法 律 を わ作 たり し出 たす ち の 力 2007年度後期 くらしと法律 笹沼 朋子 2007年12月6日 第10講 権利の衝突:障害者と女性 (女 リ性 プの ロ権 ダ利 ク テ ィ ブ ・ ラ イ ツ ) 人工妊娠中絶の法的位置づけ 刑法 212条 堕胎罪 妊娠中の女子が薬物を用い、又はそ の他の方法により、堕胎したときは、 一年以下の懲役に処する。 母体保護法 14条 都道府県の区域を単位として設立さ れた社団法人たる医師会の指定する 医師(以下「指定医師」という。) は、次の各号の一に該当する者に対 して、本人及び配偶者の同意を得て、 人工妊娠中絶を行うことができる。 母 体 保 護 法 ( 平 成 八 年 ) 第1条(目的) この法律は、不妊手術及び人 工妊娠中絶に関する事項を定 めること等により、母性の生 命健康を保護することを目的 とする。 母 体 保 護 法 第十四条 都道府県の区域を単位として設立された社団 法人たる医師会の指定する医師(以下「指定 医師」という。)は、次の各号の一に該当す る者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、 人工妊娠中絶を行うことができる。 一 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由 により母体の健康を著しく害するおそれのあ るもの 二 暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは 拒絶することができない間に姦淫されて妊娠 したもの 2 前項の同意は、配偶者が知れないとき若しく はその意思を表示することができないとき又 は妊娠後に配偶者がなくなつたときには本人 の同意だけで足りる。 旧 法 ( 優 生 保 護 法 ) 第1条(目的) この法律は、優生上の見地か ら不良な子孫の出生を防止す るとともに、母性の生命健康 を保護することを目的とする。 旧 法 ( 優 生 保 護 法 ) 第14条(本文略) 一 本人又は配偶者が精神病、精神薄弱、精神病質、遺 伝性身体疾患又は遺伝性奇形を有しているもの 二 本人又は配偶者の四親等以内の血族関係にある者が 遺伝性精神病、遺伝性精神薄弱、遺伝性精神病質、 遺伝性身体疾患又は遺伝性奇形を有しているもの 三 本人又は配偶者が癩疾患に罹つているもの 四 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母 体の健康を著しく害するおそれのあるもの 五 暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶す ることができない間に姦淫されて妊娠したもの 2 (略) 3 人工妊娠中絶の手術を受ける本人が精神病者又は精神 薄弱者であるときは、精神保健法第二十条(後見人、 配偶者、親権を行う者又は扶養義務者が保護義務者 となる場合)又は同法第二十一条(市町村長が保護 義務者となる場合)に規定する保護義務者の同意を もつて本人の同意とみなすことができる。 女 性 の 立 場 ( 資 料 1 ) 女性にとっての妊娠・出産の負担 身体的負担 経済的負担 母子家庭の困難さ (平均所得225万円/H16) 社会の「母」に対する無関心 男性の女性に対する無理解 それ以上の人生!? 女性のみが罰をうける理不尽さ 障 害 者 の 声 ( 資 料 2 ) 障害者を殺すのは母親! 優生保護法の撤廃 人工妊娠中絶は、差別 女 性 と 障 害 者 (の 女接 性点 障 害 者 ) 女性障害者特有の問題 出産、こどもを持つ権利 子宮が摘出される? 「女性」の権利と通じる 優 生 保 護 法 の そ の 後 優生保護法は、1996年に改正され、 母体保護法と名前を変えた。 障害者排除の思想は、そこから一 応消えた。 生殖技術の発達で、胎児選別は、 別の形で可能になった。 刑法の堕胎罪は、なくなっていに いない。 女性たちは、母という字を使わな いように求めた。 優 生 保 護 法 の そ の 後 優生保護法の行った行為につ いて、まだ誰も謝罪はしてい ない。
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