み へび 巳(蛇)にまつわる民話 ヘビがカエルをのむわけ(大分県) むかしむかし、神さまが世界中の生き物を 作りましたが、まだどの生き物に何を食べさ せるのか決めていませんでした。 生き物たちは何を食べていいのかわから ないので、お腹がペコペコです。 そこで生き物たちは、神さまのところへ行っ て、 1 ヘビがカエルをのむわけ(大分県) 「神さま。早く食べ物を決めてください」 と、お願いをしました。 すると、神さまが、 「明日の朝、みんなの食べ物を決めてやる から集まるように」 と、おふれを出しました。 喜んだ生き物たちは、夜の明けるのを待っ て神さまのところへ出かけました。 さて、ヘビがノロノロとはっていると、 2 ヘビがカエルをのむわけ(大分県) 後ろからカエルがやって来て言いました。 「なんだなんだ、長い体で地べたをノロノロと。 もう少しはやく進めないのかね」 「そんな事言っても、お腹が空いて力が出な いんだよ」 ヘビが、力のない声で言いました。 「ふん。そんな事じゃ、昼になってしまうぞ。 まあ、お前は後からやって来て、おれさまの おしりでもなめるんだな」 カエルはヘビをバカにして、ピョンピョンと 飛んで行きました。 3 ヘビがカエルをのむわけ(大分県) 生き物がみんな集まると、神さまは生き物 を次々に呼び出して、それぞれの食べ物を 決めていきました。 「お前は、草を食べるがよい」 「お前は、花のミツを食べるよい」 「お前は、魚を食べるよい」 でも、カエルは、なかなか呼ばれません。 怒ったカエルは、神さまの前に飛び出して 言いました。 4 ヘビがカエルをのむわけ(大分県) 「早く、おれさまの食べ物を決めてください よ!おれさまが、一番先にやって来たので すよ」 神さまは、うるさいカエルをジロリと見て言 いました。 「よし、お前は、虫を食べるがよい」 「えっ? わたしの食べ物は虫ですか!?」 カエルは、ガッカリです。 それでも食べ物が決まったので帰ろうとす ると、神さまが言いました。 5 ヘビがカエルをのむわけ(大分県) 「待て。お前にはもう少し言う事がある。お前 はここへ来る時、ヘビをバカにしておしりでも なめろと言ったであろう」 「まあ、確かに。でもそれは、ヘビの奴があ まりにもノロマですから」 「いいわけはよろしい。望み通り、これからは ヘビにお前のおしりをなめてもらう事にしよ う」 「とっ、とんでもない!」 カエルはビックリして反対しましたが、神さ まは許してくれません。 6 ヘビがカエルをのむわけ(大分県) その時からヘビはカエルを見つけると、すぐ におしりから飲み込んでしまうそうです。 おしまい 福娘童話集許可転載<http://hukumusume.com/douwa/> 7 ヘビがカエルをのむわけ(大分県)
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