「根葉花実論」の出典 吾ガ日本ハ種子ヲ生ジ、震旦ハ枝葉ニ現ハシ、 天竺ハ花実ヲ開ク。故ニ仏教八万法ノ花実タリ。 儒教ハ万法ノ枝葉タリ。神道ハ万法ノ根本タリ。 彼ノニ教ハ皆是レ神道ノ分化也。枝葉・花実ヲ以 テ其ノ根源ヲ顕ハス。花落チテ根ニ帰ルガ故ニ、 今此ノ仏法東漸ス。吾ガ国ノ、三国ノ根本タルコ トヲ明カサンガ為ニ也。尓リシ自リ以来、仏法此 ニ流布ス (仮託作:上宮太子ノ密奏) 「根葉花実論」に見られる日本神道の西進 ( 中 国 ) の 儒 教 種 子 ) ( ( 花 実 ) 震 旦 ( ( 天 竺 イ ン ド ) の 仏 教 日 本 の 神 道 枝 葉 ) *但し、こうした歴史の事実が無い 史実に基づいた大陸思想の東漸 ( ( ( 花 実 ) 枝 *枝葉、花実を以て、その根源を顕わす。 花落ちて根に帰るが故に、今この仏教東漸す 日 本 の 神 道 ( イ ン ド ) の 仏 教 ( 天 竺 葉震 )旦 中 国 ) の 儒 教 、 道 家 思 想 等 種 子 、 根 、 幹 ) 「根葉花実論」の真義 ここに展開されたのは、神道至上の観念、さら には日本中心の思想であるが、それは、神道以外 の教法を排斥する独善と閉鎖におちいることなく、 かえって神道の発展と永続のために外来の教法を 摂取する必要を説く立場であり、偏狭な民族意識 の枠を取り払って、外部世界へ日本国を開放する 方向をめざす意図を含むものであった。要するに、 兼倶の根葉花実論は、一五~一六世紀の東アジア 世界における日本の知識人の提出した文化論であ り、神道を基軸に据えた外来思想受容の方法論で あると読むことができる。 「根葉花実論」の図解(一) 幹 根 日 本 の 神 道 「根葉花実論」の図解(二) 葉 枝 中 国 の 儒 教 幹 根 日 本 の 神 道 実* )「 を主 兼体 ね性 備」 え( た根 日幹 本) 文と 化「 思開 想放 全性 体」 の( 顕枝 れ葉 、 花 「根葉花実論」の図解(三) 葉 花 イ ン ド の 仏 教 枝 中 国 の 儒 教 幹 実 根 日 本 の 神 道
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