大学におけるMLA連携とは

日本図書館研究会 大学書図書館研究グループ 研究例会
公文書管理法が
大学図書館にあたえる影響
ー具体的スキームに向けてー
2011年1月29日
京都府立総合資料館 福島幸宏
[email protected]
twitterID:archivist_kyoto
本報告の構成
1.アーカイブズの多様な意味
2.公文書館的機能とは
3.大学図書館での可能性
4.展望-大学におけるMLA連携とは-
一般用語としてのアーカイブズ
組織アーカイブズ/収集アーカイブズ
アーカイブズ機関/アーカイブズ機能
・一般用語としてのアーカイブズ:収集して保管する/コレクション
・収集アーカイブズ:地域資料、古文書、博物資料/A機関以外にも
・組織アーカイブズ
:選別の主体が課題に:アーカイブズ機関から原課に
・アーカイブズ機関
:機関数・職員数・資格/圧倒的な不在
・アーカイブズ機能
:存在告知・情報制限・保存と共有
公文書館的機能
アーカイブズ機能の検討素材として
・共通認識の形成のため
+業界全体への危機感から
・全史料協調査・研究委員会での議論
→ 改善のために評価する/「事業」がなくても
・同時に公文書館設置は目標到達ではない
業績評価(利用者数)ではなく、政策を評価
公文書館機能の
自己点検・評価指標(試論)1
ミニマムモデル(※すべてクリアされることが要件)
基本事項
業務の規定/業務状況の公開
保存・管理
収集対象の広がり/選別基準/専用の保存場所
公開・調査研究
目録公開/制限基準公開/複写費用/調査研究
公文書館機能の
自己点検・評価指標(試論)2
ゴールドモデル(※ミニマムを達成した上での)
基本事項
目標/評価/職員/公文書管理条例
保存・管理
作成関与/決定権/電子/代替化/長期保存
公開
web活用/非公開資料情報
調査研究
利用促進/研修/連携
公文書館的機能の方向性
・既存館のボトムアップ
・社会全体に機能を「気軽に」
管理法対象外の
公共団体/私立大学はこれで如何?
・管理法の対象の国立大学法人ではどう考える?
→ ディスカッションで
大学図書館での
具体的な(?)組織・業務イメージ1
【組織】
・総務部門との連携のもとに、一応の独立機構を
←国大法人以外は担当の設置でも
・委員会(教員兼務)
長(教員兼務)
担当(職員)/担当は2名程度(最大)
※京都大学文書館:専任は准教授1/助教2
大学図書館での
具体的な(?)組織・業務イメージ2
【業務】
・アーカイブ部門
原課のレコードスケジュール作成(実質選別)
公開準備と制限情報の確認
・ライブラリ部門
目録公開と閲覧対応(一般は予約制でもOK)
(LとAの相互関係を/フロントとバックヤード?)
※アーカイブズ経営という視点の不足/業務見積もりは勘と経験のみ?
大学図書館で行う場合のメリット
・組織の根幹の資料を蓄積できる
・Aの利用しやすさの向上
(ex.奈良県立図書情報館)
・Lでの未整理の資料の処理
・大学職員が図書館を利用することになる
-組織内刊行物を系統的に集めればより良い
-職員支援の視点(事務室にどこまで入れるか)
大学図書館で行う場合のデメリット
・アーカイブズ機能にリソースをさけるか
-職員:一定の訓練・経験は必要)
-書庫 ←管理法施行令ではここが厳しい!
・閲覧対応時の課題
-カメラ利用の対応
-場所の確保
-資料のあつかい
展望―大学におけるMLA連携とは―
・大学図書館は公文書館になれるか?
管理法に準ずると、「図書館が」は難しい
ただし、手法はある→廃棄文書を図書館資料として
・公文書管理法をきっかけとした配置の転換
情報発信の主体としての大学図書館を深める
→ 図書/電子情報からの拡大を!!
→ 情報へのアクセス保障という視点
⇒ どんな組織であれ公的存在であろうとすれば
自らのアーカイブを社会と共有すべき
参考
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国文学研究資料館史料館編2003『アーカイブズの科学』上・下(柏書房)
地方史研究協議会編2009『歴史資料の保存と地方史研究』(岩田書院)
岡本信一・植草泰信2009『Q&A 公文書管理法』(ぎょうせい)
松岡資明2010『日本の公文書
-開かれたアーカイブズが社会システムを支える-』(ポット出版)
水谷長志編2010『MLA連携の現状・課題・将来』(勉誠出版)
日本図書館情報学会研究委員会編2010『図書館・博物館・文書館の連携』
(勉誠出版)
清水善仁2010
「大学アーカイブズの可能性-京都大学大学文書館での経験から-」
(京都図書館情報学学習会報告レジュメ)
http://kyotolibrarian.web.fc2.com/shiryou/178.pdf 2011/1/28確認
瀬畑源2011「国立公文書館等の利用に関するまとめ(公文書管理法)」
(源清流清―瀬畑源ブログ―)
http://h-sebata.blog.so-net.ne.jp/2011-01-23 2011/01/28確認
補足:「公文書等」 「歴史公文書等」
「特定歴史公文書等」の関係図
「公文書等」
★行政文書
★法人文書
「特定歴史
公文書等」
歴史的に重要な文書
「
歴
史
公
文
書
等
」
★立法機関
★司法機関
★民間
★地方公共団体
国立公文書館等で管理
文書
国立公文書館等に
国立公文書館に移
管
移管・寄贈・寄託
歴史的に重要な文書
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