『物理学から見たごみ問題』 燃やして埋めるは 大間違いだ! 早稲田大学理工学術院 総合研究所 教授 元町田市ごみゼロ市民会議代表 広瀬立成 2008年11月15日 1 目次 1.『環境エンジン』とは何か 2. 物理学が明らかにする『環境の本質』 3.『もったいない』文明は 4.『文明の転換』 2 市民の手で! 1. 『環境エンジン』とは何か ? 3 環境エンジンのしくみ 資源 環境エンジン 仕事 4 活動システム (生物、産業機器など)は 「エンジン」である 廃棄物 環境エンジンの特徴 • 入り口と出口があって、 物質・熱が出入りする • 環境エンジンは外とつながっている • 「排気」の重要性 ☞ 環境問題の本質は「ゴミ」 5 環境問題の本質は「ゴミ」 6 持続ある地球とは 植物 =生産者 資源 動物 =消費者 廃棄物 菌類 =分解者 2.物理学の基本法則 A. 物質は不滅である B. すべてのものは循環する 8 物質不滅の法則 あらゆる現象の前後で 物質の総量は変わらない ☞「燃やす、埋める、水に流す」とは? 有害物質の総量は変らない。 ☞ 生物濃縮の恐ろしさ ☞ これからは、長期・微量・複合汚染 9 持続ある物質循環とは? ・ 自然ゴミと人工ゴミ:循環と蓄積の違い 10 ・ 鉄則1 人工ゴミを減らす ・ 鉄則2 自然ゴミを自然に返す 3.『もったいない』文明は 市民の手で ゴミゼロ市民会議の 基本理念と実践 ・ 町田市ごみゼロ市民会議 ・ 2006.10〜2007.11.17:実証実験 11 ごみはこうして処理される ←中間処理 (焼却処分) ↓ 収集 焼却炉:約1800基(世界の3分の2) 最終処分場:約2270ケ所 最終処分 (埋め立て) ごみの処分に必死の日本 (年間5000万トン) 税金で使い捨てを 推進している! 13 世界の約3分の2の 焼却炉が日本に! 町田市ごみゼロ市民会議 2006年10月からスタート 市民会議の発足にあたって 石阪市長の基本方針 ごみになるものを 『作らない』 『燃やさない』 『埋め立てない』 14 町田のゴミ事情(2005年) 人口: 42万人 総量: 14万トン/年 処理経費: 総額71億円(17,400円/1人) 収集費: 27 億円 中間処理費: 33 億円 最終処分費: 8.5 億円 15 全体会 アドバイザー 進行管理会議 生ごみ部会 推家 進庭 分で 科の 会生 ご み 堆 肥 化 普 及 ・ 啓 発 16 生地 ご域 み一 処括 理に ・よ 収る 集戸 回建 数て 減家 実庭 験で 分の 科 会 生地 ご域 み一 処括 理に ・よ 収る 集集 回合 数住 減宅 実で 験の 分 科 会 廃プラスチック部会 バ イ オ ガ ス 研 究 分 科 会 実家 験庭 分と 科農 会家 と の 資 源 循 環 シ ス テ ム 排 出 抑 制 の 実 験 研 究 分 科 会 検処 討理 分方 科法 会( 中 間 処 理 ・ 資 源 化 ) の その他資源拡大部会 容 器 包 装 材 等 発 生 抑 制 の 検 討 分 科 会 検リ 討サ 分イ 科ク 会ル 広 場 と ポ イ ン ト 制 度 の ご み ゼ ロ 条 例 検 討 分 科 会 分 別 促 進 分 科 会 広 報 ・ 環 境 教 育 チ ー ム ご み ゼ ロ 市 役 所 推 進 支 援 チ ー ム 全体会 17 分科会 18 集合住宅生ごみ処理機 19 集合住宅用 一般住宅用 家庭生ごみ堆肥利用 レタス栽培委託(長野県川上村) 20 レタス4000個の配布 21 報告書(07.11.17) 22 報告書(07.11.17) もったいない精神で 『ごみゼロ町田』をつくろう 23 1.家庭生ごみの全量資源化 2.プラスチックごみの減量・資源化はできることから 3.発想の転換で資源化の新しい広場・しくみを 4.まず「ごみゼロ市役所」を 5.見て,触れて,感じる環境教育を 6.市民が市民に話しかける「ごみゼロの風」を継続 さらなる発展に向けた 市民の取り組み 1.行政との『恊働』のための組織 2.『リサイクル広場』の本格実施 3.『生ごみ処理』の拡充 24 4.日本初『レジ袋の廃止』 (有料化ではない) リサイクル広場 町田 25 リサイクル広場 町田 26 リサイクル広場 町田 27 レジ袋の廃止 と エコバッグ 28 4. 文明の転換 『使い捨て文明』 から 『もったいない文明』 へ 29 メーカーの戦略10訓 30 • • • • • • • • • • もっと使わせろ 捨てさせろ 無駄遣いさせろ 季節を忘れさせろ 贈り物をさせろ 組み合わせて買わせろ きっかけに投じろ 流行遅れにさせろ 気安く買わせろ 混乱を作り出せ もったいない10訓 31 • • • • • • • • • • もっと使わない 捨てない 無駄遣いしない 季節を忘れない 無駄な贈り物をしない 組み合わせて買わない きっかけに投じない 流行遅れにしない 気安く買わない 混乱を作り出さない Think Globally, Act Locally 地球規模で考え、足下から行動する 責任のなすり合いでは 何事も解決しない! まず市民が行動を! 32 参考書 33 『物理学者、ゴミと闘う』 (講談社現代新書) 『図解雑学 地球環境の物理学』 (ナツメ社)
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