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群読って何?-「声の文化活動」
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『日本群読教育の会』 常任委員
小川 悟
「群読」とは何か
・複数の読み手による朗読
(木下順二)
• 一人ではなく「集団による声の文化活動」
(家本芳郎)
ただ、全員で一斉に声をそろえて読むだけではなく、一人で
読んだり、複数で部分に分けて読んだり、全員で読んだりす
ることを組み合わせて表現する「音読文化」の一つである。
・「複数の人間が群れて声を出せば、それはすべて群読であ
る」
(毛利豊)
群読の実演例
①『らいおん』(渡辺美智子)
「青年劇場」劇団員による→資料4
②『くちびる たいそう』(まど・みちお)
「日本群読教育の会」会員による→資料5
③『人間の勝利』(山村暮鳥)
「中学校3年生」による→資料6
レベル的には、言葉遊び~芸術的領域まで
対象は「老若男女」、人数は2人~
講座の概要
①講義(群読とは?・題材・表現技法等)
②実技(既成の「脚本」で実演してみる)
③グループづくり
④作品選択(数種の作品の中から選択する)
⑤脚本づくり
⑥練習
⑦発表
⑧評価(基本的には相互評価)
→資料2 ねらいはまずは「群読」を理解する。
資料1「日本群読教育の会」について
・「家本芳郎」を会長として「群読教育」の実践や
研究に関心を持つ全国の教師が集い、今か
ら十数年前に結成される。
・全国各地での講座開講
・2002年の「東京大会」より、年1回の全国大
会を開催。今年の「横浜大会」で7回を迎える。
・詳しくはホームページをご覧下さい
『日本群読教育の会』
http://gundoku.web.infoseek.co.jp/
資料2「日本群読教育の会」の講座
・入門講座……~群読を体験しましょう~
・中級講座……~脚本づくりにチャレンジ~
・実践報告……~群読実践を紹介します~
・『群読ワークショップ』
a:詩 b:物語 c:古典
d:ふたり読み e:ことば遊び(入門期の群読)
f:集会行事の群読
資料3「参考文献」
・『合唱・群読・集団遊び』(家本芳郎・高文研)
・『群読をつくる』(家本芳郎・高文研)
・『古典の群読指導・細案』(高橋俊三・明治図書)
・『家本芳郎と楽しむ群読』(家本芳郎・高文研)
・『いつでもどこでも群読』(群読教育の会・高文研)
・『続・いつでもどこでも群読』(群読教育の会・高文研)
・『群読実践シリーズふたり読み』(群読教育の会・高文研)
・『群読 ふたり読み』(家本芳郎・高文研)
ご静聴ありがとうございました!
ー写真は全国大会の様子ですー
補足1 群読の歴史(1)
・芸術的な「群読」の始まり(1968・S43)
→・「木下順二&山本安英の会」の『平家物語ー知盛
ー』
「当代随一音読文化の担い手」を結集。
後に『平家物語抄』、『子午線の祀り』という群読
劇に結実。
・しかし、教育現場では?
→第二次大戦中の国民詩の朗読形式(榊原美文)
→戦後教育ではS40年代後半~S50年に実践例
→『合唱・群読・集団遊び』(家本芳郎・1985)
補足2 群読の歴史(2)
・文化として見れば?(奈良時代以前?)
→呪術・祭祀的な意味合い=仏教の声明・民衆の雨乞い等
→現代でも、スポーツの応援、デモのシュプレヒコール等
=根底には、「皆で声を出せば願いがかなう!」
→自然発生的な世代・人種を問わない人類の特定の思いを託
した表現の形。
補足3 群読の効能
①「こころ」を豊かにする
コミュニケーション・一体感・味わう=文化
②「健康」に良い
ストレス解消・呼吸・脳(視覚・声・聴覚)
③「表現力」が身につく
発声・表現法の数々・創作
④「読解力」が身につく
(集団による)解釈・脚本作り・相互評価
⑤「自信」が身につく(肯定的評価)