企業の強さを支えるために今以上考え
る必要がある。
コーポレートガバナンスの重要性
日本はバブル崩壊の長引く影響を受けている間、アメリカ
は経済的に成長し続けている。
アドバイザーの中には、それらの経済状態の違いもコー
ポレートガバナンスの違いが影響していると言う人もいる。
1998年から3年間、日本では急速にコーポレート
ガバナンスの重要性が認識されてきており、これ
についての議論も活発になった。
日本の企業は、世界的な基準にも目を向けることが重
要である。しかしだからといって日本がアメリカと同じス
タイルを取ることが望ましいわけではない。
これからの日本企業
株主についての意識を高くし、配当増やす事が大
事である。それをふまえた上で、株主だけでなく他
の全てのステークホルダーの利益を考えるという今
までの日本のスタイルを保つ事が、日本の環境に
もっとも適している。
今の日本の企業は、透明性・説明責任・情報のディスク
ロージャー・道徳、の4つの点についての改善が求めら
れている。主体的に改善を行っている企業と逆にそれ
を怠けている企業とで、今後の競争優位性は変わってく
る事は確かである。
The Corporate Governance Debate
2002年 4月25日
日本企業のコーポレートガバナンス
日本企業が業績を上げるには、コーポレートガバナンス
の形を西洋(特にアメリカ)にあわせるしか方法が無いと
いう意見がある。
コーポレートガバナンスを改善しない限り、日本が国際的
な競争で勝つことは出来ないと主張する人もいる。実際、
主要な日本企業のROE(自己資本利益率)は1983年から
1999年の間に、8.46%から1.2%に減少した。同期間のアメ
リカはというと、12.36%から17.88%に増加した。
また、社外取締役が会社の意思決定を行う場合、行わな
い場合に比べて、高い売上高と税引前当期純利益を示す
ことが分かった。
アメリカ型のコーポレートガバナンスの取り入れ
アメリカ型のコーポレートガバナンスの一部を採用し
ている先駆的な企業としてはSonyがある。Sonyは取
締役を38から10に減らし、社外取締役の役割を増
やした。また、
指名委員会(社内取締役5人、社外取締役1人から
構成される取締役を任命する権利が与えられた組
織)
報酬委員会(社外取締役2人とソニーカウンセラーか
ら構成される取締役の報酬を決める組織)
を設立。
日本のコーポレートガバナンスの評価
アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・ベルギー・オランダ・日
本の7カ国について、コーポレートガバナンスについての
評価を行ったところ、日本は最下位であった。
理由)アメリカ企業の取締役会の平均人数は12人でそ
のうち9人が社外の人。一方日本の企業の取締役会
の平均人数は40人近くで、ほとんど社外の人がいな
い。また社外に目を向けた企業であっても、それらの
人が、債権者・顧客・サプライヤーといった企業に関
係のある人である場合が多い。
日本のコーポレートガバナンスは本当に良くない?
日本と西洋の企業の違い
①目的
西洋企業:株主に利益を与えること
日本企業:国に対し経済的な価値(雇用機会など)を与えること
②コーポレートガバナンス
西洋企業:株主と取締役のつながりを重視
日本企業:ステークホルダー(従業員・顧客・サプライヤー・債権者・コミュ
ニティー)を重視
日本のコーポレートガバナンスは本当に良くない?
③トヨタ自動車の取締役会は60人から構成されており、まったく西
洋の方式を採用していない。しかし企業の実績はとても良い。
④西洋企業は株主の利益中心のため、短期的に高い利益を考え
る。一方日本企業は長期的な企業の利益を考え、従業員にも満足
のゆく安定した賃金を与える。
⑤アメリカ式のコーポレートガバナンス体系を忠実に守ったエンロ
ンの倒産⇒日本企業は西洋式の考えを取り入れる意味があるの
かという疑問
アメリカと日本はどちらも先進国であるが、それらの
コーポレートガバナンスに対する考えは両極端に位置
する。
⇒どちらか一方が正しいという事ではない。
Management Innovation
Toward a New Corporate Model
2000年 8月
技術の発達
デジタル化とネットワーク網の発達が、急速なスピード
でビジネス環境を形作っている。それらの技術によって、
コンピューターと問題解決とが相補的な役割を担い、企
業はそこから付加価値を得る事が出来る。
⇒企業は、ハイスピードで全面的な変化が必要である
ITの発達
19世紀半ば・・・産業革命
20世紀半ば・・・エレクトロニクスによる大量生産革命
現在・・・IT革命
~ITの急激な進歩によるネットワーク社会構築の結果~
①時間と場所の制約が無くなる
②ビジネスの境界が無くなる
③企業間の競争の方法の変化
④サプライヤーと顧客の距離が縮まり、顧客志向となる
⑤製品のサービスやサポートの質の向上
⑥国際化による世界規模の合併
⑦企業が中心事業に重点をあて、目的や役割を明確にする
ビジネスモデルの変化
これらのビジネス環境の変化により、日本の市場の基
盤が揺らぎ、過去の成功方法が役に立たなくなり、シス
テム全体を再構築する必要がでてきた。
例)東芝
多様で広大なビジネスを管理する事が困難になってきた。
それにより、決定や行動が遅くなるという問題を抱える。
1998年以降3つのエリアでのイノベーションを試みる。
①管理構造の再編
②ビジネスポートフォリオの再建
③企業文化の再定義
東芝のイノベーション
①管理構造の再建
1998年、経営幹部による小さな集まりを作った。その
集まりによって、企業内の全てのグループの戦略を練り
上げる。集まりを小型化することで、より集中した話し合
いを行え、早い経営方針の決定を行うことが出来るよう
になった。
翌年の1999年4月、新たなシステムを構築した。それ
により、15の事業グループが8つのin-house companyと
1つのjoint-venture subsidiary companyとなった。それぞ
れのcompanyは経営資源と自治権が与えられた。
また、東芝グループ全体の前進をサポートしするための
小さな司令部も設けた。
東芝のイノベーション
②ビジネスポートフォリオの再建
世界での競合相手と資源を集中できる事業を中心にビ
ジネスポートフォリオを考えた。専門化した企業と戦うた
めに、他社と事業提携やM&Aを行った。
全体的な目標は、広範囲な電気事業の展開ではなく、今
後キーとなる電気事業(IT関連)に特化した企業となる事
である。⇒特にデジタル、モバイル、ネットワーク分野
これらの電気事業を特化させることにより、システムソ
リューションのサービス、IT関連製品といった事業エリア
の強化をはかる。
東芝のイノベーション
③企業文化の再定義
企業文化を再定義を再定義するにあたり、
the Toshiba Group in our Management Innovation 2001 program
を用いた。そのプログラムは、企業価値と管理体制の
改善のためのsix-sigmaの方法論を用いている。それに
より顧客の満足を中心に考えた文化作りを促進した。
それにより、東芝を強固でグローバルな企業に作り変
えようとした。
今後の企業の展望
このような計画は、具体的な戦略となって達成させにくい。
しかしMI2001は、従業員一人一人の考えと行動に反映し、
東芝の日常の一部に取り入れられようとしている。
今日の企業は、絶え間ない変化の中に生き、その中で生
き残るためには企業も変わらなくてはならない。全ての問
題を解決できる構造改革は無いが、状況の変化に柔軟か
つ敏速に対処できる事業を展開する必要がある。
東芝では、従業員がイノベーションを恐れず、常に学
び教えあう環境を作ることが目標である。