フィリピン

より深く・フィリピン
フィリピン班
 今回調べたこと
○フィリピンの水事情(主に地方・貧困層)
○フランス系水企業・マニラッドが失敗した
経緯
○日本の支援(より具体的な)
・フィリピンの水事情
・フィリピンでは元々、所得の格差が激しい
→貧困層は主に地方生活者
彼らの主水源は深井戸なので、水質が悪い
(鉄分やマンガンが含まれる)
有色で臭い・衛生的でない
一方、浅井戸を使う人もいる
→生活排水で汚染され、伝染病が起きやすい
都市でも、水道水は飲まない方がいい
・風水害の被害も大きい
去年の12月1日、台風21号で死者70
0人
家屋の倒壊・伝染病の発生
→治水・ダム・灌漑の整備が必要
・水が汚いと、病気がはびこる
デング熱・コレラ・寄生虫・赤痢・食中毒
↓
改善が必要
・フィリピン水企業失敗の経
緯
 1997年
マニラの水道を民営化する理由
①政府の負担の軽減―民間セクターは、
海外から投資を呼び込むことができる。
②サービスの効率化―政治色のないサー
ビスを提供でき、汚職も減る。
 民営化の際の約束
①水道料金の値下げ、10年間は実質的な値
上げを行わない
②10年以内に水道普及率を100%にする
③3年以内に保健基準省の基準を満たす水質
で水を24時間、間断なく提供すること
④10年間で無収水率(漏水や盗水などで料
金を回収できない水消費の率)を56%か
ら32%に減らすこと
などなど・・・
 しかし、実際は・・・
■1㎥あたりの料金
1997年時点 マニラッド・・・4.9
6ペソ
マニラ・ウォー
ター・・・2.32ペソ
↓
2003年時点 マニラッド・・・21.
11ペソ
マニラ・ウォー
ター・・・12.21ペソ
■サービス面
浄水槽と下水道の設置目標は大変低かった
が、両社がほとんど投資を行わなかったた
めに達成されていない。
2000年マニラ100地区の調査
改善した・・・33% 変化なし・・・5
5%
悪化した・・・12%
無収水率・・・1998年 60%
2002年 68%
■貧困者への影響
①都市の貧困地域に水道を引くには、さら
に巨額の資金投資が必要
②水道敷設のコストが高い
③所有権が保障されない
などが障害となる
→人口の40%近くが水道を利用できない
という地域も存在
※以前無料だった公共水栓もマニラッドが
管理し、利用不可
→この状況は改善されず、多額の借金を抱えたま
ま、フィリピン政府に責任が転嫁
・まずかったこと
異常に高い社員の給料
→見習いで1日6万円
貧富の差が、先進国と違って大きい
→儲からないので、貧困層へのサービスをしない
半官半民の中途半端な操業
→経営がなってない
↓
民間企業が守るべき最低限の社会的倫理が守られ
てない
・日本の支援
 日本の支援により、1300万人の人
に安全な水を供給できることになった。
草の根・人間の安全保障無償資金協力
発展途上国における公共機関やNGOに無
償で資金援助を行う。
中部ミンダナオのチュア村の給水システ
ムを設置
http://www.ph.emb-japan.go.jp/
・地方都市水道整備事業
日本のODAによる円借款により、衛生的
な水の供給に成功(ルソン島の水道
区)
具体的には
水道を整備し、住民から水道料金をも
らう
→それを返済や施設の維持費に充てる
→人材育成や地元水道組織の財政基盤の
強化に繋がる
日本のODAが着実に成果をあげている
日本はフィリピンにとって
最大のODA給与国
日本のODAの被給与国として
フィリピンは第3位
図はhttp://www.ph.emb-japan.go.jp/japaneseweb/Jp%20ODA%20Home.htmより
・無償協力も必要だが、自立のためには
円借款は重要
・日本からの援助であることを知ってい
る住民は少ない
BUT→これも「顔の見える援助」の一つ
の形
このようなことを住民に伝えていくこと
も大事である
 日本の高い水道技術
東京の水道水を、ペットボトル
で販売
ミネラルウォーターよりうまい
↓
このような日本の高い技術を
フィリピンに導入したい
・水源を守る、安全性をチェック
残留塩素を減らすetc
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/
今後の進め方
 フィリピンをモデルとした、発展途上
国における水道事業の理想的な民営化
について議論する。その前に、水道事
業の民営化は有効なのか考えよう。
 その場合、政府やNPO、企業の関わ
りあいをよく考えてみる。