Twilight Flat versus Self Flat

Twilight Flat
versus Self
J band dataの巻
2005-03-11
田中壱
Flat
TwilightフラットをSelfフラットで割った: chip1の場合
みごとなアノマリパターンが見える。
これは解析の違いで出てくる。Twilight Flatは、
明るい空のデータから暗い空のデータを引い
て合成している。両方のデータに同じアノマリ
パターンがあってもこの行程でキャンセルされ
る。フリンジなども安定していれば同様にキャ
ンセルされる。
しかし、セルフフラットの場合は空が平らと仮
定するため、アノマリパターンはそのままフ
ラットに内在する。
アノマリパターンは強烈に入っている事が分
かる。画像の端にある天体のフラックスは、セ
ルフフラットでは信用できない。
0.3
0.6
0.9
表示レンジは0.3-1.2。
1.2
TwilightフラットをSelfフラットで割った: chip2の場合
chip1と表示レンジが全く違う事に注意。
全体として、非常に平らで、画面全域にわたり
10%以下の違いしかない。
多少のアノマリパターンがchip2にもあるよう
だ。
よく見ると結構派手にフリンジが見えているこ
とが分かる。
Jバンドのチップ2はフリンジが出やすい。
0.93
0.98
1.00
1.03
表示レンジは0.93-1.08。
1.08
J bandでの結果
• TwilightFlatとSkyflatの違いについて、Ksバンドで見た時ほ
どにはショッキングな見かけではなく、アノマリだったり、ほと
んど見えなかったりである。これは、Ksでの迷光が熱起源だ
という事(自明かどうかは別として)を考えるとある程度予想
される結果。あるいは、MOIRCSでさえ熱迷光はこのレベル
で存在するのだと言える。
• アノマリパターンは今Twilightでは引き算で消えた事になって
いるが、これがもし割り算するべきパターンとすると、セルフ
フラットの方が「正しい」フラットと言える事に注意する。なお
CISCO、IRCSなどでは、引くべきであるとしている。
チップ2に見えるフリンジ
セルフフラットに内在しているフリンジは、
Twilightフラットで割ってはじめて見えてくる。セ
ルフフラットや生画像を漫然と見ていても、全く
存在は分からない。
青枠の付近の断面プ
ロットが次ページ
前頁のフリンジの断面を書いて
みた。横軸はx座標で、
y=1025-1100のレンジの空を
平均してコントラストを上げた。
この画像での振幅は1-2%のレ
ベル。
右はMCSA00003260.fitsだが、
生画像で見てもフリンジは全く
見えない。それでも1-2%ある。
生画像
逆に言うと、生画像で見えるレ
ベル、あるいは1枚データのレ
ベルで見えるフリンジは、相当
派手なものである可能性があ
る。