3つの映画をみて ●「シンドラーのリスト」・・・全体主義のイメージをつかむ ●「モダンタイムス」・・・近代社会のイメージをつかむ ●「もののけ姫」・・・前近代/近代の違いをイメージする → あわせて社会学の基礎カテゴリーを学ぶ → あわせてユダヤ民族を理解するための予習をする 3つの工場 ●「もののけ姫」・・・人間解放、人間中心主義 /神々との戦争 → 自然破壊 << 両義的 >> ●「モダンタイムス」・・・近代の画一する力(ダークサイド)を強調 ●「シンドラーのリスト」・・・主人公が金儲けのために設立 → 途中からひとびとを救うための存在に。→ そして破綻 ↓↑ 悪しき発展型、アウシュヴィッツ=「死の工場」 ●たとえばこんな課題● これで準備体操は終わりです。 これから本年度の主題であるハンナ・アーレント『全体主義の起源』の 解説に入っていきます。 が、そのまえに、せっかく映画をみたので課題をひとつこなしておきま しょう。 3つの映画、それぞれについて、 印象に残ったことを挙げてみましょう。 また、そこから考えたことを自由に書いてください。 そして本題へ・・・ ハンナ・アーレント 『全体主義の起源』を読む 第Ⅰ部・反ユダヤ主義 (→授業では1回で説明) 第Ⅱ部・帝国主義 (→ 〃 4回で説明) 第Ⅲ部・全体主義 (→ 〃 2回で説明) → 残りの時間を使って、可能な限り、日本のこと、前後から 現在のこと、その後のアーレントについて触れたい。 注意事項 ●アーレントのいう全体主義 = ナチズム+スターリズム ※ スターリニズム = 共産主義国家・ソビエト連邦の指導者、スターリンによる独裁体制 ●これは歴史研究ではない。→ 概念史 ※ 全体主義に襲われた現代をどう理解できるか、その視点の問題 ※ あの発想はどこからきたか? どうして人々は受け入れたのか? ★アーレント以外で、全体主義という用語を違ったふうに使うひとがい る。また、一時期アーレントは「過去のひと」だと思われていた・・・ → 近年、ふたたびブームに 第1部・反ユダヤ主義 じつは、映画「もののけ姫」での説明がこの理解に役立つ。 古代、ユダヤ民族は異民族との抗争をつうじて故郷=ムラ を徹底的に破壊され、<<故郷喪失者>>として生きてきた。 そのため、 (1)西欧から中東にかけてバラバラに居住してきた。 → ディアスポラ (2)独特の宗教文化を発達させた。 → 一神教 (3)市場に関係して生計を立ててきた。 → 巨大財閥の形成 (4)古い時代から長らく差別を受けてきた。 → だが、その差別を絶滅をめざすようなものではなかった。
© Copyright 2024 ExpyDoc