エンドユーザ主導型 アプリケーション開発技法 M-baseにおける 要求仕様定義プロセス 明治大学大学院 理工学研究科 基礎理工学専攻 紺田直幸 岩田智彰 中所武司 M-baseの目的と対象 業務の専門家による情報システムの構築 を実現 オフィスワーカの利用を想定 中・小規模アプリケーション M-baseによる要求仕様定義プロ セス概要 ステップ1:業務仕様の詳細化 ステップ2:ドメインモデルの作成 – (モデリングツールを利用) ステップ3:ユーザインターフェースの作成 – (UIビルダを利用) ステップ4:シミュレーション実行による検証 – (シミュレーションツールを利用) 共通問題への適用実験 ステップ1からステップ3を共通問題の (a)スケジュール決定から(e)投稿者への 受領通知までに適用 プログラム委員長が業務の専門家 プログラム委員長が情報処理に詳しいSE と相談しながら要求仕様を定義 プログラム委員長が共通問題をコンピュー タ化 例題への適用における役割分担 中所ープログラム委員長 岩田ーSE(モデリングツール担当) 紺田ーSE(全体まとめ、UI担当) ステップ1:業務仕様の詳細化 共通問題における業務 (a)スケジュールの決定 (b)CFPの作成・配布 (c)プログラム委員の選出、依頼、名簿作成 (d)投稿論文の登録 (e)投稿論文の受領通知 (a)スケジュールの決定 スケジュール決定は自動化 案1:開催日時を入力することにより過去の同 様な会議のデータから原案を自動生成 案2:すべての項目を入力するが、過去の同様 な会議のデータに基づいてアドバイスをする エンドユーザの負担の少ない案1を選択 (b)CFPの作成・配布 作成するCFPの種類を決定 1 ホームページ掲載版 2 メーリングリスト利用版(テキスト) 3 ポスター版(PostScript,PDF) – 作業手順の効率を考慮して、この順に作成 学会誌へCFPの掲載を依頼 その他の配布 (c)プログラム委員の選出、依 頼、名簿の作成 プログラム委員候補の選出、名簿作成 プログラム委員就任依頼、名簿完成 メーリングリストを自動生成 – ただし、全員がE-mailを使えると仮定する (d)投稿論文の登録 投稿論文を手作業で登録、名簿を作成 手作業入力の作業を削減するために、電 子メールによるアブストラクトの投稿を義務 づけるべき メーリングリストを自動作成する (e)投稿論文の受領通知 投稿者に論文を受け取った旨をE-mailもし くは郵送で出す – E-mailならば、自動で通知する – 論文が投稿されたら即通知を出す – 論文番号の通知も同時に行う ステップ2:ドメインモデルの作成 モデリングツールを用いて「一業務一オブ ジェクト」を原則としたドメインモデルを作成 メタファベースのモデリング – – – – 対象業務の業務分割 コンポーネント抽出 メソッドの意味定義 例外処理の抽出 作成されたドメインモデル スケジュール(業務(a)対応) スケジュール(業務(a)対応) 入力項目は「開催日時」のみ 過去のデータと開催日時から原案を自動 生成 以下の項目の確定は必須 – 論文投稿締切日 – 著者への論文の採否通知日 – Camera ready締切日 CFPとCFP配布(業務(b)対応) CFPとCFP配布(業務(b)対応) CFP作成とCFP配布は 別業務であると判断 CFP – 入力項目の一部は「スケ ジュール」から入手 CFP配布 – 任意の時点で再起動可能 – 配布先についての履歴管 理が必要 委員選出、委員名簿管理 (業務(c)) 委員選出、名簿管理(業務(c)) 委員選出と名簿管理は別業務であると判 断、委員選出と委員名簿管理を分割 – 委員名簿管理は汎用の名簿管理コンポーネ ントをカスタマイズして使う 委員候補は逐次入力可 就任依頼の発送依頼を行う 投稿論文受付、受領通知 (業務(d)と業務(e)) 投稿論文登録と論文受領通知 (業務(d)と業務(e)) 投稿論文登録と論文受領通知は、一連の 動作であるため、統合 アブストラクトをE-mailで 受け取れるようにアブス トラクト受付を新規導入 論文受付と投稿論文管 理を業務分割 メール発送 メール発送 メールアドレスとメッセージを受け取り発送 する CFP配布、委員選出、論文受付から使え るように汎用化 送付メールに対するリプライ(辞退、user unknownなど)の処理は、自動化が難しい ため、対象外 ドメインモデルでの業務の流れ 業務(a) 業務(b) 業務(c) メール発送 業務(d, e) ステップ3:UIの作成 UIはアプリケーション作成にかかる負担を 減らすためにUIビルダが自動生成 エンドユーザは、UIを見て引数を確認 UIカスタマイズツールを用いて使い勝手を 改善することが可能 自動生成されたUI(スケジュール 決定)の例 このUIで入力が可能 アプリケーションを利 用するためには使い にくい – 入力部品がテキスト ボックスのみ – 入力を行いやすい部 品が選択されていない カスタマイズされたUIの例 日付選択のため のカレンダ 細かい数字の修 正をするための スピンバー 大きく値を修正し たいときにカレン ダを呼び出す 今後の予定 M-baseを共通問題全過程に適用 ツールが未完成なため行えなかったシミュ レーションの実施
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