仮想基準点方式について 2001年11月1日 (社)日本測量協会 吉村愛一郎 1 1.仮想基準点方式とは 2.仮想基準点方式の実験 3.仮想基準点方式の今後 2 1.仮想基準点方式とは 3 仮想基準点方式の名称 Calgary Univ. DXアンテナ社 MULTI-REFERENCE STATION(MultiRef) Geo++ G.m.b.H.、 三菱電機社 REFERENZNETZ(REFERENCE-NET) Terrasat G.m.b.H. トリンブル社 VIRTUAL REFERENCE STATION (VRS) 4 既 存 の RTK 基準受信機、通信設備の準備が必要 電子基準点利用では、 平均間隔25 km (日本) 遠距離では精度、初期化時間劣化 現在の一般RTKソフトウェア 1周波数測位計算 L2はバイアス決定にのみ使用 5 仮想基準点方式の概念 6 仮想基準点方式の目的 参照基準点を共有、共用 複数の電子基準点等 広域で均等な精度、初期化時間 RTK-GPSを主目的(OTF使用) 7 仮想基準点方式の利点 冗長性 参照基準点の準備不要 データ通信回線の確保 広域で(1周波数解析)cm精度測位 初期化の高速化、確実性 電離層、対流圏遅延の補正 8 その代わり仮想基準点方式では 計算センターの基盤整備 運営経費、通信経費 精度管理と再計算の利便性 仮想観測量保存に工夫が必要 システムの信頼性確保 実基準点座標の変動 9 利用者へのデータ伝送 データ内容 仮想観測量そのもの 在来のRTK受信機そのまま または、計算のためのパラメーター ローバー側で仮想観測量作成 伝送方法 携帯電話(往復通信) 放送方式(片道通信) 日本ではTV電波に相乗り 10 各種の仮想基準点方式、 原理 ローバー単独測位座標の点を仮想点 予め格子点を設定 あまり使われていない 周辺実基準点の観測量をもとに 仮想観測量を推定作成 伝搬遅延、整数値バイアスの処理 11 仮想観測量とは? 観測量 搬送波位相、 または擬似距離 M この平面を定義す る定数がFKP ΨB 南北方向 X B L ΨV ΨA V 仮想基準点 R ローバー この基線でローバー の位置を計算する。 N ΨC C A 12 東西方向 仮想観測量の作成 実基準点2周波データ(コード、搬送波) 使用 衛星、局ごとのバイアス揃え 電離層、対流圏遅延推定 衛星、受信機時計誤差推定 衛星位置(と実基準点位置)推定 L1、L2それぞれの補正値を推定 仮想観測量の作成 搬送波位相、擬似距離 13 仮想基準点方式の問題点、利点 複数基準点により冗長性大 電離層不均一の影響は不可避 太陽活動極大期の昼間に問題 広域対流圏遅延の補正可能 局所的対流圏異常の影響は在来 GPS測量と同等 14 電離層不均一の影響 こ の距離は数100 km も ある こ と に注意 電離層 電離層 不均一 約250 km こ の距離を短く ( 長く ) 測定し てし ま う 。 電子基準点 ロ ーバー 水平位置、 高さ に 誤り を生じ る 。 15 2.仮想基準点方式の実験 16 実験の内容 ・電子基準点から50km以上の距離でcm、 リアルタイム測位の実証実験 ・民間の技術開発促進のため、実験参加者 に電子基準点データ提供 ・関東地方10点の電子基準点 17 広域網 18 仮 想 基 準 点 シ ス テ ム 19 国土地理院の仮想基準点システム 20 実験風景(印旛沼地区) 21 経度、緯度分布の例(1) GEO++ FKP GEO++ VRS Inbanuma, 2000-12-21 Inbanuma, 2000-12-21 △Lat. (cm) △Lat. (cm) 2 4 2 0 0 -2 -2 -2 0 △Long. (cm) 2 -2 0 2 △Long. (cm) 22 経度、緯度分布の例(2) GEO++, FKP GEO++, FKP Inbanuma, 2001-2-14AM △Lat. (cm) Inbanuma, 2001-2-13, 14 パラメーター変更 4 △Lat. (cm) 全データ 8 6 4 2 2 0 -2 -4 0 -6 0 2 △Long. (cm) 4 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 △Long. (cm) 23 高さの残差の時系列 GEO++ FKP GEO++ VRS Inbanuma, 12-21' 00 Inbanuma, 12-21'00 △Height (cm) Height (cm) 2 2 0 0 -2 -2 -4 -4 -6 -6 -8 -8 14:30 15:00 15:30 観測時刻 JST 16:00 16:30 14:30 15:00 15:30 16:00 16:30 観測時刻 JST 24 電離層日変化の一例 Ionosphere, Fof2 19日 20日 21日 Fof2 MHz 14 12 10 8 6 4 2 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 2000-12-19=22, JST 18:00 20:00 22:00 0:00 25 実験のまとめ 本仮想基準点方式は、基本的には cm精度の能力を有する。 本実験期間は、結果が一様でなかった。 一様でない原因は電離層にあるらしい。 26 3.仮想基準点方式の今後 27 仮想基準点方式の今後 比較的少ない数の電子基準点により 均一な測位サービスが可能 L2、C/A コード、L5 により初期化改善 RTKでは1周波数解析が今後も主流 グロナス、ガリレオは初期化改善に寄与 測位精度への寄与は少ない 仮想基準点方式の重要性は増加 電子基準点の座標変動考慮が必要 28 仮想基準点方式の実用化実験 期 間 2001年11月~2002年3月 内 容 仮想基準点方式の実用化に向けた 実験 29 2002年?月~ 実用化 公共測量、土木・建設工事等 30 31 END 32
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