画像のRGBを利用して

2010年5月24日(月)、連合大会@幕張
久保田 実、長妻努、村田健史、村山泰啓 (NICT)
高感度ネットワークカメラとは
• オーロラ等の自然現象を現地で撮影し、ネットワーク
を介してその画像をサーバに転送し、Web公開するシ
ステム
• デジタル1眼レフカメラ+制御用PC・プログラム+デー
タサーバ+公開Webサーバで構成
• 24時間365日稼働
特徴
• 通常のネットワークカメラに比べて高画質、高臨場感
(高感度でなお且つ4Kを超える解像度)
• 観測機に市販品を利用し、比較的安価に作れる
• 高いアウトリーチ効果
具体的なシステム例
アラスカのオーロラライブ
アラス
カ
日本
2004年開設
http://salmon.nict.go.jp/awc/
得られるデータの例
オーロラ
夜光雲
山火事など
データ解析の例1
画像のRGBを利用して、
OI557.7-nmとOI630.0-nmを
分離
データ解析の例2
座標変換して
地図上に投影
システム概要
• デジタル1眼レフカメラ+
制御用PC・プログラム
• 撮影したデータはFTP送
信
• ハードウェアの導入コス
トは、40万円程。
まとめ・今後の計画
 NICTで開発した高感度ネットワークカメラの概要を紹介。高画質で
お手軽が特徴。現象の監視が得意。画像処理工夫すれば研究目
的の使用も可能。
 NICT製オペレーションソフトウェアは、共同研究ベースで提供可能。
 H22年6月、稚内/サロベツにカメラ設置予定。夜光雲と低緯度オー
ロラがターゲット。北海道にはVHFレーダやHFレーダも稼働しており
、他研究機関と連携も図りながら夜光雲の国内初観測を目指す。
 装置トラブルで長期停止中のアラスカオーロラライブを再開したい。
 得られたデータを様々な用途に利用するためのデータ処理ツール
の開発を進める。将来は、本システムのユーザを拡大・組織化し、リ
アルタイムデータ収集・公開システムを整備し、グローバルな宇宙
地球観測網を構築したい。
北海道での夜光雲の観測プロジェクト
昨年夏、夜光雲と呼ばれる現象がアメリ
カ本土やヨーロッパで観測され話題とな
った。夜光雲は極低温下の中間圏界面
付近(高度約80km)で氷晶が成長すること
により生成され、高緯度帯特有の現象と
考えられていたが、地球気候変動に関連
してその発生頻度や地域が拡大している
可能性がある。
北海道に設置されているHFレーダおよび
VHFレーダでは、夜光雲と同時に中緯度
で観測されることが多い夏季中間圏エコ
ー(MSE)が観測されており[小川、
2009SGEPSS秋季講演会]、北海道でも
夜光雲が出現していた可能性は高いと
考えられる。
[小川 他、「中緯度短波レーダー研究会」、2010.1.]