PowerPoint プレゼンテーション

カワモズクニュース№29
4月4日採取のアオカワモズクとミョウテン
ジカワモズク(→)
①
26.5.16
〔ミョウテンジカワモズク〕
前回のニュースで「昨年5月から確認できていない。消失してし
まったのではないか」と書いたところミョウテンジカワモズクが慌てて
現れました。
4月4日、市場峡公園の観察で石枠のアオミドロを手で擦ると、取
れたカワモズクの中に褐色の藻体が2株ありました。帰宅して検鏡し
てみるとミョウテンジカワモズクでした。 精子嚢、造果器は確認でき
ましたが果胞子体はありませんでした。
次の13日に同様に2株、貧弱な褐色の藻体が採取され、それも
ミョウテンジカワモズクでした。こちらは果胞子体がありました。観察
の後、スライドに果胞子を落とすと果胞子からの発芽が観察できま
した。
「果胞子からの発芽」
(左写真)4月4日採取
造果器(受精)と側枝についた精子嚢
(左下写真)4月13日採取
貧弱な藻体でしたが果胞子体が付いていました。
観察後、藻体を容器に入れスライドに果胞子を落としま
した。
4月15日
①胞子が落ちていました。②胞子の一端が膨れ発芽が
始まりました。③胞子から細胞に内容物が移動。
4月20日
④胞子から内容物が移動し細胞壁で隔離されました。
まだ首が太いです。空の胞子は接着の機能が残ります。
②
④
③
10μ
果胞子体
4月27日スライドを見ると、発芽した胞子はすべて崩れ、観察を継続する事が出来
なくなってしまいました。ミョウテンジカワモズクの発芽は初めてでしたのでとても期待
しましたが残念な結果でした。次回また挑戦したいと思います。
アオカワモズクの藻体
4月28日果胞子の発芽
5月15日3細胞に成長
〔アオカワモズクの発芽〕
アオカワモズクの果胞子からの発芽も今
まで見た事がなかったので、スライドに落
とし様子を観察しています。
4月28日採取、スライドに落下させると直
ぐに発芽を始めました。
4月30日時点で3細胞まで成長したものが
観察できました。首が長いですね。
左写真は5月15日、一向に成長が進みま
せん。家の中では照度が足りないのでしょ
うか、もう暫く観察してみます。
側溝の穴から湧き出ています。
〔本町にある湧水とカワモズク〕
平成12年に本町の某事業者さんの敷地内にある湧水を見せて
いただいたことを思い出し、平成24年9月に改めて訪問しました。
風情のある池は雨水の溜め水ようでした。池から10mほど離れた
側溝の中に湧水はあります。結構な湧水量です。
カワモズクは生息しているのか。水の中に藻体は目視出来ませ
んでした。石や小枝の表面にある粘性の粒をメスで採取しました。
検鏡するとシャントランシア体と思われました。
そこでその年の12月、翌年の6月に訪問しましたが、藻体は確
認できませんでした。敷地内は雑木林のようになっていて、照度
が足りないかも知れない、またシャントランシア体で繰り返してい
るのかも知れない。半信半疑で今年の4月14日訪問しました。
やはり藻体は目視できませんでした。ところが石についたシャン
トランシア体を採取して、検鏡するとシャントランシア体の中にたく
さんのカワモズクへの変態の様子が観察できました。
もう一つ観察できた事、刷毛状のシャントランシア体とボサボサ
のシャントランシア体が一体になっていることでした。別々の種で
はない?と思える様子です。
その後数回訪問しましたが成熟した
藻体を観察できず種は分かりません。
カワモズクの藻体へ変態。刷毛状とボサボサのシャントランシア体は混在しています。
一次輪生枝
周心細胞
皮層細胞糸
シャントランシア体が変態を起こすと中軸にカワ
モズクの輪生枝が発生します。輪生枝の始めの
細胞(基部細胞)が太く丸くなり周心細胞となりま
す。周心細胞から一次輪生枝と皮層細胞糸が2
本も3本も出てきます。皮層細胞糸はどんどん下
に伸びシャントランシア体を取り囲み覆い、藻体
の根元は太い幹のようです。
シャントランシア体
カワモズクの変態 皮層細胞糸がシャントランシア体を取り囲むよう
に下に向かって伸びています。
〔ニュースに対するお問合せ)
白子・大坂湧水林保全の会
会長 友国 洋
文責 須貝郁子
白子3-35-6-307
(048-464-5545)
Email:[email protected]