2010年 ペルセウス座γ流星群の観測 星野高等学校天文部 3年 児玉 純奈 丸 千尋 山瀬 絢子 2年 武田 亀田 村上 横山 小林 優季 奈那 慈子 陽香 希栄 1年 田岸 佑理 吉田由梨香 1 ペルセウス座γ流星群 概要 ペルセウス座流星群はペルセウス座γ星付 近を放射点として出現する流星群である。 毎年8月中旬を中心に活動している。また、 13日前後に極大を迎える。 流星数が多いため初めての観測者に最適。 2 観測の概要 わたしたち星野高校天文部は、流星観測を 行っている 電波観測 24時間休みなく福井県の福井工業高専アマチュア 無線クラブが発射している電波が,流星によって反 射されたものをキャッチしてる 眼視観測 グループ計数観測を学校や校外で行う.( 2010 年の夏休みは8月11日~13日,富士山のふもと (静岡県富士宮市麓)で観測を行った) 3 観測方法(計数観測) 観測にあたっては4人の観測者を1人の記 録者を選ぶ この観測者4人が東西南北の各方向を向き、 地平線から60°の星空を望む 少なくとも15分前になったら観測場所で空 を見上げ、目を暗さにならしておく 4 グループ計数観測の結果 2010年のペルセウス座γ流星群の出現の様子 150 1班 2班◇ 3班□ 100 Z H R 50 全流星数 25:00 ~ 0 0 0.5 1 1.5 2010年8月12/13日 2 25:50 26:00 ~ 郡流星数 HR CHR ZHR 1班 39 18 20.4 55.5 88.8 2班 31 9 10.8 29.4 47 3班 44 16 18.4 50.0 84 1班 40 18 20.4 55.5 88.8 2班 63 21 25.0 68.1 109.7 3班 58 23 27.6 75.15 120.1 2.5 26:50 グラフから、25時からよりも26時からの方が、 流星が多く見られた。 1晩目(11日~12日)は雨のため観測できな かったため、2晩目(12日~13日)比較すること が出来ず,日にちよるに変化はわからなかった。 出現数変化の表の用語 HR:1時間あたりの流星出現数 CHR:空が明るかったり,雲や建物で邪魔されて観測できない 流星がある分を補正したHR ZHR:放射点が天頂にあるとしたときの理想的な流星出現数. CHRから計算する. 群流星:空の1点から出現して見える流星.その点を放射点とよ び,放射点のある星座と星の名前で呼ぶ.今回観測したペルセ ウス座γ流星群は放射点がペルセウス座γ星付近にある. 6 光度分布と痕の割合 ≦- 1 0 1 2 1 班 0 2 班 0 0 3 7 3 班 1 0 3 11 0 6 4≦ 3 13 合計 痕 の 数 痕の 割合 群流星の光度分布図 7 39 11 28.2 % 5 15 30 12 40.0 % 14 12 7 36 9 25.0 % 13 16 14 1班 2班 3班 10 群 流 星 数 8 6 4 2 0 ≦-1 0 1 等級 2 3 4≦ 7 全体として、0等級の流星が観測されなかった。これは、 0等級の存在を知らなかった、あるいは、明るさの判断 が難しかったためであろう。 明るさでみる班ごとの結果 1班は比較的明るい流星が多く見られ、痕の数の平均は28.2%だった。 2班は対照的に暗い流星が多く見られ、痕の数は3班中で一番多い。 3班は、唯一1等星以下の等級が観測され、痕の数が一番少なかった。 痕の割合でみる班ごとの結果 1班は終始数に変化がみられず、一定の割合で観測された。 2班は最も変化が著しくみられた。 3班は開始時は1班とほぼ同じ痕の数だったが、その後増加し、最終的に2班よりも 多くみられた。 8 ペルセウス座流星群は一般的には明るくて痕が多いこ とで知られているが、今回の観測ではやや暗い流星数 が多く見られ、痕の割合も少なかった。 これは今回の特徴というよりは、光度の測定や痕の有 無の判別が正確ではないためにそのようになったので あろう。 同じ流星を観測しているのにもかかわらず、このような 違いが生じるのは光度の測定や痕の有無の判断にま だ慣れていないことなどが原因とされる。先ほどの0等 の流星が観測されなかったことも有痕率が班ごとに異な るのもその表れである。 9 観測方法(電波観測) JA9YDB福井高専アマチュア無線クラブ(顧問: 前川公男氏)が発射する53.750MH2のビー コン電波を使用した。観測は本校第二校舎屋 上(埼玉県川越市石原町2丁目)の4素子八 木アンテナに接続したアイテック製RH-1の オーディオ出力を、HROFFT(大川一彦氏作) 計測し、時間ごとの全エコー数ならびにロン グエコー数をグラフ化した。 10 電波観測の結果 Radio Meteor Observation --- Observed Result (August 1 - August 10) Hoshino High School, JAPAN Saitama Prefecture Kawagoe City long echoes all echoes all echoes 120 20 15 100 80 10 60 40 long echoes (>20sec) 140 5 20 0 0 0:00 1st 0:00 2nd 0:00 3rd 0:00 4th 0:00 5th 0:00 6th 0:00 7th 0:00 8th 0:00 9th 0:00 10th Time (JST, 2010) 11 Radio Meteor Observation --- Observed Result (August 11 - August 20) Hoshino High School, JAPAN Saitama Prefecture Kawagoe City long echoes all echoes 120 20 15 100 80 10 60 40 5 long echoes (>20sec) 140 all echoes 20 0 0 0:00 11th 0:00 12th 0:00 13th 0:00 14th 0:00 15th 0:00 16th 0:00 17th 0:00 18th 0:00 19th 0:00 20th Time (JST, 2010) 12 極大日近くの拡大図 Radio Meteor Observation --- Observed Result (August 11 - August 13) Hoshino High School, JAPAN Saitama Prefecture Kawagoe City long echoes all echoes 120 20 15 100 80 10 60 40 5 long echoes (>20sec) all echoes 140 20 0 0 0:00 11th 0:00 12th 0:00 13th Time (JST, 2010) 13 一日ごとに増減を繰り返し、一日のピークは1 3日の明け方になっていて、ペルセウス座γ流 星群はこのあたりが極大日と考えられる。 ロングエコーの割合(約14%)は極大日近く で最も多くなっている。 眼視観測と電波観測との比較 電波観測で12/13日の25時~26時流星 の出星数が増加傾向にあるが、同じことが眼 視観測にも見られた。 14 感想と今後の課題 観測の前に星図をよく見て目印となる星の 等級を覚えておく。さらに経験を積んで、痕 の有無の判断を正確に出来るようにしたい。 今年は台風の影響で初日は全く観測できず、 2日目も雨のため、観測する時間が短かっ た。しかし、ペルセウス座γ流星群の極大日 だったため、たくさんの流星を見ることがで きた。 15
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