第6回 日本文会計 日商簿記検定3級を中心に 上海市精華外語専修学院 特別講座(全十回) 講師:謝 少敏 2007年1月12日から 毎週金曜日於吴泾总部 第六章 決算整理(1) • • • • • 現金過不足の決算整理 消耗品の決算整理 売上原価の計算 補足ー商品売買の三分法 練習問題 現金過不足 • 現金過不足の意味 • 期中現金過不足の処理 • 現金過不足の決算整理 • 期末現金過不足の処理 現金過不足の意味 • 実際の現金残高と帳簿上の残高が一致し ない場合、現金過不足という。 • 現金過不足の類型 現金不足:実際残高<帳簿残高 現金超過:実際残高>帳簿残高 現金過不足の処理 • 現金過不足を判明したとき、現金過不足勘定を 使って、帳簿の金額を実際の現金残高に合わ せるという処理を行う。 • 現金過不足勘定で処理をした後に、原因がわ かった際は、現金過不足勘定から適切な勘定科 目に振り替える。 現金過不足の処理例示 • 実際残高<帳簿残高 この場合は、帳簿上の現金勘定を減らして実際 の現金残高に合わせる。 • 実際残高>帳簿残高 この場合は、 帳簿上の現金勘定を増やして実 際の現金残高に合わせる。 実際残高<帳簿残高 • ①実際の現金の残高を調べたところ4,000円で あったが、帳簿の残高は6,000円であった。不 一致の原因は分かっていない。 • 仕訳: (借)現金過不足 2,000 (貸)現 金 2,000 実際残高>帳簿残高 • 実際の現金の残高を調べたところ3,000円で あったが、帳簿残高は2,000円であった。不一 致の原因は分かっていない。 • 仕訳: (借)現 金 1,000 (貸)現金過不足 1,000 原因が分かったとき① • ①の不一致額2,000円の原因が、買掛金の支 払時に記帳漏れをしていたことが分かった。 • 仕訳: (借)買 掛 金 2,000 (貸)現金過不足 2,000 原因が分かったとき② • ②の不一致額1,000円は、売掛金を回収したと きの記帳漏れであることがわかった。 • 仕訳: (借)現金過不足 1,000 (貸)売 掛 金 1,000 現金過不足の決算整理 • 原因不明の超過額がある場合 ⇒ 雑益(雑収 入)勘定を使用する • 原因不明の不足額がある場合 ⇒ 雑損(雑損 失)勘定を使用する 原因不明の超過額がある場合 • 現金の実際有高を調べたところ、 4,000円で帳簿残高3,500円よ り500円多い事が分かった。 • 期中処理: (借)現 金 500 (貸)現金過不足 500 • 現金過不足の500円は、原因が判明しなかった。 • 期末決算整理: (借)現金過不足 500 (貸) 雑 益 500 原因不明の不足額がある場合 • 現金の実際有高を調べたところ2,000円で、帳簿残高3,000円より 1,000円不足していることがわかった。 • 期中処理: (借)現金過不足 • 1,000 (貸)現 金 1,000 現金過不足の1,000円は、原因が判明しなかった。 • 期末決算整理: (借)雑 損 1,000 (貸)現金過不足 1,000 決算に現金過不足の処理 • 決算に現金過不足が発生した場合は、 現金過 不足勘定は使用せず、原因がわかった場合は、 適切な勘定で処理をし、原因がわからなかった 場合は、直接、「雑益」か「雑損」で処理をする。 例示 • 決算において、現金の実際有高が帳簿残高より 10,000円不足していたので、原因を調査したが わからなかった。 • 仕訳: (借)雑 損 10,000 (貸)現 金 10,000 消耗品 消耗品を資産で処理する場合 消耗品を費用で処理する場合 購入時 消耗品勘定 消耗品費勘定 決算時 消耗品費勘定(使用分) 消耗品勘定(未使用分) 資産として処理する方法 • 消耗品を購入した時に、消耗品勘定(資 産の勘定)に記入する。 • 決算の時に、使ってしまった分を 「消耗品 費勘定」という費用の勘定で処理をする。 例示 • 消耗品30,000円を購入し、代金は現金で支払 った。 (借)消耗品 30,000 (貸)現 金 30,000 • 消耗品の期末未消費高は、10,000円である (借)消耗品費 20,000 (貸)消耗品 20,000 費用として処理する方法 • 消耗品を購入した時に、 消耗品費勘定 (費用の勘定)に記入する。 • 決算時に使っていない分を消耗品勘定に 振り替える。 例示 • 消耗品30,000円を購入し、代金は現金で支払 った。 (借)消耗品費 30,000 (貸)現 金 30,000 • 消耗品の期末未消費高は、10,000円である (借)消耗品 10,000 (貸)消耗品費 10,000 売上原価 • 売上原価とは、売った商品を仕入れるの にかかったコストである。 • 売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当 期商品仕入高 - 期末商品棚卸高 売上原価の図示 売上原価の勘定表示 売上原価の仕訳 (借)仕 入 600 (借)繰越商品 200 (貸)繰越商品 600 (貸)仕 入 200 三分法の定義 • 三分法とは、商品の売買を仕入勘定 (費 用の勘定)・売上勘定(収益の勘定)・ 繰 越商品勘定(資産の勘定)の3つの勘定に 分割して記入する方法である。 三分法の特徴 • 当期仕入高、売上高、前期繰越を知ること ができる。 • 期末に売価と原価を対応させ、商品売買 益を知ることができる。 三分法の例示 • 仕入時 • 売上時 • 決算時 仕入時 • A商店から、商品60,000円を仕入れ、代金は 現金で支払った。 (借)仕 入 60,000 (貸)現 金 60,000 売上時 • 当店は、B商店に商品80,000円を販売し、代 金は現金で受け取った。 (借)現 金 80,000 (貸)売 上 80,000 決算時 • 期首繰越商品は80,000円、期末商品棚卸高 は70,000円である。 (借)仕 入 80,000 (借)繰越商品 70,000 (貸)繰越商品 80,000 (貸)仕 入 70,000 売上原価の勘定表示 売上総利益 • 売上総利益 = 売上高 - 売上原価 80,000円 - 70,000円 = 10,000円 練習問題(1) 次の取引を仕訳しなさい。 (1) 現金の実際有高を調べたところ、帳簿残高は、2,000円であるのに対し、 実際に手元にある現金は1,500円であった。 (2) 現金不足額500円を現金過不足勘定で処理をしていたが、原因を調べ たところ、交通費の支払いの記帳漏れであることが判明した。 (3) 現金の実際有高を調べたところ、帳簿残高は、3,000円であるのに対し、 実際に手元にある現金は4,500円であった。 (4) 現金の超過額1,500円を現金過不足勘定で処理をしていたが、原因を 調べたところ、1,000円は貸付金の利息を受け取ったが記帳していないこ とが原因だった。 練習問題(2) 次の決算整理事項に基づいて、決算整理仕訳をしなさい。 (1) 消耗品の未使用分30,000円がある。ただし、消耗 品は購入時、消耗品費勘定の借方に記入している。 (2)消耗品の使用高は40,000円である。ただし、消耗品 は購入時、消耗品勘定の借方に記入している。 練習問題(3) 次の取引について三分法で仕訳してください。 (1) 丹波商店は、仕入先である武蔵商店から商品15,000円を仕入 れ、その代金を現金で支払った。 (2) 尾張商店は、美濃商店から商品1,500円(100個 @15円)を仕 入れ、その代金は現金で支払った。 (3) 石川商店へ商品25,000円(原価 15,000円)を販売し、代金 は現金で受け取った。 (4) 当店は、河内商店に単価10円(5個 @10円)で仕入れた商品を 単価30円(5個 @30円)で販売し、代金は現金で受け取った。
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