基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム インターネットを利用した研究公開と 科学報道に与える影響 北海道大学理学研究科地球惑星科学専攻 惑星大気物理学研究室 中神 雄一 [email protected] Mosirプロジェクト 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム Mosir(モシリ)プロジェクトの概要 http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~mosir/ 学生ボランティアが運営 インターネット上でのマルチ メディア配信技術の習得、運 用 - Streaming(realsystem) - DVTS 2000/07 発足 研究室からの成果公開 - セミナー公開 - フィールド紹介番組 - 双方遠隔授業 双方向遠隔授業 (10/30) 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム 目的 サイエンティフィックな立場から… 知的財産の社会的共有の促進 研究現場からの成果公開技術のノウハウ蓄積 - 廉価に簡便に 新たな手法を用いることによる課題の提示 - 何が求められ、何を発信できるのか? - 一研究室レベルでどこまできるのか? 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム Contents 1,これまでの成果 2,インターネットを通じた研究公開 3,科学報道に与える影響 4,これからの科学報道 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム これまでの成果 セミナー公開 (Real) 研究紹介番組 ・ 有珠山取材レポート (Real) 「有珠山」 ・ 流氷取材レポート(Real) 「オホーツク 氷海の不思議」 双方向遠隔生中継授業 (DVTS) 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム セミナー公開 http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~sinra/ 目的 - 議論の過程をそのまま 公開. 特徴 - 研究現場の価値観,知 見をダイレクトに提供可. 作業日数 - 即日 森羅万象セミナー 2002/04 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム 有珠山取材レポート http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~mosir/work/2002/usuzan/ 目的 - 地球科学的に興味ある対 象をWebとビデオを組み合 わせて公開 特徴 - フィールドでの解説を重視 - 現象と知識の融合 作業日数 - 企画から公開まで約半年 html 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム 流氷取材レポート http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~mosir/work/2002/clione/ 研究活動そのものに着目 - 論文紹介 - データの処理法/解釈 多くの研究者が出演 - 研究者の人間像にも焦点 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム 双方向遠隔生中継授業 http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~mosir/work/2002/kamokata/ 岡山県立鴨方高等学校 「宇宙の科学」の授業 高校と連携し教材 / 資料 作成 DVTS (Digital Video Transport System) を使用 JGN (Japan Gigabit Net work) を使用 対話性を重視した授業 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム 授業の評価 本当に授業を受けているみた 遠隔授業は満足できましたか?(回答数80) 4% 1% 14% 45% 36% 期待以上 期待ほどでは まあ期待以上 期待以下 期待通り いだった. とても楽しくて不思議な気分 でした. 今度,鴨高に来て直に教えて ください! 良い緊張間でいつもより勉強 する気になった. 分からないことがあったらそ の場で解決できて良い. この授業(「宇宙の科学」)を受 講していて良かったです 10/24 朝日新聞(岡山版) 中国新聞 (井笠版) 11/3 朝日新聞(北海道版) マスコミの反応 室蘭民報 2002/05/15 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム インターネットを通じた研究公開 • これまでの研究公開 研究者 論文 ミスマッチ 研究のエッセンス マスメディア 翻訳 社会 障壁 基礎科学の広報と報道に関するシンポジウム インターネットを通じた研究公開 • 膨大な科学的知見が直接 社会へ 研究者 • 研究成果を発信者の責任 の下,正確に伝達可能 • マルチメディア利用で研究 者の価値観,自然観も伝達 • 時間的,場所的制約からの 解放 マスメディア 社会 科学報道に与える影響 • 研究者は本来の意味での 情報発信者になり得る 研究者 • マスメディアは受信者として 情報の取捨選択に迫られる マスメディア 社会 これからの科学報道 研究者側 - 研究成果の解放,社会的共有の加速 - 社会に受け入れられやすい表現の模索 マスメディア側 - 賢明な受信者たれ ・ 専門の修行を積んだ人材の登用 - 社会の求めに応じた正確で的確な情報発信 - 研究者の良きパートナーとして連携して科学 普及 地球惑星科学の特徴 身近な自然現象を対象としている 様々な知識の融合から新たな自然観を創造 - 幅広い知識が必要 ⇒ 知識共有の必要性 - ダイナミックな自然観の創造過程自体も興味深い 一般社会との繋がり - 防災 - 人類が共有するべきグローバルな自然観を提供できる - 個人の知的好奇心の対象となり得る エキサイティングで魅力あふれる 知的生産現場の最前線! これまでの研究公開 公開対象を限定 - 学会発表の時間的,場所的制約 - 分野間の成果共有が困難 感性的情報の欠落 - 論文,Webでの文字情報への変換 - 意図した情報が伝わらない 一方通行 問題点 - 有用な研究成果を享受できるのは一部の人に 限られ知的財産として十分に活用されていない. IT が提供する解決策 情報の解放 - 低コスト,技術の簡便化で誰もが発信者に - ブロードバンドで大量の情報も伝達可 マルチメディア - 文字以外のメディアも複合的に扱える - 視聴覚に訴える効果的な情報伝達可 双方向的な情報伝達 - 適切な情報を与えることができる 的確に情報が伝達することで,正確に理解され 知識共有が促進される. 動画を利用する利点 時間的、場所的制約からの解消 - フィールドの様子を公開できる - 貴重な記録をそのまま保存 時間軸を持つメディア - 時間変化する現象も理解しやすい - 時間軸をキーとして他のメディアと統合可能 対話的環境 - 自然なコミュニケーション環境を提供 - 臨場感 4,意義 異分野間交流の促進 研究の向上 - 研究成果の相互比較,再評価 - 幅広い視野をもたらす 研究成果の社会への還元 - 研究者の自然観、価値観の伝達が容易に - 成果の知的財産としての有効活用 動画をネットワークで流すには 回線別帯域 - モデム 28-56 kbps - ISDN 64-128kbps - LAN 10-100Mbps 動画像のデータ量 - DV画像 - MPEG1 50 Mbps 1.5 Mbps - MPEG2 4-9 Mbps - ストリーミング メディア 数十-数百kbps 専用回線以外ではDV画像の配信は困難. インターネット上の動画の配信にはストリーミング メディアが適している. 4,ストリーミング技術 音声や映像を受信しながら再生. ダウンロードは行わない. 専用のソフトウェアが必要. ライブ中継も可能. 4,realsystem OSに依存しない - Win,Mac,UNIX系に対応 RealNetworks社が無償提供. - エンコーダ : realproducer - サーバ : realserver - デコーダ : realplayer 再生まで ~Webとの連携~ メタファイル - 動画ファイルの場所を記述. 再生までの流れ (1) wwwサーバにメタファイル を要求. (2) メタファイルを返信 (3) Playerの起動、メタファイル の受け渡し. (4) 動画配信要求. (5) 動画ファイル配信 (6) バッファリング / デコード / 再生 Realsystemの例.他のストリーミングシス テムも同様. 手順と使用機材 ① 画像、音声収録 ② キャプチャ- 画像音声をPCへ取り 込む. ③ エンコード ④ 編集 ⑤ サーバ - rmファイルの保管/配信 システム1 : DVTS • Digital Video Transport System (WIDEプロジェクトが開発) • DV画質を劣化させることなく 伝送. • 片方向30Mbps以上の帯域が 必要.双方向ではこの倍. • 現状では専用線が必要. システム2 :JGN • Japan Gigabit Network • 総務省が管理する実験線. • 札幌-鴨方間1,400km. [協力] - 大型計算機センター - (株)ネクステック - 倉敷芸術科学大学 - 笠岡放送「ゆめネット」 配線図 : 送信側 • カメラを講師用,モニター用で 切り替え. • 一台のカメラで撮影/再生を切り 替えてDVテープの映像も配信. • 音声は別系統から入力 • 送信画像も録画可能 配線図2 : 受信側 • 受信画像も録画 • 電脳大飯店のスピーカを 使用.
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