生体情報を利用したオンライン認証システムに関する研究 情報工学科 大山・山口・小尾研究室 学士課程4年 田中 丈登 背景・目的 インターネットの急速な普及とともに、利便性の高い生体認証をオンライン認証 に応用することが期待されている 例:通信路上の生体情報を保護する技術 オンライン上での生体認証の手法として、 ランダム位相を付加した位相限定相関に基づくチャレンジ&レスポンス型生体 認証が提案されている[1] 問題 ランダム位相を付加した手法の十分な検討が行われていない ・安全性の検証が不十分 ・認証精度が不十分 本研究の目的 認証精度の向上を目的とし、 指紋の周波数空間における特徴成分の抽出方法の検討 [1]森浩典、生体情報を利用したキャンセラブルなオンライン認証システムに関する研究、修士論文、 2007 ランダム位相を付加した位相限定相関に基づくチャレンジ&レス ポンス型生体認証 認証要求 復号化 鍵 複素数 画像 暗号化 チャレンジ&レスポンス型認証の認証シーケンス チャレンジ&レスポンス型生体認証の特徴 •Double Random Phase Encoding に基づく光暗号化手法 •位相成分のみを用いた相関演算 本人同士の場合にδ関数が出力 取組んだ課題 ノイズの影響 120 ノイズの軽減 特徴抽出 100 120 100 80 80 60 60 40 40 20 20 0 0 改良前 今回の改良手法 特徴成分の抽出による認証精度への効果の検討 指紋の周波数空間における特徴成分の抽出 •指紋の特徴成分のみを用いた手法[2]のチャレンジ&レスポンス型生体認証への適用 低周波領域の識別に寄与 する部分のみを利用 位相成分 指紋 画像 キー 画像 FFT FFT POC 特徴抽出 IFFT •円形バンドパスフィルタの利用 個人 識別 画像 × 指紋画像の周波数 (対数表示) バンドパスフィルタ [2] 田村祐介他、”指紋を鍵とした光暗号化における特徴的な空間周波数成分抽出に関する検討”、2007年電子情報通信学会総合大会 実験 •入力:指紋×キー画像 -指紋:44指×10枚(4枚:登録用、6枚:照合用) -キー画像:4桁の数値を基に生成、実数で定義 •画像サイズ:256×256[pixel] •回転範囲:±15度 •回転間隔:1度 指紋の周波数空間における特徴成分の抽出 円形バンドパスフィルタの半径:50,80,100,120,140[pixel] •本人他人判定(右図): 畳み込み結果のPSRを閾値判定し、 Equal Error Rate(EER)の値により 認証精度を評価 EER‥本人排他率(FRR)と他人 許容率(FAR)が等しくなる値 指紋の周波数空間における特徴成分の抽出の実験結果 円形バンドパスフィルタの半径 [pixel] 全画像 140 (通常手法) EER 1.7% 120 100 1.0% 0.9% 2.5% 80 50 9.1% 31.6% FRR 0.1 1 10[%] 1 100(実験値) FAR 0.1 120(実験値) 140(実験値) 全画像(実験値) 0.01 0.001[%] まとめ •指紋の周波数空間における特徴成分の抽出を行うことによって認証精度を向上 •(ランダム位相マスクの最適な解像度の算出も検討) •実験によりその有効性を示した 今後の予定 1. 安全性の検証 2. 回転にロバストな手法の検討
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