基礎地学

dcpam5で求めた
1次元放射対流平衡解:
射出限界の計算
石渡正樹(北大・理)
Dcmoel meeting 2013年04月30日
目的
• dcpam5を使って1次元放射対流平衡解の計
算をできるようにしたい
• 射出限界を求めたい
Nakajima et al. (1992)
計算方法
• 大気最下層温度を決めて、湿潤断熱線を引く
• 湿潤断熱構造に対して放射フラックスを計算し、そ
れをもとに対流圏界面を決める
– 方法 (1):放射平衡分布にもっとも近いレベルを探す
(放射平衡分布が求めることができる場合のみ)
– 方法 (2):正味上向き放射フラックスが下がり始めるレベ
ルを圏界面としてしまう
• 成層圏の比湿の値を一定におく
– 圏界面としたレベルの比湿の値を与える
• 成層圏の温度構造を与える
– 方法(1):放射平衡温度構造を与える
– 方法(2):温度一定としてしまう
• 放射フラックスを再計算する
dcpamの変更点
• 灰色放射計算サブルーチンの追加
• 平衡解を求めるためのサブルーチンの追加
– 湿潤断熱計算
– 圏界面レベルの判定
– 成層圏の温度・比湿の計算
• main ルーチンの作成
– dcpam_main.f90 をコピーして編集
– 平衡解を求めるためのルーチンを call する case ブロッ
クの追加
– 何か所かコメントアウト(地表面高度の設定など)
• それ以外のファイルの編集
– Radiation/rad_Earth_LW_V2_3.f90でプランク関数の計
算のためのパラメータを変更
– Setup/namelist_util.f90 でMaxNmlArySizeの値を変更
計算結果:灰色放射
OLR-Ts 関係
250K
温度
560K
表面温度
灰色放射、L1000
比湿
計算結果:地球放射
OLR-Ts 関係
250K
温度
560K
表面温度
地球放射、L1000
比湿
鉛直層数を小さくした場合との比較
地球放射
灰色放射
L32
L32
L1000
L1000
250K
560K
表面温度
250K
560K
表面温度
まとめ
• 灰色大気の場合(放射平衡解が求められる場合)に
ついては、1次元放射対流平衡計算ができるように
なったと思う
• dcpam地球放射の場合、高温解の場合で圏界面レ
ベルを求めることがうまくできていない
– 射出限界の値は ~330W/m2になっているようには見え
る