商品のソフト化 商品とは何だろう? 【商品の特性】 買い手の立場から商品をみると,人びとの欲 望を満たすこと(有用性)ができる有形財や サービスで,有償で提供されるもの。 売り手の立場からみると,他人に販売して収 益を得ること(収益性)を目的として生産さ れ,市場に流通している有形財やサービスで ある。 1 商品は,どのように多様化してきたの? ①ライフスタイルの多様化 日本経済の高度成長期には,消費者は便利で快適な生 活を送ることが目的であった。 消費者の間で価値観の違いは少なくライフスタイルの多 様化は,見られなかった。生産者は,少品種大量生産を することになる。 生産者は,テレビや新聞などの広告媒体をとおして,そ の商品情報を消費者に大量伝達するとともに,卸売業・ 小売業の発展につながった。 小売業は,同種商品を多くの消費者に販売するこ とにより消費者の満足を満たすことができた。 消費生活が豊かになり,ライフスタイルも多様化 してきた。 スポーツジムで汗を流す 趣味のゴルフを楽しむ ②消費者ニーズの多様化 消費生活が豊かになり,ライフスタイルも多様化してきた。 消費者一人ひとりが自分のライフスタイルにあった商品 を求めるようになった。その消費者ニーズに対応するた めに多品種少量生産が必要となった。 ③消費者ニーズの変化 ・より高い品質や機能の商品 ・新しい機能をもった商品 ・広告や店頭での新商品 ・流行に影響を受けたりする。 そこで,生産者は,消費者のニーズの変化に 合わせて商品の改良や新商品の開発に向けて の取り組みを行っている。 企業は,同じ目的に使用する商品であっても, その種類を増やしたり,その内容を細分化した りすることで,その品数が増えるようになった。 商品の多様化 ソフトな商品って何? ①商品のソフト化 「モノ(商品)」をもつことを生活の目的としていた「モ ノ」社会から消費者のライフスタイルに合わせて「したい 「コト(目的)」を求めるようになった。 その結果,商品に対してのニーズが多様化しそれに対応 する方向で商品開発を付加することによって多様な消費 者ニーズを満たしてくれる商品をソフトな商品という。 ②付加価値のある商品 商品の多様化 多様な商品の中からどのような商品を選択・使用 の仕方を伝える必要がある ソフト面としてのサービスや情報を必要とする。 例えば ① 商品選択の際の商品情報の提供 (カタログ・パンフレット・コマーシャル) ② 相談や苦情のへの対応・アフターサービス ③ 商品に手間をかけて簡単に消費できるサー ビスを組み込む (インスタントラーメン・冷凍食品) etc… ☆実 験☆ 【商品】 ・焼きおにぎり(冷凍食品)・ピザ(冷凍食品) ・から揚げ(冷凍食品) ・スパゲティ(冷凍食品) ・お好み焼き(冷凍食品)・カレーライス(レトルト) ・ご飯(冷凍食品) ・インスタントラーメン(カップ) 【調理・食べるときに必要なもの】 電子レンジ フォーク やかん 鍋 箸 スプーン 焼きおにぎり 実際に調理し始めた時から調理し終えるまで ①商品名 MEMO ②作業工程内容 ③作業工 程数 ④調理 時間 インスタント食品を調理し始めてから出来上がるまで ①作業工程内容 ②工程数 ③所要時間 実 験 結 インスタント食品を調理し始めてから出来上がるま で 実際に調理し始めた時から調理し終えるまで ①商品名 ②作業工程内容 焼きおに ぎり 1.米を洗う 2.米を炊く 3.ご飯をにぎる 4.醤油を塗り,味付け をする。 5.おにぎりを焼く MEMO ③作業工 程数 5 果 ④調理 時間 約1時間 半 ①作業工程内容 1.電子レンジで温める 電子レンジ 500W 約3分10秒 ②工程 数 1 ③所要 時間 約5分 商 品 名 作業工程内容 工程数 インスタント ラーメン (カップ) ・具を切る(3種類) ・スープを作る ・麺をゆでる ・スープ,麺,具を入れる ・具を入れる 7 3 から揚げ (冷凍食品) ・鶏肉(腿)を切る ・卵をとく・揚げる 5 1 ピザ (冷凍食品) ・生地にソースをぬる ・具・チーズをのせる ・具を切る(準備する) ・オーブンで焼く 4 1 お好み焼き (冷凍食品) ・具を切る(準備する) ・鉄板で焼く ・卵・具・小麦粉を混ぜる・鰹節・青海苔をのせ る 4 1 焼きおにぎり (冷凍食品) ・米を洗う・ご飯を炊く ・醤油を塗り、味付けをする ・にぎる ・おにぎりを焼く 5 1 スパゲティ (冷凍食品) ・麺をゆでる ・ミートソースを温める ・ひき肉をいためる・盛り付ける 4 1 ・卵・小麦粉をつける ・味付けする ま と め 実験のように,ソフトとしてサービスや情報を新たに商 品につけることは,新しい価値を付加することで,商品 自体の価値を高めることになる。これにより,商品の利 便性が向上し,生産者に対して消費者の信頼が増す。 消費者が 求める商品 ①消費・利用を楽しむ商品 ②手作りを楽しむ商品 ③オーダーメイドの商品
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