大井 絢古 Junko Oi エッセイ 名前の事

名前の事
英語の発音記号で「ジュンコ」という名前を表すと
/dЗuŋko/となります。 ところが 人はよくJUNKOという
綴りを見て これを「ジャンクォ」/dЗ۸ŋk o/と発音します。
「失礼ですが私はごみ(JUNK=ごみ)ではありません」と
抗議をした方がいいかしらと思います(!) これより頻繁に
起こる発音の間違いは「ユンコ」/ju:n ko/となります。
どんなに念を押しても会って一時間後にはもう「ユンコ」で
定着してしまいます。 ロシアでは綴りからして間違えが
起 きて 「 ズン コ 」 に なり 、 ス ペ イ ン では 英 語 の 綴りは
「フンコ」になります。 ドイツや旧東ヨーロッパでは正しく
「 ジ ュ ン コ 」 と 発 音 し て 頂 こ う と 思 う と 「 YUNKO 」 と
綴らなければなりません。
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永い間 こんな簡単な名前を覚えるのが どうして
そんなに大変なのかしらと不思議で 又これは忍耐力を
試されているのかもしれないとも思いましたが、 「コ」を
省くだけで受け入れ易い様になるのであればと、
英国人名として定着しているJuneになる事に違和感は
全く感じませんでした。 むしろこの発音は 子供の頃
父に おジュンと呼ばれていた事を思い起こさせてくれます。
苗字「オオイ」は 的確に発音を綴りにするのが意外と
困 難 で し た 。 例 え ば OI と 綴 る と こ れ が 日 本 語 と 同 じ で
可笑しいのですが 余り丁寧でなく人に呼掛ける時の「オイ」に
な り 、 OOI は 「 ウ ー イ 」 、 Ō I は 電 話 で 綴 り を 伝 え る の に
解かってもらえず といった次第です。 最後に アイルランド系
苗字の様にO’OIとする案が残りましたが 普通はO’の後に
二つ母音を繰返す事は無いのでかなり不自然な綴りという事に
なります。 これで思い付いたのが 「大井」を英訳する事で、
BigwellsやLargewellsも考察しましたが どうも芸術的な響きに
欠ける様で 結果Grandwellsで落ち着きました。
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