MOT勉強会 (2007/05/24) 大阪大学工学研究科 ビジネスエンジニアリング 専攻 座古研究室 修士2年 Agenda 1. 新しい成長市場を見いだす ~存在しない市場は分析できない~ 2. 組織にできること,できないことを評価 する 3. 性能の供給過剰と競争基盤の変化 新しい成長市場を見いだす • 持続的技術と破壊的技術の市場予測 – 持続的技術の市場予測方法で破壊的技術を予測で きない(P200) • HPのキティホーク – PDA市場を見据えていた→20MB,耐久性,250ド ル – 市場はデジカメ,スキャナー,家庭用ゲーム機 • ホンダのオートバイ – アメリカ→長距離用:大きさ,馬力,スピード – スーパーカブ→レクリエーション用のオフロード バイク – バリューチェーンの変更→スポーツ用品店 新しい成長市場を見いだす • アイデアの失敗と事業の失敗 – 試行錯誤を繰り返して正しい戦略を見つける必要 性 • アイデアの失敗とマネージャーの失敗 – 市場がないために失敗する可能性のある事業を支 持できない→破壊的技術の性質 • 発見志向の計画 – 仮定を立て,事業計画や目標を立てる – 仮定の是非を確認し,変更する(資源を残してお く) • 不可知論的マーケティング – 使ってみるまで,企業にも顧客にも分からない 組織にできることできないことを評価 する • 組織の能力の枠組み – 資源 人材,設備,技術,ブランド力など – プロセス 資源を価値の高い商品にアウトプットするときの過程 ある特定の業務の効率良く行うためのプロセスは他の業務 にたいする無能力を示し,本質的に変化しにくい – 価値基準 仕事の優先順位を決めるときの基準 ベンチャーが成長し,大企業になることで変化する 合併などで規模が拡大することはイノベーションに対する 無能力の要因になる 組織にできることできないことを評価 する • 能力の移行 – 組織の規模に従って能力の中心が変化する 組織の規模 破壊的イノベーション 大 持続的イノベーション 変化の難しさ 大 文化 明確なプロセス,事業モデルの形成,価値基準 企業として成功するかどうかの境目 資源 小 数人のキーパーソン,創業者,アイデア 小 組織にできることできないことを評価 する • 変化に対応する能力を生み出すための選択肢 1. 新しい仕事に適したプロセスと価値基準を持った別 の組織を買収する - 買収企業の成功の源がプロセスや価値基準なのかどうか - そうならば,親会社に統合すべきではない 2. 現在の組織のプロセスと価値基準を変えようと試み る - 時代遅れのプロセスに最先端の資源を投入しても成果は出な い - プロセスは目的ごとに異なる 3. 独立した別組織を新設し,その中で新しい問題を解 決するために必要な新しいプロセスと価値基準を育 組織にできることできないことを評価 する • 破壊的技術のモデルは相対的な理論 – ある企業にとって破壊的なものが他の企業にとっては持続的 インターネットによるコンピュータの販売,受注 破壊的 持続的 DELL IBM,HP インターネットによる株取引 持続的 アメリカントレー ド 破壊的 メリルリンチ 性能の供給過剰と競争基盤の変化 ①ある性能に対する需要が飽和状態になる ②まだ市場の性能を満たしていない性能指標が評価され る • ある特性に対して求められる性能レベルが達成される と,それに対して価格プレミアムを支払わなくなる →市場の飽和 全ての性能に対して市場の需要を満たすと,価格競争 となり,特徴と機能はその違いに意味が無くなる (P249,253) 性能の供給過剰と製品競争の進化 • 性能の供給過剰により,製品の選択基準は変化する ① ② ③ ④ 機能 信頼性 利便性 価格 • 破壊的技術のその他の一貫した性質 ① 破壊的技術の弱みは強みでもある その技術の性質を評価し,受け入れる市場を見つける必要がある (ソニーのトランジスタラジオ P258) ② 破壊的技術は確立された技術より単純,低価格,高信頼性, 便利 実績のある企業は,最初の破壊的製品に余計な機能を付ける (キティホークディスクドライブ) 性能の供給過剰と製品競争の進化 インシュリンの製品ライフサイクルにおける性能の供給 過剰 “イーライ・リリー“ 世界最大のインシュリンメーカー • 牛や豚の膵臓から抽出するため,インシュリンの純度が重要な性 能指標 • 顧客は純度の高いヒューマリンに対して価格プレミアムを払わな かった • 最大の顧客:糖尿病治療を行う内分泌科医 •“ノボ“ 彼らの関心は,「病状が進んで直りにくい患者」 小規模なデンマークのインシュリンメーカー • • • 煩わしいインシュリンの注射を簡単にしたノボペン 便利さという指標から,インシュリン1単位につき30%の価格プ レミアム このノボペンによって,インシュリン市場でのシェアを拡大 性能の供給過剰と製品競争の進化 製品競争の進化のマネジメント 戦略1:持続的技術の奇跡に沿ってさらに上層の市場へ 破壊的アプローチが出現したら,下位市場をあき らめる (一般的な企業) 戦略2: 顧客のニーズに合わせてゆっくり進化し, 変化の波に上 手く乗る (コンパック) 戦略3: 技術が供給する性能の向上を顧客が求める ようにしむ ける方法 (マイクロソフト,インテル) ディスカッション • インシュリンのケースの場合,‘機能’→‘利便性’と変化し たが,‘信頼性’という指標には移らなかったのか – 医療品であるため,信頼性は十分実証して製品になる • 戦略3をとっている企業はコンピュータ業界以外にある か • ある企業にとっては破壊的である企業にとっては持続的 な例はあるか • プロセスと価値基準の違いは? スケジュール 5月 6月 7月 第 6 回 勉 強 会 第 7 回 勉 強 会 4 , 5 , 6 章 7 , 8 , 9 章 電 気 自 動 車 章 ? イ ノ ベ シ ョ ン の 収 益 化 ? 事 例 研 究 第 8 回 勉 強 会 第 9 回 勉 強 会 第 10 回 勉 強 会 10月 第 11 回 勉 強 会 第 12 回 勉 強 会 発 表 会 ア ウ ト プ ッ ト ) 第 5 回 勉 強 会 9月 ( 第 4 回 勉 強 会 ー 第 3 回 勉 強 会 8月
© Copyright 2024 ExpyDoc