研究発表(平成24年1月26日)

平成22・23年度
草加市教育委員会委嘱
「草加っ子の基礎・基本に係わる研究」
研究主題
「確かな学力の向上を目指して」 ~個を生かした指導の工夫~
平成24年1月26日(木)
草加市立栄中学校
学校教育目標
• 自ら学び考え行動できる生徒
• 豊かな心で互いに協力できる生徒
• 健康で気力と体力のある生徒
研究主題設定の理由
本校では、平成22年度から草加市教育委員会より教育研究奨励校として「草加っ
子の基礎・基本」に係わる研究委嘱を受け、生徒一人ひとりの基礎学力の定着を
目指した実践に取り組んでいる。研究を続ける中で、教育に関する3つの達成目
標の検証結果から、「読むこと」「計算すること」についてはおおむね定着している
ものの、「思考力」「判断力」などの応用力を生かした学習の定着が不十分である
という生徒の実態が明らかになった。
また、生徒の自己評価結果から、授業で「新しい発見をした」「先生やクラスの人に
認められた」という経験を持つ生徒が半数しかいない現状もわかった。
そこで、新学習指導要領のねらいや目標の実現に向けて、心の教育に力を入
れるとともに確かな学力の育成に焦点を絞ることにした。個々の生徒がもってい
るよさを教師が引き出し、「鍛えぬく」指導を展開することによって基礎力を定着さ
せ、個を生かした指導を一層充実させることが肝
要だと考え、本主題を設定した。
個を生かした指導をより一層、充実させる
①基礎的・基本的な内容の確実な定着を図る
②生徒一人ひとりの学ぶ学習意欲を高め、課題を発見し、考え、深めることができる
③生徒一人ひとりが自分のよさに気づき、自ら学び、判断し行動できる
④生徒一人ひとりが問題を解決する資質や能力を伸ばす
個性を生かす教育の中で、未来をたくましく生きる人間の育成
自ら考え行動できる生徒・心豊かで互いに協力し合う生徒・健康で気力と体力のある生徒
「生きる力」をはぐくむ
研究主題に迫る手だて
確かな学力〈3つの達成目標 学力〉
「草加っ子の基礎・基本」
個を生かす指導の工夫
学
力
体
力
草加っ子ステップアッププラン
・わかる授業の工夫
・学習課題の工夫
・内発的な動機づけ
・評価支援の工夫
・指導課程や学習形態の工夫
校
目指す生徒像
訓
・体力づくり活
動
・運動部活動の
充実
・自 主
家庭・地域連携
規律ある態度
生徒指導
キャリア教育
家庭教育
・・問題意識を持っ
て
授業に臨む姿勢
の
育成
・将来を見据えた学
びの充実
・自
律
・親
・家庭、地域の協力
と支援
・「さかえ農園」
・学校応援団
・人材バンクの活用
和
・協
力
(さ)爽やかなあいさつ (か)輝く笑顔 (え)英気あふれる 栄中
各研究部における研修課題
学力部
「基礎・基本の定着」、「授業の約束の確立」草加っ
子ステップアッププラン・漢字、計算、英単語の定期
的テスト
体力部
「運動に親しむ姿勢の育成」「運動の楽しさや必要性
を知り、健康な体をつくる」・体力づくり活動
規律ある態度部
「生活規律(時間、服装、学び方)の定着」・月別目標
の徹底 ・登下校指導
地域連携部
「積極的な学校情報の提供と、学校・家庭・地域が連
携した教育活動の推進」・学校応援団 ・メッセン
ジャーによる学校だよりの配布 ・ホームページの
更新
国語○基礎・基本の定着を図り、伝え合う力を高め言語感覚を
豊かにする指導の展開を目指す
社会○基礎・基本を身につけさせ、 社会を生きる力を育てる~生
徒の主体的な学習を促す 指導の工夫~
数学○基礎・基本を生かした「わかる授業」を目指す
理科○楽しくわかりやすい観察実験の工夫を図る・生徒が興味、関
心を引くような導入の工夫を図る・観察、実験の少人数化と教材
教具の工夫を図る
音楽○生徒一人ひとりの個性を生かし、生徒主体の活動を大切に
する授業を目指す
美術○創造活動の喜びを味わわせる授業の工夫を図る・アイデア
スケッチの活用・意図的な表現への支援
保健体育○自己の課題を持ち、主体的に学習に取り組み、体力向
上を図る授業を目指す
技術家庭○生徒のよさや可能性を生かす指導の創造を図る
英語○個を生かした学習指導方法の確立を目指す
特別支援 ○個に応じた指導の工夫を図る
学力部
基礎・基本の定着を図る。
(1)「授業の約束」の徹底
(2)各学年で3教科の基礎学力テストの実施
(3)定期テスト前、長期休業中の補習学習
(4)各教科のわかる授業の実践
<成果>
・授業の約束の取り組みでは、生徒会との協力や教師の3分前行動を継続的にとり
くむことによりチャイム着席、正しい服装や早めの準備は生徒の意識も高まり、
習慣
化され定着しつつある。
・各学年で3教科の漢字テスト、計算テスト、スペリングテストを計画的に取り組
ん
だことにより基礎的基本的な内容の定着が見られた。賞を授与したり、学年だ
よりに
掲載することで次に向けての意欲づけにもなった。
・定期テストの計画や補習学習をすることで、意欲も高まり熱心に学習する生徒が
増えた。
・各教科とも課題に向け日々実践することで、個を生かした授業の工夫ができた。
<課題>
・チャイム席、服装、早めの準備は定着しつつあるが、『元気にあいさつ』はまだ
まだ不十分である。3教科の漢字テスト、計算テスト、スペリングテストでは、
基礎学
力に欠けている生徒は、意識も低く毎回の授業で取り組んでいるもののな
かなか定
着させることができなかった。
・各教科とも課題に向け、日々実践・継続する。
・家庭学習への働きかけがあまりできなかったので今後どのように働きかけていく
かが課題である。
体力部
・運動に親しむ姿勢の育成
・運動の楽しさや必要性を知り、健康な体をつくる
1)体力づくり活動
<活動のねらい>
①簡易な運動を実践することによって、徐々に運動に親しむ姿勢を育成する。
②様々な運動を経験させることによって、生涯体育・スポーツの精神を育成す
る。
③運動の楽しさや効果を知り、その必要性に気づくきっかけとする。
<活動の内容>
・2ヶ月に1回、20分間の運動を実施する。
・大縄跳び、ダブルダッチ、早足ウォーキングのうち1種目を学年単位で行う。
・20分間継続して運動をすれば達成可能な目標値を提示し、目標達成に向け
て個人、グループ、クラスで取り組む。
(
(2)運動部活動の充実
<活動のねらい>
①望ましい心身の発達を図り、体力向上と健康の
保持増進を目指す。
②目標に向かって互いに協力することで、集団とし
ての社会性を育成する。
(2)むし歯ゼロキャンペーン
「運動部活動の加入率」
(3)残菜ゼロキャンペーン
[成果]
楽しく体力づくり活動に親しんでいる生徒が多く見られ、おおむねそのねらいは達成
できたを思われる。今回は20分間の継続した運動に取り組んだ。その時間内で達成可能
な目標値は、運動が苦手な生徒にとって心身の負担が少なく、気軽に取り組めるものであ
った。更に、自分
のペースで無理なくできる内容であったため、生涯スポーツに向けた運動への関わり方
が実践
できた。また、むし歯ゼロキャンペーンや残菜ゼロキャンペーンによって、自分の体や食
習慣
を見直すことができ、健康な体づくりのきっかけをつくることができた。
[課題]
体力づくり活動では、更に意欲的に活動する姿勢を育成するために、目標値を個人
設定にしていくことを検討し、種目についても多種多様なものを開発していきたい。むし歯
ゼロキャンペーンや残菜ゼロキャンペーンについても更に指導を強化していきたい。
規律ある態度部
「生活規律(時間・服装・学び方)の定着」
規律ある態度部は、 研究主題「確かな学力の向上」~個を生かした指導の工夫~
に迫るために、生徒個々が学習に取り組む基盤となる規則正しい生活態度の育成と、学
ぶ場としてふさわしい学校・学級・学習環境の構築が重要であるという観点から、二つ
の事柄について重点的に取り組むこと
とした。
(1)学習に取り組む基盤となる規則
規則正しい生活態度の育成
学校・学級学習環境の構築
学力の向上
正しい生活態度の育成
(2)学ぶ場としてふさわしい学校・
学級・学習環境の構築
(1)学習に取り組む基盤となる規則正しい生活態度の育成
(2)学ぶ場としてふさわしい学校・学級・学習環境の構築
〈 成 果 〉
○登下校指導を充実させたことによって、また、今日も生徒が「おはよう」の一言を
待ってくれているようにすら感じることができるようになった。生徒と相対する姿勢
に教師としても自覚が高まった。
○挨拶の励行を全校あげて取り組んでいるため、生徒一人一人が自然に気持ちのよい
あいさつを習慣として身につけることができた。
○他学年であっても、教師個々が、生徒一人一人の心に寄り添うことができるように
なってきた。
○朝の会の定着によって、一呼吸置き、落ち着いてその日の見通しを立て、次の活動
に移ることができるようになった。
○1日の流れの提示によって、生活の流れや注意点が明確になり、具体性を持って生
徒が取り組むことができるようになってきた。
○チャイム着席に対する教師の意識の改革によって、生徒も心身共に授業に取り組む
準備が整い、授業への導入がスムーズになり、学力の向上の一因となった。
○教室の整理整頓等の徹底の成果によって、巡回指導しやすい状況になったという意
見も多く寄せられている。
〈 課 題 〉
○登下校指導における成果は大きいが、勤務時間との兼ね合いやその他様々な要因も
あり、限られた教師が立つという現状も否めない。対策として、各学年で当番制も試
みてはいるが、定着しないところであり、数多くの教師が見届けることができるよう
な環境を検討していきたい。
○授業の始まりはチャイム着席という形で定着しつつあるが、授業の終了もチャイム
で終えられるよう、指導者として徹底していく必要がありそうである。
○日頃より、生徒一人一人に目を配る意識の高揚については、生徒指導部会や学年会
で共通理解を図っているところではあるが、教師個々のより一層きめ細かい指導が不
可欠である。
家庭・地域連携部
積極的な学校情報の提供
と学校・家庭・地域が連携した教育活動の推進
(1)学校情報の発信を工夫する
(2)地域との相互交流を活発にする
(3)生徒主体の活動とPTAの援助活動
(4)学校応援団の活用
・フェスタ
・クリ-ン栄中
・学校行事
相
互
交
流
情
報
提
供
親善大使
メッセンジャ-
地
域
・
社
会
家
庭
の
協
力
生徒会
ボランティア部
吹奏楽、水泳部
〈地域のイベントへの参加要請〉
・夏祭り ・敬老会 ・資源回収
・樹木プレ-トの設置
・地域でコンサ-ト
わが町の
学校
卒業した
学校
・自治会の協力
協力 と 理解
・ご近所の協力
[成果]
・ボランティア部が中心となり、学校近隣の住宅に「学校だより」を継続して届けてい
る。
・生徒会やボランティア部が中心となって進めている松原地区社会福祉協議会主
催の敬老会の 運営が軌道に乗ってきた。
・商店街での吹奏楽部による演奏を実施し、地域との連携が深まり「社会体験学
習」での 連携が生まれた。
・PTAの協力を得て、資源回収や除草活動を地域に活動日を発信し協力が得られ
た。
・2年生が中心となり、団地内の樹木プレートの設置を、自治会の方々と一緒に活
動する ことができた。
・地域講演会を通して、本校の開校当時のようすや団地の自然環境について、直
接学ぶこ とができた。
・学校応援団の活躍により、地域の方々や学生ボランティアと複数で生徒の指導に
あたる ことができた。
[課題]
・より多くの場面で、学校応援団の活用を充実させたい。
・今後も継続して、地域との連携を深め学校が核となったコミュニティの構築を図っ
てい きたい。
・定期的にホームページの更新を行い、情報提供に努めたい。
おわりに
本校では、研究主題を「確かな学力の向上を目指して ~個を生かした指導の工夫~」と題し、3年計
画で研究を進めてまいりました。また、本年度は草加市教育委員会より「草加っ子の基礎・基本に係わる
研究」の研究委嘱をいただいたことと、3年間の研究の集大成として「学力の基礎基本」、「確かな学力の
定着」を図るため、「個を生かす」をキーワードに研究に取り組んでまいりました。
来年度からの新学習指導要領の完全実施をひかえ、この間、「個を生かす指導の改善」を進めるにあた
り、授業規律の確立や体力向上の推進をベースに家庭・地域と連携を図りながら、学力の基礎・基本の定
着を目指してきました。
最後に、研究推進の為の3つの柱を立てて、今後の研究の指針にしてまいります。
一つ目は、各教科で、工夫した個を生かす指導の実践です。
「教材開発」や「評価の工夫」について教科会を随時開き、実践していきます。
二つ目は、少人数指導の実践です。
数学科、英語科では、「基礎定着」「発展問題」のグループを設定し、取り組んでいきます。
三つ目は、ティームティーチングを生かしたきめ細かい指導です。
英語科、数学科、理科、特別支援教育で実践していきます。
今後も研修推進においては、日頃の教育活動の成果を上げるために、普段着の研修を邁進してまいり
ます。今までご指導賜りました草加市教育委員会の先生方並びに諸先生方に深く感謝申し上げますととも
に、今後もご指導を賜りますようお願い申し上げます。
ありがとうございました