薄板製品の概要

「薄板製品の概要」
2011.6.22
NS Felllows Corporation
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目次
タイトル
2011.6.22
スライドＮｏ
１．鉄とはどんな物質なのか
３
２．薄板製品の種類（１）熱延鋼板
４
３．薄板製品の種類（２）冷延鋼板
５
４・薄板製品の種類（３）表面処理鋼板ー１
６
５．薄板製品の種類（３）表面処理鋼板ー２
７
６．薄板製品の規格体系加工特性
８
７．薄板製品の規格体系抗張力（強度）
９
８．薄板製品の規格体系使用目的（用途）
１０
９．薄板製品の規格体系
１１
厚さ許容差
１０．薄板製品の規格体系幅･長さの許容差
１２
１１．薄板製品の規格体系平坦度・キャンバー
１３
１２．外観に関する規定
１４
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鉄とはどんな物質なのか
「長所」
１．強さがあると同時に加工がしやすい。
２．溶接が容易にできる。
３．各種表面処理が可能で、特にメッキすることにより希少金属との組合せで錆の対策ができる。
４．他の元素との組合せで特殊鋼、合金鋼などの製造ができ、飛躍的な材質改善・向上ができる。
５．経済的に安価である。
６．リサイクルが可能で、地球に優しい。
７．磁性、導電性、伝熱性がある。（この特性は用途によっては、短所の場合もあるが・・・・）
「短所」
１．重い。・・・・・・・鋼板の比重は通常７．８５で、同じ体積の水と比べて７．８５倍重い。
２．そのままでは錆びやすい。・・・・・・・水分があると顕著に加速される。
＜参考＞
プラスチック・・・・・・リサイクル性、疲労強度、靭性などに課題あり。また高価である。
アルミ、チタン・・・・・・高価であり、他の金属との併用、組合せで現在のところ課題あり。
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薄板製品の種類（１）
薄板製品（普通鋼）は大別すると、「熱延鋼板」、「冷延鋼板」、「表面処理鋼板」となる。（薄板３品）
「熱延鋼板」の種類
熱延ライン巻き取りのまま
デ
ス
ケ
ー
リ
ン
グ
黒皮コイル、アズロールホットコイル
ミルエッジ
スキンパス通板
黒皮コイル
耳なし（トリムエッジ）もある。通常無塗油
酸洗ライン通板
酸洗コイル
一般的にはトリムエッジ。通常は塗油
ショットブラスト
ショットブラスト
通常は塗油。
ライン通板
コイル・鋼板
一部にはプライマー塗装あり。
＊商取引の習慣から、６ｍｍ以上を厚板、３ｍｍ以上６ｍｍ未満を中板、３ｍｍ未満を薄板と呼ぶ。
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薄板製品の種類（２）
「冷延鋼板」の種類
冷延ライン巻き取りのまま
未焼冷延コイル
ただし、一般市場には出ない。
焼きなましコイル
焼
焼鈍のまま
調質記号 A
ただし、一般市場には出ない。
標準調質冷延コイル
調質圧延
鈍
最も一般的冷延コイル
調質記号 S
ダル仕上げ D
ブライト仕上げ B
＊みがき帯鋼とは、幅５００ｍｍ
未満で冷延された鋼帯を言う。
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（調質圧延ロールで作り分ける。）
硬質冷延コイル
調質記号８，４，２，１
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顧客の硬さ指定による。
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薄板製品の種類（３）
「表面処理鋼板」の種類－１
ガルバジンク
ガルバジンクアロイ
ガルファン
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薄板製品の種類（３）
「表面処理鋼板」の種類－２
ジンコート月星ジンク
エクセルジンク
ジンクライト
エクセルジンクニッケル
シルバートップ
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薄板製品の規格体系
１）加工特性からの体系
成形性
熱延鋼板
冷延鋼板
一般用
SPHC
SPCC
絞り用
SPHD
SPCD
深絞り用
SPHE
SPCE
SPHF（特殊キルド） SPCF（非時効性）
超深絞り用
溶融亜鉛メッキ鋼板
SGCC
絞り用１種
絞り用２種
絞り用３種
絞り用４種
電気亜鉛メッキ鋼板
SECC
SECD
SGCD1
SGCD２
SGCD３
SGCD4
SPCG（非時効性）
SECE
SECF（非時効性）
SECG（非時効性）
C:Commercial, D:Deep Drawing, E:Extra Deep Drawing
青字：２００５年に制定
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赤字：２００７年に制定（非時効性）
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薄板製品の規格体系
２）抗張力（強度）からの体系
抗張力（N/mm２）
２７０級
熱延鋼板
SPHC
４４０級
SEHC SECC
SPFC340
SPFC370
SPFC390
SGC340
SGC400
SEFC340
SEFC370
SEFC390
SAPH440
SPFC440
SGC440
SEFC440
SGC490
SAPH370
SAPH400
４９０級
SS490
SPFH490
SPFC490
５４０級
SS540
SPFH540
SPFC540
SPFH590
SPFC590
５９０級
電気亜鉛メッキ鋼板
SGCC
SS330
SS400
溶融亜鉛メッキ鋼板
SPCC
SAPH310
～４００級
冷延鋼板
SGC570
SEFC490
SEFC540
SEFC590
冷延、電気亜鉛メッキ鋼板では、更に７８０，９８０級もJIS規格化されている。
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薄板製品の規格体系
３）使用目的（用途）からの体系
品種
熱
延
鋼
板
冷
延
鋼
板
使用目的（用途）
規格名称
記号（例）
備考
一般用・絞り用軟鋼板
熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
SPHC
一般建築・構造用
一般構造用圧延鋼材
SS400
主として自動車用部品
自動車構造用熱間圧延鋼板
及び鋼帯
SAPH440
ﾌﾟﾚｽ加工性を加味した強度鋼
板
溶接鋼管用
鋼管用熱間圧延鋼帯
SPHT1
成分と機械試験値規定
圧力容器用
高圧ガス容器用鋼板
SG255
成分と機械試験値規定
屋外使用耐候用
高耐候性圧延鋼材
SPA－H
Cu,Cr,Niなどを含有
機械構造用
機械構造用炭素鋼鋼材
S35C
成分規定、熱処理用
一般用・絞り用軟鋼板
冷間圧延鋼板及び鋼帯
ＳＰＣＣ
汎用性冷延鋼板
主として自動車用部品
自動車用加工性冷間圧延高
張力鋼板及び鋼帯
ＳＰＦＣ３９０
ＳＰＦＣ３４０Ｈ
自動車外板･内板
ＢＨ鋼板
屋外使用耐候用
高耐候性圧延鋼材
SPA－Ｃ
Cu,Cr,Niなどを含有
特殊硬さ指定
みがき特殊帯鋼
Ｓ３５ＣＭ
成分、組織、硬さ管理
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最も汎用性のある熱延鋼板
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薄板製品の規格体系
３）寸法･形状に関する規格体系（冷延鋼板の例）
①厚さ許容差（ｍｍ）
Ａ規格
Ｂ規格
製品サイズ
W＜630 W＜1,000 W＜1,250 W＜1,600 W≧1,600
ｔ＜0.25
ｔ＜0.4
ｔ＜0.6
ｔ＜0.8
ｔ＜1.0
ｔ＜1.25
ｔ＜1.6
ｔ＜2.0
ｔ＜2.5
ｔ＜3.15
ｔ≧3.15
±0.03
±0.04
±0.05
±0.06
±0.06
±0.07
±0.08
±0.10
±0.12
±0.14
±0.16
±0.03
±0.04
±0.05
±0.06
±0.06
±0.07
±0.09
±0.11
±0.13
±0.15
±0.17
±0.03
±0.04
±0.05
±0.06
±0.07
±0.08
±0.10
±0.12
±0.14
±0.16
±0.19
―
―
±0.06
±0.06
±0.08
±0.09
±0.11
±0.13
±0.15
±0.17
±0.20
―
―
―
±0.07
±0.09
±0.11
±0.13
±0.15
±0.17
±0.20
―
W＜160 W＜250 W＜400 W＜630
±0.02 ±0.025 ±0.03 ±0.03
±0.025 ±0.03 ±0.035 ±0.035
±0.035 ±0.04
±0.04 ±0.04
±0.04 ±0.045 ±0.045 ±0.045
±0.04 ±0.05 ±0.05 ±0.05
±0.05 ±0.05 ±0.05 ±0.06
±0.05 ±0.06 ±0.06 ±0.06
±0.06 ±0.07 ±0.08 ±0.08
±0.07 ±0.08 ±0.08 ±0.09
±0.08 ±0.09 ±0.09 ±0.10
±0.09 ±0.10 ±0.10 ±0.11
（注）測定位置：鋼板の両耳から１５以上内側の任意の点
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②幅の許容差（ｍｍ）
区分
製品サイズ
A
全
－0 ＋7
－0 ＋10
B
全
－0 ＋3
－0 ＋4
C
ｔ＜0.6
ｔ＜1.0
ｔ＜1.6
ｔ＜2.5
ｔ＜4.0
ｔ＜5.0
W＜160 W＜250 W＜400 W＜630 W＜1,250 W≧12,50
±0.15
±0.20
±0.20
±0.25
±0.30
±0.40
±0.20
±0.25
±0.30
±0.35
±0.40
±0.50
±0.25
±0.25
±0.30
±0.40
±0.45
±0.55
±0.30
±0.30
±0.40
±0.50
±0.50
±0.65
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
③長さの許容差（ｍｍ）
区分
Ａ
Ｂ
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L＜1,000 L＜2,000 L＜3,000 L＜4,000 L＜6,000
－0 ＋10
－0 ＋3
－0 ＋4
－0 ＋15
－0 ＋20
－0 ＋6 －0 ＋8
―
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④平坦度（ｍｍ）
区分
Ａ基準
呼称板幅
反り
耳延び
W＜1,000
W＜1,250
W＜1,600
W≧1,600
≦12
≦15
≦15
≦20
≦8
≦9
≦11
≦13
Ｂ基準
中延
≦6
≦8
≦8
≦9
反り
≦2
≦3
≦4
≦5
耳延び
中延
≦2
≦2
≦3
≦4
≦2
≦2
≦2
≦2
⑤横曲がり・キャンバー（ｍｍ）
Ａ基準
区分
鋼板
製品サイズ
W＜400
W＜630
W≧630
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L＜2,000
≦8
≦4
≦2
Ｂ基準
鋼板
鋼帯
L≧2,000
≦8 /2,000mmL
≦4 /2,000mmL
≦2 /2,000mmL
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L＜2,000
≦25
≦10
≦2
鋼帯
L≧2,000
≦25 /2,000mmL
≦10 /2,000mmL
≦2 /2,000mmL
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外観に関する規定
（ＪＩＳＧ３１４１冷間圧延鋼板及び鋼帯の例）
鋼板及び鋼帯は、使用上有害となる程度の欠点があってはならない。
ただし、表面の欠点は、通常、鋼板及び鋼帯の片側の面＊に適用する。
なお、鋼帯は、一般に検査によって欠点を含む部分を除去する機会がないため、
若干の正常でない部分又は溶接部を含むことがある。
注記
欠点には孔、ラミネーション、表面きずなどがある。
＊片側の面とは、通常、鋼板の場合は包装で上側にある面をいい、鋼帯の場合は
鋼帯の外側の面をいう。
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付録
2010.9.4 朝日新聞朝刊より
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