埋立層みずみちの影響とその対策

埋立層みずみちの影響とその対策
福岡大学大学院 樋口 壯太郎
2006年5月25日 CP会
最終処分場のライフ
廃 止
廃止基準と安定化
• 廃止基準:浸出水、沈下、ガス、温度・・・・
• 廃止基準の課題:みずみちによる見かけの
安定化???
• 真の安定化:「限りなく土壌に近い状態」(田中)
• みずみち対策
水質
廃止阻害要因
BOD
難分解性有機物
COD
廃止長期化の原因
 浸出水中のCOD、N成分の長期流出
(自治体アンケート結果)
COD発生要因
 直接埋立処分された
有機汚泥等高分子有機物の存在
 有機物分解残渣(生物難分解性
有機物)の残存
 「水みち」の存在→見掛けの安定化
 「宙水」の存在→水封による嫌気化
NH4+‐N
経過年数
みずみち・宙水回避対策
• 埋立前処理(みずみちや宙水ができても支障のない方法)
洗浄による汚濁物質除去
選別(細粒分の分離)
固化(無機性汚泥・細粒分等)
日本版MBP
• みずみち・宙水の回避
覆土材の選定(透水性の高い材料)
ジオ・シンセテイックス等覆土代替材の活用
スケルトン物質の組み込み埋立
薄層多重埋立等
• 埋立後処理(既設埋立地)
好気性工法(バイオプースター、スメルウエル他)
ケミカルオキシデーション法(H2O2・O3他)
上記組み合わせ
洗浄効果とみずみち確認実験
(WOWシステム研究会)
降雨
降雨
降雨
イジェクタ
温度計
洗浄灰
スパイラル
温度計
洗浄灰
人工散水
覆土
非洗浄
灰
温度計
No.0
No.4
浸出水
浸出水
No.6
浸出水
採水・分析
非洗浄
灰
No.4
浸出水
温度計
ライシメータ充填状況
種類
(単位)
No.0
非洗浄灰
No.4
イジェクタ洗浄
灰
No.6
スパイラル洗浄
灰
No.7
人工散水
(非洗浄灰)
みずみち確認
充填体積
(m3)
0.759
充填重量
(kg)
1160
充填密度
(t/m3)
1.53
0.694
999
1.43
0.773
1.279
876
1710
1.13
1.34
ライシメータ充填灰の成分
非洗浄灰 イジェクタ洗浄灰 スパイラル洗浄灰 スパイラル洗
(N o.0)
(N o.4)
(N o.7)
浄原灰(参考)
水分
%
26.1
22.9
37.8
26.0
灼熱減量
%
6.8
3.3
2.9
6.2
Pb
m g/kg
960
580
123
192
Cu
m g/kg
38,600
1,910
6,690
1,850
Zn
m g/kg
13,800
3,410
3,060
2,690
Cr
m g/kg
124
76
142
78
Fe
m g/kg
55,400
57,600
7,060
4,280
Mn
m g/kg
4,380
728
740
432
Na
m g/kg
18,900
5,150
6,590
6,710
K
m g/kg
12,100
6,200
7,840
9,280
Ca
m g/kg
8,380
5,740
9,210
6,780
Mg
m g/kg
8,340
7,780
10,500
9,160
Al
m g/kg
44,200
47,200
44,400
41,000
Cl
m g/kg
16,500
2,140
644
5,440
DXNs ng-TEQ /kg 1.10
0.49
0.0074
0.032
項目
単位
2,500
非洗浄灰
イジェクタ洗浄灰
スパイラル洗浄灰
2,000
BOD
1,500
1,000
500
COD
0
0
200
400
600
1,400
02/11/27
03/6/15
04/1/1
04/7/19
1,200
経過日数
05/2/4
非洗浄灰
イジェクタ洗浄灰
スパイラル洗浄灰
COD
1,000
800
800
600
400
200
0
0
200
400
600
800
経過日数
T-N
700
非洗浄灰
イジェクタ洗浄灰
スパイラル洗浄灰
600
500
400
300
200
100
0
0
200
400
600
800
02/11/27
03/6/15
04/1/1
04/7/19
05/2/4
経過日数
35,000
30,000
非洗浄灰
イジェクタ洗浄灰
スパイラル洗浄灰
Cl(塩素イオン)
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
EC(電気伝導度)
0
8,000
0
200
400
02/11/27
7,000
03/6/15
04/1/1
600
04/7/19
Ec(電気伝導度)
800
経過日数
800
経過日数
非洗浄灰
05/2/4
イジェクタ洗浄灰
スパイラル洗浄灰
6,000
(ms/cm)
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
0
200
400
600
Ca
8,000
非洗浄灰
イジェクタ洗浄灰
スパイラル洗浄灰
7,000
6,000
5,000
層内固結、みず
みち形成の恐れ
4,000
3,000
2,000
1,000
0
0
200
400
600
800
02/11/27
03/6/15
04/1/1
04/7/19
05/2/4
経過日数
700
600
500
非洗浄灰
イジェクタ洗浄灰
スパイラル洗浄灰
SS
400
300
200
Pb(鉛)
100
2.00
0
02/11/27
200
400
03/6/15
04/1/1
1.5
600
非洗浄灰 800 経過日数
04/7/19
05/2/4
イジェクタ洗浄灰
スパイラル洗浄灰
Pb
1.0
0.5
0.0
0
200
400
600
800 経過日数
みずみち確認ライシメータの概要
蓋
データロガへ
散水ノズル(
園芸用)
水道メータ
非洗浄灰
550
水分計
400
上部及び下部は中心に1カ所
中間部は5カ所
270
1770mm
2100mm
550
玉砂利及び園芸用砂利
砂利
850mm□
No7ライシメータ散水装置
• 散水量:毎日40mmの降雨に相当する量
• 散水時間:AM10:00、PM4:00 各30分間(2回/日)
ライシメータ内部比抵抗
8
7
電圧(相対比抵抗値)
6
中層-3
中層-4
5
上層
下層
中層-5
下層
4
中層-1
中層-2
3
中層-1
中層-3
中層-2
2
中層-4
中層-5
1
上層
0
0
100
200
300
400
500
600
700
03/4/25
03/8/3
03/11/11
04/2/19
04/5/29
04/9/6
04/12/15
800 経過日数
05/3/25
比抵抗値から推察されるみずみちイメージ
散水
未浸透部
埋立地の洗い出し効果は埋立層の上層から順
次行われるが、必ずしも均等に洗い出しが進行
しない偏流があることがわかった。→みずみち
の存在の示唆
解体、組成分析による安定化の確認
ジオネットによるみずみち解消
即日覆土
Skeleton
縦渠によるみずみち軽減
瓦礫を投入する
吊り上げる
瓦礫を投入する
早期安定化促進技術(後処理)
強制通気法
内部貯留曝気法
内部貯留水位変動法
ケミカルオキシデーション法
強制的好気工法による
悪臭除去、有機物分解
(バイオプースター・ス
メルウエル・ハイブリッ
ドタイプ・・・・・)
バイオプースター実証(神奈川)
スメルウエルおよびその変法悪臭安定化
 安定化の目的 : 掘削過程で発生する悪臭及びメタンガスによる爆発を防止する。
装置設置
安定化配管設置
安定化運転
掘削・移送
 週間単位 (5-6日)で 運転、掘削工程 (深さ3m) と連携して深度別安定化適用
安定化工
Container
吸気
매립가스
청
정
공기
送気
외부 공기
キャッピング
악취 발산 차단
Biofilter
공
정화된 공기
기
기 안정화층(필터층)
Suction
Injection Compressor
Station
Station
Injection
Extraction
ケミカルオキシデーション法
• 本来、汚染土壌浄化技術であり、欧米で有機塩素化合物汚染土壌や油
汚染土壌の浄化に対して実績あり。
• 汚染源に薬剤(過マンガン酸塩、過酸化水素、過硫酸塩、オゾン等)を注入
し、汚染物質を直接酸化・無害化する。
酸化剤循環
酸化剤注入
ケミカルオキシデーション法大型槽実証試験
No.2槽
ケミカルオキシデーション
散水開始197および324日目、2.3kg-H2O2/m3-廃棄物、
0.7kg-リン酸/m3-廃棄物
No.3槽
ケミカルオキシデーション+強制通気
散水開始106日目、 4.7L-空気/min/m3-廃棄物
散水開始197および324日目、2.3kg-H2O2/m3-廃棄物、
0.7kg-リン酸/m3-廃棄物
No.4槽
強制通気
散水開始106日目、 4.7L-空気/min/m3-廃棄物
No.5槽
コントロール
処理水質結果 COD
2,000
COD
No.2槽 酸化剤
散水量増加
No.4槽 強制通気
1,600
COD [mg/L]
No.3槽 酸化剤+強制通気
強制通気開始
No.5槽 コントロール
酸化剤添加
1,200
散水量減少
800
酸化剤添加
400
浸出水確認
散水開始
0
04/12/27 05/2/27 05/4/30
05/7/1
05/9/1
05/11/2
06/1/3
06/3/6
処理水質結果 COD
500
No.2槽 酸化剤
COD
No.3槽 酸化剤+強制通気
散水量減少
No.4槽 強制通気
400
COD [mg/L]
酸化剤添加
No.5槽 コントロール
300
200
100
0
05/6/1
酸化剤添加
05/8/2
05/10/3
05/12/4
06/2/4
06/4/7
処理水質結果 TOC
500
No.2槽 酸化剤
TO C
散水量減少
No.3槽 酸化剤+強制通気
No.4槽 強制通気
400
TOC [mg/L]
酸化剤添加
No.5槽 コントロール
300
200
100
酸化剤添加
0
05/6/1
05/8/2
05/10/3
05/12/4
06/2/4
06/4/7
処理水質結果 T-N
1,200
T-N
No.2槽 酸化剤
散水量増加
No.3槽 酸化剤+強制通気
1,000
No.4槽 強制通気
T-N [mg/L]
強制通気開始
800
No.5槽 コントロール
酸化剤添加
散水量減少
600
400
200
酸化剤添加
浸出水確認
散水開始
0
04/12/27 05/2/27 05/4/30
05/7/1
05/9/1
05/11/2
06/1/3
06/3/6
処理水質結果 T-N
500
T-N
No.2槽 酸化剤
酸化剤添加
散水量減少
No.3槽 酸化剤+強制通気
No.4槽 強制通気
400
T-N [mg/L]
酸化剤添加
No.5槽 コントロール
300
200
100
0
05/6/1
05/8/2
05/10/3
05/12/4
06/2/4
06/4/7
処理水質結果 NH4-N
500
No.2槽 酸化剤
N H 4-N
酸化剤添加
No.3槽 酸化剤+強制通気
散水量減少
No.4槽 強制通気
NH 4-N [mg/L]
400
No.5槽 コントロール
酸化剤添加
300
200
100
0
05/6/1
05/8/2
05/10/3
05/12/4
06/2/4
06/4/7
北九州市環境局環境産業政策室
環境未来技術開発助成事業
14
平成18年4月26日
処理水質結果 NO3-N
100
N O 3-N
酸化剤添加
No.2槽 酸化剤
散水量減少
No.3槽 酸化剤+強制通気
No.4槽 強制通気
NO 3-N [mg/L]
80
No.5槽 コントロール
60
酸化剤添加
40
20
0
05/6/1
05/8/2
05/10/3
05/12/4
06/2/4
06/4/7
ケミカルオキシデーション法(オゾン水)の事例
(48℃以上)
下流側からのアングル
熱源調査
オゾン発生装置と溶解槽
48度以上の高温熱源帯(深度10~30m)
オゾン処理水注入状況
お わ り
Thank you!