校内研修会 Q-Uの結果を生かした学級集団づくり -アサーショントレーニングと 構成的グループエンカウンター- 1 1 ねらい (1)Q-Uに関する基礎的な内容を理解する とともに、Q-Uの結果を生かし課題に応 じた学級集団づくりを進めることの意義を 理解することができる。 (2)アサーショントレーニングと構成的グル ープエンカウンターの演習を通して、 よ りよい学級集団づくりを体験的に理解す ることができる。 2 2 Q-Uについて (1) Q-Uの構成 ① 学級満足度尺度 「いごこちのよいクラスにするための アンケート」 ② 学校生活意欲尺度 「やる気のあるクラスをつくるための アンケート」 ③ ソーシャルスキル尺度(hyper-QUのみ) 「日常の行動をふり返るアンケート」 3 (2) ① Q-Uの結果の見方 いごこちのよいクラスにするための アンケート 承認得点 被 侵 害 得 点 侵害行為 認知群 学級生活 満足群 学級生活 不満足群 非承認群 要支援群 4 (2) ① Q-Uの結果の見方 いごこちのよいクラスにするための アンケート 承認得点 被 侵 害 得 点 侵害行為 認知群 学級生活 不満足群 学級生活 満足群 非承認群 ①縦軸-承認感 リレーション ②横軸-被侵害感 ルール 《学級満足度》 4群(5群) 要支援群 5 (1) Q-Uの構成 ② やる気のあるクラスをつくるための アンケート 中高生:5領域の折れ線グラフで表示 平均的な 得点範囲 関友 係人 と の 学 習 意 欲 関教 係師 と の 関学 係級 と の 進 路 意 識 6 3 教育相談的手法と効果 ・ 構成的グループエンカウンター ・ プロジェクトアドベンチャー ・ ソーシャルスキルトレーニング ・ アサーショントレーニング ・ ストレスマネジメント ・ アンガ―マネジメント 7 4 学級の課題に応じた活動 Q-Uの結果 考察と課題の読み取り 〈特徴的な5つの学級の型〉 ①【満足型学級】 ②【管理型学級】 ③【なれあい学級】 ④【荒れ始め学級】 ⑤【崩壊型学級】 課題に応じた取り組み 8 ①【満足型学級】 親和的なまとまりのある学級集団 ~リレーションとルールが同時に確立している状態~ Q-U ・学級にルールが内在化 ・主体的な子どもの活動 ・和気藹々(あいあい) ・認め合い、助け合い ・担任不在でもある程度活動可能 *全体の70%以上が満足群に位置している 9 ①【満足型学級】 親和的なまとまりのある学級集団 ~リレーションとルールが同時に確立している状態~ ☆ 子どもたち主体で様々な課題を 組み合わせた活動を多く取り入れ る。 ☆ 子どもたちの内面に入った内容 の活動をし、人間関係の質を高め る。 10 ②【管理型学級】 かたさの見られる学級集団 ~リレーションの確立がやや低い状態~ Q-U ・一見静かで落ち着いて見える ・子ども達の意欲に大きな差 ・子ども同士の関係に距離 ・人間関係が希薄 ・教師の評価を気にする傾向 ・学級活動も低調気味 *満足群と非承認群に 70%以上が位置している 11 ②【管理型学級】 かたさの見られる学級集団 ~リレーションの確立がやや低い状態~ ☆ かかわり合いの基本的なルールを 理解させ、関係性が深められるように する。 ☆ 教師は役割だけでない自分を出し、 感情表出について自らモデルを示す。 ☆ 少人数でレクリエーション的な要素 の多い活動を取り入れる。 12 ③【なれあい学級】 ゆるみの見られる学級集団 ~ルールの確立がやや低い状態~ Q-U ・一見、元気でのびのびと見える ・学級のルールが低下 ・授業中の私語 ・係活動の遂行に支障 ・トラブルの頻発 ・力の強い子に学級全体が牛耳ら れてしまう傾向 *満足群と侵害行為認知群に70%以上が位置している 13 ③【なれあい学級】 ゆるみの見られる学級集団 ~ルールの確立がやや低い状態~ ☆ 学級生活で共有できる基本的なス キルを組み合わせた活動を取り入れ る。 ☆ 短時間ででき、少人数でレクリエー ション的な要素の多い活動を取り入れ る。 14 ④【荒れ始め学級】 荒れ始めの学級集団 ~ルールとリレーションが共に低い状態~ Q-U ・かたさやゆるみの見られる状態 +具体的対応なし→荒れ始めへ ・一見静かで落ち着いた学級、一 見元気でにぎやかな学級という プラスの側面の喪失 ・互いに傷つけ合う言動の増加 15 ④【荒れ始め学級】 荒れ始めの学級集団 ~ルールとリレーションが共に低い状態~ ☆ 教師がリーダーシップを発揮し、子 どもたちがお互いに認め合える活動を 取り入れる。 ☆ 学校生活で必要な最低限のルール を身につけられるような活動を取り入 れる。 16 ⑤【崩壊型学級】 崩壊した学級集団 ~ルールとリレーションが喪失した状態~ Q-U ・学級不満足群に70%以上の子ど もがプロットされている状態 ・すでに教育環境とはいえない ・私語と逸脱行動の横行 ・教師へ露骨な反抗、授業不成立 *全体の70%以上が不満足群に位置している 17 ⑤【崩壊型学級】 崩壊した学級集団 ~ルールとリレーションが喪失した状態~ ☆ 学校全体で組織的な対応をする。 ☆ 子どもと一対一の信頼関係を築く。 教師の指示が 通るようになっ たら ☆ 短時間で基本的なルールが身につ けられるような活動をしていく。 18 5(1)アサーショントレーニング (Assertion Training : AT) ① アサーションとは 自分も相手も大切にしようとする自己表現のこと ② アサーショントレーニングのねらい 自分も相手も大切にする自己表現を体験的に身に 付ける 19 ③ 主な内容(3タイプの自己表現) 1 攻撃的な自己表現(ジャイアンタイプ) →「おいこら」「どうなるかわかってるんだろうな」 →「おいこら」「どうなるかわかってるんだろうな」 →大きい声、おどしのジェスチャー、ギラギラした目 →大きい声、おどしのジェスチャー、ギラギラした目 2 非主張的な自己表現(のび太タイプ) →「あの~、ええーと・・・」「も、も、もし・・・」 →「あの~、ええーと・・・」「も、も、もし・・・」 →ハッキリしない小さい声、おどおどした様子、伏し目 →ハッキリしない小さい声、おどおどした様子、伏し目 3 アサーティブな自己表現(しずかちゃんタイプ) →「私は~です」「あなたの気持ちも分かるよ」 →「私は~です」「私は~ほしい」 *相手のことも自分のことも大切にする *相手のことも考え、「私は」メッセージ →ハッキリした落ち着いた声、よい姿勢、目線合わせて →ハッキリした落ち着いた声、よい姿勢、目線合わせて 20 ④ 進め方 ○3タイプの自己表現の理解(モデリング) ↓ ○場面を設定しての演習 →人間関係の体験 ↓ ○振り返り = 思考・感情・行動の修正・拡大 ⑤ 留意点 (ア) アサーティブな自己表現が万能ではないこと (イ) 言語だけでなく非言語でも自己表現が行われ ていること 21 〔演習1〕 アサーティブな断り方 (1) この状況でのアサーティブな自己表現を考える(2分) (2)演習(1分) →→ (3)ペアでの振り返り 1回目(1分) ・Aさんが感じたこと(2分) ・Bさんが感じたこと ・ペアで話し合い *役割交代 2回目(1分) ・Aさんが感じたこと(2分) ・Bさんが感じたこと ・ペアで話し合い (4)全体での振り返り (2分) ・うまくできたペアの実演 ・よかったこと、コツなどの確認・強化 22 〔演習2〕 アサーティブな注意の仕方 (1) この状況でのアサーティブな自己表現を考える(2分) (2)演習(1分) →→ (3)ペアでの振り返り 1回目(1分) ・Aさんが感じたこと(2分) ・Bさんが感じたこと ・ペアで話し合い *役割交代 2回目(1分) ・Aさんが感じたこと(2分) ・Bさんが感じたこと ・ペアで話し合い (4)全体での振り返り (2分) ・うまくできたペアの実演 ・よかったこと、コツなどの確認・強化 23 5(2)構成的グループエンカウンター ① 構成的グループエンカウンターとは 「構成的」 →教師が、実施するエクササイズ、時間、参加人数 など約束事を決めて行うこと 「エンカウンター」 →心と心のふれあい、本音と本音の交流 「自己開示」を大切にする 24 ② ねらい ・ 自己理解 ・ 自己受容 ・ 信頼体験 ・ 他者理解 ・ 自己主張 ・ 感受性の促進 ③ 進め方 (ア) (イ) (ウ) (エ) 導入 ウォーミングアップ インストラクション エクササイズ →人間関係の体験 + (オ) シェアリング →振り返り = 思考・感情・行動の修正・拡大 25 ④ ルール・留意点 (ア) 参加できない、話せない生徒に対しては強制 しない (イ) 実施は、教師の指示が通る学級であることが 前提 (ウ) エクササイズをうまくやらせようとしない (エ) 悪ふざけしないで素直にフィードバックしあう (オ) 心的ダメージを受けた生徒へのアフターケア 26 〔演習3〕 なんでもバスケット * 自己開示をすることと、相手を理解し、 共感したり、尊重したりする。 〔演習4〕 いいとこ四面鏡 * お互いのよさを認め合い自己肯定感を 高める。 27 6 まとめ ○ Q-Uの結果から課題を読み取ると同時に、 ( )取り組みをすることが 大切である。 ○ 学級がいごこちのよい、やる気のある集団 になるためには、学級内の( )と ( )の両方の確立が必要で ある。 28 6 まとめ ○ Q-Uの結果から課題を読み取ると同時に、 (課題に応じた)取り組みをすることが 大切である。 ○ 学級がいごこちのよい、やる気のある集団 になるためには、学級内の(ルール)と (リレーション)の両方の確立が必要で ある。 29
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