8th Satellite Design Contest Tokyo Institute of Technology Space Robotics and Teleoperations Laboratory (SRTL) JetGun Sat Kyouichi UI Ryuichi HODOSHIMA Naohide MAEDA Hideto OKADA Masafumi IAI Naoki MIYASHITA & Tokyo Institute of Technology SRTL 突風 発表の流れ - Contents - JetGun Sat “突風” (1) Introduction :背景/提案するミッション/期待される効果 (2) ミッションの概要:子衛星放出回収実験 テザー放出回収実験 衛星検査実験 ガスジェットガン利用実験 衛星間双方向充電実験 (3) 衛星の概要 : 各サブシステム (4) まとめ: ミッションのまとめ ※ 時間の関係上,詳細な説明は省き,本衛星設計結果の要旨 のみを説明する. Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 背景 - Back Ground - JetGun Sat “突風” ◆ 複数の衛星によるフォ-メ-ションフライト ・ 多点観測(プラズマ,重力波,ステレオ地球観測など) ・ 不具合衛星の保守,点検,回収 ・ GPS,衛星通信システム 次世代軌道上サ-ビスとして期待されている ◆ 技術的な課題 ・ 複数衛星の配置問題(Constellation) ・ 位置姿勢の検出(Sensing) ・ 位置姿勢の誘導制御(Guidance, Navigation & Control) ・ 観測機器,通信機器,機構(Instruments) 実現のために解決すべき課題は広範囲にわたる Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ミッション提案 – Mission Proposal - JetGun Sat “突風” 小型親子衛星によるフォ-メ-ションフライト用技術の検証 本ミッションで注目した技術とその目的 ◆ 子衛星放出回収技術 小型親子衛星という特徴を生かしたドッキング方法およびドッキング機構 を開発し,その有効性を検証する. ◆ テザ-技術 テザ-張力が制御でき,巻き崩れなどが生じないリ-ル機構を開発し,親子 衛星の相対位置を制御させ,ドッキングや衛星検査ミッションへ応用を図る. ◆ ガスジェット利用技術 子衛星や不具合衛星の位置/姿勢を制御する新しい手法として,ガスジェット を利用し,その有効性を検証する. ◆ 衛星間充電技術 電力伝送方式の一つとして,非接触充電方式の有効性を検証する. Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ミッション提案 – Mission Proposal - JetGun Sat “突風” テザード親子衛星を開発し,低軌道上で以下の実験を行う. 1) ドッキング機構・リ-ル機構による子衛星放出回収実験 2) CCDカメラ搭載テザ-ド衛星による親衛星検査実験 3) ガスジェットガン利用子衛星安定回収実験 4) ガスジェットガン利用子衛星姿勢変更実験 5) 衛星間双方向非接触充電実験 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 期待される成果 – Expected achievements - JetGun Sat “突風” ◆ ガスジェットガンを利用した子衛星姿勢安定・姿勢変更技術の取得 小型衛星の位置/姿勢制御や不具合衛星の復帰・捕獲・回収に対して 非接触型(空気力)の新しいアプローチが提案できる. ◆ ドッキング技術・テザ-技術の取得 近年注目されているフォ-メ-ションフライト,テザーサービス衛星 の基礎技術開発に大きく貢献できる. ◆ 衛星間双方向充電技術の取得 電力供給方法の選択の幅が広がる.単体での長寿命化が困難な 小型衛星にとって大きな効果がある. ◆ 小型機構の開発 本衛星に搭載する各機構は小型であり,宇宙機の小型化開発にも 貢献できる. Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” 概観 – Overview - JetGun Sat “突風” ドッキング機構,ガスジェットガンを搭載したテザード親子衛星 ガスジェットガン×4 親衛星 ドッキング機構 子衛星 テザー& リール機構 CCDカメラ Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 子衛星放出・回収実験 JetGun Sat “突風” ◆ 概要 ドッキング機構,テザ-リ-ル機構,画像航法を用いて,子衛星を放出・把持・回収 ◆ 目的 ・ 把持・引込・放出機能を持つドッキング機構,リ-ル機構(後述),画像処理用 CCDカメラシステムを開発する. ・ これらのシステムを利用し,子衛星を安定に放出・把持・回収する. Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ドッキング機構 -子衛星放出・回収実験 - JetGun Sat “突風” ◆ 設計要求 ・ 子衛星の位置/姿勢制御誤差を許容する大きな把持領域の確保 ・ 引き込み,放出機能の付加 ・ 画像処理用マ-カの設置 ・ 小型化 Relative Velocity Daughtership Tether Grasping & Guiding ◆ 設計条件 ・ 子衛星→φ150mm×h150mmの円筒形 ・ 把持領域→φ200mm×h150mm Mothership's face ・ 画像処理用マ-カ→LEDの使用 ・ サイズ,重量→φ300mm×h300mm(リール機構含む),10kg未満 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ドッキング機構 -子衛星放出・回収実験 ◆ 設計結果 Grasping Part Structure ・ 同期的に開閉する 6本の把持部 子衛星の把持 A JetGun Sat “突風” Recharging system space Wreel mechanism space φ200mm×10mm φ200mm×100mm Roller (passive rotation) Linear Guide ・ アクティブな把持部と パッシブな把持部を 交互に配置 Docking space φ200mm ×150mm φ300mm Motor Driver Motor 子衛星の引込・放出 50mm A' Roller (active rotation) 300mm Ball screw Motor Driver A-A'面 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 300mm Bevel Gear 軌道上搭載検討 -子衛星放出・回収実験 - JetGun Sat “突風” ◆ 機構の潤滑 ・ モータのギアヘッド → 真空用ピアゾオイルの利用 (escap社) ・ ボ-ルネジ&ベアリング → 宇宙用の製品を利用 (日本精工製) ・ 歯車 → 二硫化モリブデン (固体潤滑)の利用 ◆ 電気素子の耐環境性 ・ NASDAやNASAの公開データベースを積極的に利用. http://sees.tksc.nasda.go.jp/, http://matdb1.tksc.nasda.go.jp:8000/ (NASDA) http://crsp3.nrl.navy.mil/cream96/ (CREAM96) http://radnet.jpl.nasa.gov/ (NASA-JPL) http://flick.gsfc.nasa.gov/radhome/ (NASA-Goddard Space Flight Center) ・ 極限環境試験(放射線,真空,熱環境,振動)の実施 ◆ 小型軽量化 ・ 無重力実験(航空機,落下型)からデータを得る. Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ドッキングシ-ケンス -子衛星放出・回収実験 - JetGun Sat “突風” 相対距離 3m or テザー回収開始 (3m未満時) ドッキングモード開始,イニシャライズ 親衛星搭載カメラ画像取得,LED検索,画像処理開始 相対距離 70cm 相対位置姿勢検出 ガスジェット噴射,相対速度消去 テザー長さ制御(ゼロ張力) 衝突回避モード開始 子衛星の中心軸がφ30cm以内 ガスジェット噴射による姿勢安定(ガスジェット実験時) 相対距離 50cm ◆接近中にジェットガンを 用いて衝突回避しながら, 確実に把持領域へ導く ◆把持部のローラを巧みに 制御して,確実に把持する 子衛星搭載カメラ画像取得,LED検索,親衛星へ送信,画像処理開始 子衛星搭載CCDカメラで直前まで計測 相対距離 20cm ドッキング開始 相対距離 0cm 子衛星の中心軸がφ20cm以内 把持部の閉動作開始 相対距離 - 5cm 子衛星と接触 ドッキング開始相対距離:1~3m 子衛星の姿勢から駆動ベルト 選択子衛星の姿勢を修正 子衛星をしっかり把持 ドッキング時間:約10分を想定 引き込み開始 相対距離 -13cm ドッキング終了 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project テザー放出・回収実験 JetGun Sat “突風” ◆ ミッション概要 1) テザーによって結合された子衛星を放出し,任意長さまで展開した後, ドッキング機構の把持領域まで回収する. 2) 子衛星の相対位置/姿勢制御は,親衛星に搭載されたリール機構で テザーの張力/長さを制御することにより実現する. ◆ ミッション目的 軌道上テザーサービス衛星の基礎技術の習得 (不具合衛星等に対する) 検査,キャスティング,捕獲,回収,繋留 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project テザーリール機構 -テザー放出・回収実験 - JetGun Sat “突風” ◆ 本ミッションにおいてリール機構に要求される機能 1) テザーの伸展・回収 モータによるリール制御 Roller Daughter Satellite 2) 巻き崩れ防止 ローラでテザーをはさむ Torque Sensor Motor 3) 張力測定 トルクセンサを用いる 4) テザーを均一に巻く レベルワインダを用いる Motor Torque Level Sensor Winder Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project テザーリール機構 -テザー放出・回収実験 - JetGun Sat “突風” ◆ 地上実験用リール機構 (サイズ:140×400×200 mm,質量:3.95 kg) ひずみ ゲージ B モータ B ひずみ ゲージ A レベル ワインダ リール エンコーダ モータ A 地上実験 各機能を検証済み Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 衛星検査実験 JetGun Sat “突風” ◆概要・目的 CCDカメラを搭載したテザード子衛星による小型視覚システム を実現し,その有効性を検証する Encoder Motor Gear Head ・子衛星 テザーの軸線方向に固定し,親衛星を監視 ・親衛星 平面運動内での回転運動可能,子衛星に向けて ポインティング可能 子衛星の姿勢制御とテザーの位置制御を加え, 多様な視点を確保させる Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” テザーによる子衛星の制御 –衛星検査実験 ◆ モデル化 1 T Mother Satellite {i} Daughter Satellite Tether {b1} q1 m 1 I1 軌道運動を考慮した 親衛星と子衛星の2体問題 Earth ◆ 定式化 ニュートン・オイラー方程式 3 j e m j q j / q j F j 並進: m j q ~ I w 回転:I j j j j j j j 張力 T の関数 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ミッションシーケンス –衛星検査実験◆ 制御法 ◆ ミッション図 子衛星を親衛星との距離を一定に保ったまま 親衛星の上面を様々な角度に搖動させる. ◆ ミッションシーケンス 相対距離補正 Daughter Satellite Tether c1 c2 子衛星放出 相対距離検出 JetGun Sat “突風” 姿勢補正 姿勢検出 c3 {c} Mother Satellite Earth Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” シミュレーション –衛星検査実験 ◆ 子衛星の軌跡 初期値: {c} 10 m 10 m 10 m T T 2 T 0.011 0.2 j j 制御法: j 1 T 0 N 面内運動 N ( L 50 m) ( L 50 m) 面外運動 20 60 10 c2 [m] c3 [m] 40 20 -10 開始点 0 -40 -20 0 c1 [m] 0 20 40 -20 0 2000 4000 6000 Time [s] 8000 10000 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ガスジェットガン利用実験 JetGun Sat “突風” ◆概要 スラスタからコールドガスを噴出し,子衛星の太陽電池 パネルに衝突させることにより,子衛星の相対位置,姿 勢の制御を行う. ・ ガスジェットに対し,垂直にパドル面を与える 子衛星のピッチまたはロール軸まわりのトルクを与える. ・ ガスジェットに対し,パドル面を傾ける テザー軸に垂直な面内の並進力を誘起させる. ◆姿勢制御実験,位置制御実験 テザー衛星の安定回収,不具合衛星のスピン減衰などに利用 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” プルームトルクの計算法(1) –ガスジェットガン利用実験 - ◆スラスタプルーム・インピンジメント(プルームのパネル衝突) スラスタからのプルームが,宇宙空間でどの程度広がり,太陽電池パネルに衝 突した際に,どの程度の力をおよぼすかを検討する必要がある θ∞ ◆スラスタ・プルームモデル P0,T0 r θ r* O´ プルーム気体密度 (Boyntonのモデル) Me A * (r * / r ) 2 f ( ) A (U / 2Ul) / f ( ) sin d * 0 1 /( 1) * 2 /( 1) f ( ) cos 2 /( 1) ( / 2 ) 0 0 (臨界密度) (0 ) ( ) αe e e ( / 2)( 1) e tan 1 (M e2 1)1/ 2 / tan 1 (M e2 1)1/ 2 e ノズル出口角 r* ノズルスロート部半径 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” プルームトルクの計算法(2) –ガスジェットガン利用実験 スラスタの位置と子衛星の相対位置,姿勢により,プ ルーム・トルクは変化 以下のような条件でのパドル面にはたらく力,およびトル クを計算する. 1m パドルとスラスタの距離:1m スラスタの中心軸と,パドル面の成す角:90° 2 4 タンク圧力(N/m ) 2.0×10 スロート部半径(mm) 0.62 スラスタ出口マッハ数 スラスタ出口角(deg) タンク内温度(K) 6.3 4.9 150 x y Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project T 計算結果 -ガスジェットガン利用実験 - JetGun Sat “突風” プルームはパドル全体に 広がり,作用力はパドル 中心が最も大きい スラスタによるトルク 空気抵抗の擾乱トルク T=4.063 ×10-3N・m >1.5×10-5 N・m ガスジェットによる子衛星の制御可能 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project スラスタの設計 JetGun Sat “突風” -ガスジェットガン利用実験 - 窒素ガスを採用 仮定:理想気体,1次元定常等エントロピー流 出口部圧力 pe=10N/m2 スロート前圧力 pc=2.0×104N/m2 出口温度 T=150K Ue スラスタ出口速度 Ue=708m/s(マッハ6.3) 窒素物性値 Molrecular Weight W 28.016 Specific Heat Ratio 1.400 Gas Constant R [kJ/kgK] 296.75 1 pe 2RTc 1 1 p c 1 スロート部と出口部の断面積比 Ae/At=62.8 pc Ae p At e 1 1 1 2 2 1 1 pe 1 p c スラスタ形状の決定 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 衛星間充電実験 JetGun Sat “突風” ◆ 概要と目的 エネルギ源の寿命 (太陽電池パドルの寿命) (燃料の寿命) 衛星の寿命 外部からのエネルギ補給 長寿命化 親衛星-子衛星間での双方向充電 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 電力伝送方式 –衛星間充電実験 - JetGun Sat “突風” ◆ 接触型と非接触型 非接触型(電磁誘導) 接触型(電極) 機械的可動部 なし あり 効率 低 高 電子部品の 耐環境性 電極の摩耗・ 接触不良 漏れ磁界による 他の機器への影響 原子状酸素による 酸化 主な問題点 本ミッションでは非接触型を採用 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project システム構成 –衛星間充電実験- JetGun Sat “突風” ◆ 非接触型電力伝送システム 電力伝送部 電源 充電部 DC-AC 変換回路 コマンド スイッチング・ レギュレータ 親 充電制御回路 二次電池 子 無線 動作原理:絶縁型スイッチングレギュレータと同じ 無線により受電状態をフィードバックし 送電条件を最適に保つ Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ミッションシーケンス –衛星間充電実験 - JetGun Sat “突風” 地上局より設定・指令 :無線通信 充電方向を切替 充電方向を切替 切替完了を確認 切替完了 充電開始 充電回路ON 充電回路ON 充電停止 充電停止 親衛星 子衛星 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” 衛星の概要 各サブシステムの説明 ・ 軌道 ・ 姿勢制御 ・ 通信 ・ 電源 ・ 構体 ・ 熱制御 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” 軌道 – 衛星の概要 ◆軌道パラメータ 以下に軌道パラメータを示す.H-IIAの低軌道打ち上げ性能を参考に パラメータを決定した. エポック(UTC) 軌道高度 離心率 軌道傾斜角 昇交点赤経 軌道周期 通信可能時間(1日平均) 通信可能時間(1ヶ月) 2003年9月 ( 想定) 350 km 0 35 deg 135.0 deg 1.53 hour (5492.29 sec) 1.369 hour 410.76 hour Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” 通信領域 – 衛星の概要 ◆ 地上局ネットワーク ・本衛星と東工大地上局との 1回の通信時間は短い 親衛星 Lバンド 子衛星 世界中の地上局ネットワークを用いて 運用期間を通して多くの通信時間を確保 Sバンド 各大学 NASDA クリスマス島 ◆ 通信可能領域 TCP/IP 東工大地上局 ネットワーク参加大学 (世界17大学) USA:Arizona State University,Masatteusettu Institute of Technology, Stanford University,Hwaii University,Christmas Island Itary:University of Rome, India:Indian Institute of Technology Malaysa:Malaysaian Science and Technology Information Center Thailand:Mahanakorn University,Brazil:Sao Paulo University, UK:Surrey University,Israel:Technion Institute of Technology in Israel China:Tshinghua University,NZ:University of Canturbury Chili:University of Frontera,Australia:Queensland University of Technology Spain:University Polytechnic of Madrid Mexico:Instituto Tecnologico Autonomo de Mexico South Africa:University of Stellenbosch 東工大以外の通信可能領域を確保 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 各サブシステム – 衛星の概要 姿勢制御系 リアクション ホイール 展開機構 データ レコーダ 展開制御器 ダイプ レクサ アンプ 親衛星へ L-Band 送信機 制御回路 火工品 OBC ジャイロ 構体系 通信系 C&DH系 トルクセンサ JetGun Sat “突風” 親衛星 位相器 L-Band 送信機 画像系 充電系 制御回路 電源系 各サブシステムへ 熱制御系 放出回収機構 テザー系 ドッキング機構 ドッキング系 電極 充電系 通信系 電力制御器 駆動機構 充電モニタ テザー系 CCDカメラ テザー結合部 子衛星 放電モニタ 2次 バッテリ センサ 駆動回路 駆動回路 アンプ 電源系 電極 各サブシステムへ 駆動制御器 スラスター系 テザ- センサ ダイプ レクサ 電力制御器 駆動制御器 姿勢制御系 磁気トルカ 太陽電池 バルブ制御器 2次 バッテリ 位相器 L-Band 受信機 ダイプ レクサ アンプ S-Band 送信機 位相器 磁気センサ 窒 素 ガ ス S-Band 受信機 太陽センサ C&DH系 地球センサ 熱制御 OBC 画像系 CCDカメラ ペイント 放熱板など 姿勢制御処理器 リアクション ホイール データ レコーダ 子衛星へ L-Band 送信機 構体系 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 地上局へ 姿勢制御系 – 衛星の概要 - JetGun Sat “突風” ◆ 姿勢制御系への要求 三軸安定 子衛星との ドッキングのため 姿勢精度<2° 通信回線確保のため 機器は少なく ミッション系が 大きな容積をしめるので ガスジェットガンに 頼らずに制御 ガスジェットガンは 実験用機器であるので Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 姿勢制御系 – 衛星の概要 - JetGun Sat “突風” ◆ センサ・アクチュエータ バイアス・モーメンタム・ホイール Ithaco TW-4A12 Momentum Capacity >4Nms Reaction Torque >12.0mNm 磁気トルカ Ithaco TR30CFR ×3 Moments (abs. value) 35Am2 (Saturation Moment ) ◆ 子衛星の姿勢制御 ・ジャイロ×3 ・リアクションホイール×1 地球センサ Ithaco CES 磁気センサ Ithaco IM-103 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 通信系 – 衛星の概要 - JetGun Sat “突風” ◆親衛星ー地上局間通信 S-band(uplink:2.67GHz downlink:2.54GHz) マイクロストリップアンテナ Uplink :各種コマンド downlink:画像データ(親衛星or子衛星(コマンドによって切り替え)) テレメトリデータ ◆親衛星ー子衛星間通信 L-band(親⇒子:1.63GHz 子⇒親:1.54GHz) ホイップアンテナ 親⇒子:太陽電池パネル制御コマンド 子⇒親:画像データ,各種センサデータ Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 通信回線設計 – 衛星の概要 - JetGun Sat “突風” 以下に回線設計の結果を示す. 親衛星⇒地上局 地上局⇒親衛星 親衛星⇒子衛星 子衛星⇒親衛星 周波数(G H z) 2.5 2.7 1.6 1.5 送信機の出力パワー(W ) 5.0 1.0 0.0 0.0 送信アンテナの半値幅(deg) 60.0 3.9 なし なし 送信アンテナのゲイン(dB ) 7.0 31.6 0.0 0.0 実効放射電力(dB W ) 13.0 37.6 -21.0 -21.0 受信アンテナの半値幅(deg) 4.2 60.0 なし なし 受信アンテナのゲイン(dB ) 31.2 7.0 0.0 0.0 データレート(bps) 512000 9600 9600 256000 Eb/N 0(dB ) 29.4 42.9 59.7 45.9 ビットエラー率 0.0 0.0 0.0 0.0 要求Eb/N 0(dB ) 6.0 6.0 6.0 6.0 マージン 22.4 35.9 52.7 38.9 マージンはどちらも3dBを大きく上回っており,通信可能 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” 電源系 – 衛星の概要 ◆ 電源供給 親衛星 →本体とパドルに搭載している太陽電池(GaAs) 子衛星 →基本的にバッテリ,補助としてパドルに搭載している太陽電池(Si) ◆ 要求電力 親衛星 →55.8W 子衛星 →7.7W ◆ 平均発電量 親衛星 →56W (ミッション期間が短期であるので劣化は無視する) ◆ バッテリ容量 親衛星→8Ah(30Vのセルを2個) 子衛星→8Ah(3.7Vのセルを2個) 電力的に実行可能 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 熱制御系 JetGun Sat “突風” 断熱材 ◆ネットワーク法を用いた熱解析 1 4.59x10-9 1 8 7.8039 2 太陽が衛星の上面,側面から当た る場合と,当たらない場合に分け て計算した. 搭載機器の温度許容範囲内に収 まっている. 2 4.5346 3 3 4 0.8349 7 8 4 1.566 1.369 5 5 6 7 6 1.185 4.17x10-10 Case1(衛星上面から太陽が当たる場合) node ID Temp.(℃) 1 43.28 2 38.09 3 33.79 4 -25.16 5 -29.58 6 -26.63 7 -33.55 8 -29.94 Case2(衛星側面から太陽が当たる場合) node ID Temp.(℃) 1 29.14 2 30.02 3 31.01 4 25.70 5 23.50 6 25.50 7 20.49 8 22.03 Case3(太陽が当たらない場合) node ID Temp.(℃) 1 31.52 2 32.39 3 33.31 4 -31.74 5 -35.34 6 -32.45 7 -39.00 8 -35.95 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 構体系 – 衛星の概要 - JetGun Sat “突風” ◆衛星総重量:49.3[kg] 内訳 構造部 :17.1[kg] 搭載機器 :27.7[kg] 計装類総計+マージン:4.5[kg] ・打上時最大荷重等:安全係数1.5以上を確保 ・構造固有振動数概算:97.1[Hz] H-ⅡAロケット搭載のためのインターフェイスを含め ピギーバック衛星の条件をクリア Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 機器配置 – 衛星の概要 - JetGun Sat “突風” バッテリ リール機構 充電装置 オンボードコンピュータ モーメンタムホイール 磁気トルカ ホイップアンテナ ホイップ用 位相機 子機側 ホイップアンテナ MSA用位相機 リアクションホイール ドッキング機構 ガス ジェット ガン Sバンド送受信機 子機側CCDカメラ 子機側充電装置 地球センサ MSA Sバンド用アンプ CCDカメラ機構 ガスタンク 磁気メータ ガスタンク Lバンド送受信機 MSA用位相機 Designed by Pro Engineer Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 本衛星の運用 – 衛星の概要 9/1 Launch → 11/31 Finish 9/1 打ち上げ(H-IIAロケット) ※2週間ごとに7つのミッションを遂行 ③衛星間充電実験 分離 JetGun Sat “突風” 10/13 ・親衛星から子衛星へ充電 ・地上からスタートコマンドを送信 ・電力変化はテレメトリとして常時地上局が受信 ・ドッキング機構から放出 ・テザーを10m付近まで展開 ・以降実験③は両衛星の結合時は常に実行 初期捕捉 9/19 ・ガスジェットを噴射 実験①②を繰り返す ・吹き付け位置と子衛星の運動の関係を観測 ・分離後自動的にスイッチオン ・ガスジェットガン用のタンク残量を考慮しながら,実験①②反復 ・テザーを回収し,ドッキング(実験②) ・各センサが太陽と地球捕捉し,姿勢制御開始 ・展開するテザーの距離は徐々に伸ばす ・可能な限りリアルタイムでデータを送信 アンテナ展開 9/26 ④テザー衛星放出・回収,CCDカメラ利用検査実験1 10/20 ・地上からスタートコマンドを送信 ・地球を指向し,通信開始 ・軌道を数周し,世界中の地上局との通信状況を確認 9/2 ・テザーの距離は徐々に伸ばし,ガスジェットガンの性能限界を測定 ・リール機構がテザーを10m~20m展開 10/27 ・親および子衛星に搭載したCCDカメラでお互いのの画像を取得 ・ハウスキーピングデータの取得 ・子衛星保持機構解除(火工品点火) ・地上からスタートコマンドを送信 ・放出はせずに把持機構のみ開放 9/12 子衛星のパドル展開 10/6 ⑤ガスジェットガン利用回収実験 ・スタートコマンドを送信 ・ドッキング機構から放出 ・再び把持機構を閉じる ・リール機構がテザーを数m展開後回収開始 ②リール機構放出回収実験 ・リール機構がテザーを10m~20m展開 ・テザーの張力を制御し軌道面内/面外制御,ガスジェット利用安定化制 ・親および子衛星に搭載したCCDカメラでお互いのの画像を取得 ・結合状態でパドルを展開(展開時の外乱は親衛星で吸収) ・数秒開放状態を保持 ・可能な限りリアルタイムでデータを送信 ・ドッキング機構から放出 ・地上から展開コマンド送信 ①ドッキング機構機能確認実験 ・ガスジェットの有効範囲進入後,姿勢安定制御開始 ・得られた画像を地上局が受信 11/4 実験④⑦を繰り返す ・ガスジェットガン用のタンク残量を考慮しながら,実験④⑦反復 ・テザーの距離は徐々に伸ばす 11/11 実験終了 ・安定低速状態でドッキング機構が把持・回収 ・必要に応じて追加実験 ・可能な限りリアルタイムでデータを送信 ・地上からスタートコマンドを送信 ⑦CCDカメラ利用衛星検査実験2 ・地上からスタートコマンドを送信 ・得られた画像を地上局が受信 10/3 実験⑤⑥を繰り返す ・ガスジェットガン用のタンク残量を考慮しながら,実験⑤⑥反復 ・ドッキング機構から放出 ・テザーの張力を制御し,子衛星を軌道面内制御 初期機能確認 ・地上からコマンドを送信 ・イニシャライズ 9/4 ⑥ガスジェットガン利用姿勢変更実験 ③衛星間充電実験 11/31 運用終了 ・ドッキング機構から放出 ・リール機構がテザーを数m展開後回収 ・子衛星から親衛星へ充電(パドル展開後は子衛星の発電能力も利用) ・ドッキング機構の把持・引込完了 ・電力変化はテレメトリとして常時地上局が受信 ・可能な限りリアルタイムでデータを送信 ・以降実験③は両衛星の結合時は常に実行 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project アニメーション – 衛星の概要 - JetGun Sat “突風” アニメーションをご覧ください Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 現状 – 現状と今後の計画 - JetGun Sat “突風” ◆ドッキング機構 ・ 機器選定 → ほぼ終了 ・ CAEモデル → 作成中 ※設計だけでなく,解析にも利用 ◆リール機構 ・ 地上実験用プロトタイプモデルによる検証終了 ◆充電装置 ・ 回路設計 → 終了 ◆ガスジェットガン ・ 簡易理論計算 ・ 地上実験用モデルによる検証終了 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 今後の実験計画 – 現状と今後の計画 - JetGun Sat “突風” Step1 基本性能確認実験 Step2 地上検証実験(2次元無重力模擬検証実験) Step3 微小重力実験(落下型微小重力模擬実験) Step4 環境実験(熱真空,振動, 音響,放射線など) Step5 軌道上実験 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 2次元無重力実験 – 現状と今後の計画 - JetGun Sat “突風” ◆フラットフロア上で, スラスタにより位置・姿勢を制御し, 自由に運動することが可能な空気浮上装置を複数用い, 各ミッションの2次元無重力環境模擬実験が可能. 2次元フラットフロア(3m×5m) 空気浮上装置 デモンストレーションビデオ Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project まとめ JetGun Sat “突風” 小型親子衛星によるフォ-メ-ションフライトを中心とした複数衛星 による軌道上サービス技術の検証を行う衛星の設計を行い, JetGun Sat “突風” を提案した. 大学主導の小型衛星開発の利点を生かせる先進的かつ挑戦的な ミッションであり,その意義は大きい. Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” 終 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 今後の課題 – まとめと今後の課題 - JetGun Sat “突風” ◆ 各機器の製作 ・ ドッキング機構 ・ リール機構 ・ ガスジェットガン ・ 充電装置 ◆ 搭載機器の小型軽量化 ◆ ガスジェット,テザー型親子衛星の詳細な運動解析 ◆ 各ミッションにおける詳細な制御アルゴリズムの開発 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ミッションシーケンス -テザー放出・回収ミッション -JetGun Sat “突風” 子衛星放出 相対位置/姿勢検出 長さ制御モード 放出ミッション 目標展開距離判定 相対位置/姿勢検出 張力制御モード 回収ミッション ドッキング把持 範囲判定 ドッキング機構把持 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project JetGun Sat “突風” ガスジェットの振る舞い –ガスジェットガン利用ミッション - 実験用中型放送衛星の例 スラスタから噴出されたガスが自分の太陽電池パネルに衝突 擾乱トルクとなり,姿勢安定を喪失 プルーム・インピンジメントによるトルクの推定の必要性が生じた プルームトルク理論モデルが構築され実際のデータと良く一致 することが確認された Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 背景 - Back Ground - JetGun Sat “突風” ◆ 小型衛星によるフォ-メ-ションフライト ・ コストや開発期間などの面でもメリットが大きい 大学による小型衛星開発が大きく貢献できる分野 国の内外を問わず様々な学生プロジェクトが存在 ・米国 University Nanosatellite Program (NASA, DARPA) University Stanford, Santa Clara Utah State, Washington, Virginia Polytech Arizona State, Colorado, New Mexico Mission EMERALD ION-F 3 Corner Sat Launch Date Late 2001 Late 2001 Late 2001 ・日本 μ-Lab Sat 2号機 (NASDA) ※概念設計だが大学が開発した子衛星の編隊飛行ミッションも想定 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project 小型視覚システム –衛星検査ミッション - JetGun Sat “突風” Encoder Motor Gear Head ・子衛星 テザーの軸線方向に固定し,親衛星を監視 ・親衛星 平面運動内での回転運動可能,子衛星に向けて ポインティング可能 子衛星の姿勢制御とテザーの位置制御を加えると, 新しい広範囲のカメラ視野を確保可能 Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project ガスジェット実験 –衛星検査ミッション - JetGun Sat “突風” ◆姿勢制御実験 相対距離70cm~1mにおいて子衛星のパドル面をドッキング 面と平行になるようにする. ドッキング機構の捕獲領域である,中心からφ20cm以内に, 子衛星本体を誘導することを目的とする. ◆姿勢変更実験 相対距離1m~3mにおいて,微小な力で不規則運動を誘発さ せ,さらにその運動を親衛星搭載のCCDカメラで観測し,効 果的にガスジェットを吹き付け,安定した姿勢に戻す実験を行 う. Tokyo Institute of Technology Space Robotics & Teleoperations Laboratory (SRTL) Small Satellite Project
© Copyright 2024 ExpyDoc