UUCPでまったりネットワーク メールを中心とした入門と味わい Echigo BSD Users Group 9th meeting at Sakanoue public hall of Nagaoka city. 6th, March, 2004 INOUE Mikio <[email protected]> Unix to Unix CoPy • 2 台の Unix ホスト間でファイルのコピーな どを行なうための、一連のプログラム群。 • メールやニュースを他のホストのスプール へコピーすることで、メールやニュースの 配送を実現。 – GNU では、MTA 扱いになってます。 • 一般にバッチで起動させるが、利用者の要 求に応じて起動することも可能。 歴史と種類 • 1976 年 - Mike Lesk (ベル研) が開発。 • 1977 年 - 改良版として Version 2 が Unix V7 とと もに配布。複数の大学・企業で独自の改良。 • 1983 年 - HDB (HonyeDanBer) 登場。当時の主 流になる。aka. BNU (Basic Networking Utilities) • USENET (1979~1987) や JUNET (1984~1994) 他の通信プロトコルとして普及。 • 1993 年 - Ian Lance Taylor による GPL 版登場 でみんな幸せ。 通信回線 • 電話線 – モデムとか TA で直結。 • モデムを制御する必要があるので設定がちょっとめんどい。 – 昔は TELEBIT TrailBlazer とか使ったもんだ。 • PEP 方式で運がいいと 18800bps とか出た。 • UUCP over TCP/IP – 最近の主流。設定が簡単。 – Port 540 TCP。 – セキュリティに配慮が必要。 • UUCP over VoIP – VoIP にモデムでも動くハズ。たぶん。 主なプログラム • uucp - Unix to Unix copy – ファイルをコピーするコマンド。 • uux - Remote command execution over UUCP – 接続先のホスト上でコマンドを実行させるコマンド。 • uucico - UUCP file transfer daemon – 接続と、実際のファイルやコマンドのスプールを処理 するデーモン。 • uuxqt - UUCP execution daemon – 接続元からの要求を処理するデーモン。 メール転送の流れ 1. UUCP 先へのメールを MTA が専用のスプー ルに溜めとく。 2. Cron で uucico が起動する。 3. Uucico が接続して、リモートの uucico が起動 し認証なんかをする。 4. ローカルのスプールからリモートのスプールに コピーする。 5. リモートの rmail が、スプールから自ホスト宛の メールを MTA に送る。 サンプルのネットワーク バケツリレー 1/2 • UUCP 接続している複数のホストを経由 – IP の default route に相当するものがない。 – 本来は個別に経路の全てを指定する。 • どこの先のどこの先の…どこの先の誰。 – – – – – Freedom から Justice!Strike!Buster!claes Freedom から Buster.seed.example.jp!claes Freedom から [email protected] Freedom 以外から [email protected] [email protected] 要注意 • 詳細は RFC976 - UUCP mail interchange format standard バケツリレー 2/2 • ポーリングのタイミングと方向 – 通信量とコスト • ポーリングすると通信料が必要。 – 交換するファイルがなくても、通信が発生する。 • ポーリングされるとホストのリソースを消費。 • 交換するファイルが多ければ、間隔が短い方が幸せ。 – 使い慣れるとポーリングの時間が身につきます。 – 昔は、メールが届くのに 1 週間とかかかるサイトが あった。 • UUCP で接続する先に ML のサーバとか建てると楽しい。 UUCP のセキュリティ • 通信上のセキュリティ – 電話線の場合 • 電気的盗聴の可能性を除けばかなり安心。 – UUCP over IP の場合 • VPN や ssh、stone を利用。 • 機能的なセキュリティ – Anonymous の接続を許可するときは設定を厳重にし てね。 – セキュリティホールが見つかることがある。最新版を 使いましょう。 Taylor UUCP • GPL – ソースが公開されていなかった HDB に対して、完全 でフリーな代替品。 • シンプルな設定ファイル – Version 2 や HDB では、かなりめんどかった。 • 伝統的な UUCP との高い互換性 – Version 2 形式や HDB 形式の設定ファイルをそのま ま使える。 • 惜しむらくは…。 – 登場した時期が、IP 時代の幕開けと前後しちゃった。 UUCP over IP の基本設定 1/2 • Taylor UUCP の設定 – /etc/uucp/config • ノード名、各ファイルの配置の設定 (5 行) – /etc/uucp/passwd • 接続元ごとのログイン名とパスワード (ノード数分) – /etc/uucp/sys.* • ノード毎の接続手順 (ノード当たり 10 行強) UUCP over IP の基本設定 2/2 • Sendmail の設定 – /etc/mail/mailertable.db • 宛先に応じて UUCP へ転送 – justice.seed.example.jp – freedom.seed.example.jp – buster.seed.example.jp uucp-dom:justice uucp-dom:justice uucp-dom:buster – /etc/mail/access.db • UUCP 中継するドメイン宛メールの受け入れ – seed.example.jp ok UUCP の特徴 • 接続形態に依存せず、サーバ間のメール配送が できる。 – ノートに FreeBSD とか入れてる人は便利かも。 • 任意の接続形態が利用できるので AdHoc な運 用が可能。 • 物理的距離の影響を受け易い。 – 電話回線を使う場合は、運用に料金が絡むので、地 域的な制約を伴う場合がある。 • 配送時間が各ホスト間のポーリング間隔に依存。 – ケータイな人が科す時間的呪縛から逃れられる。 UUCP はじめませんか • 絶滅危惧種の保護に参加できる。 – できれば Over IP じゃ無い方が美しい。 • もはやマシンにかかる負荷は小さい。 – 気になる場合は、ポーリング回数を減らすだけ。 • 手間がかからない。 – 一度設定したら、勝手に動く。 • 「通信」してる実感が持てる。 – モデムが発信する際のリレー音や発呼音がたまらん。 • HUB ホストについては、ご相談ください。 – モデムの他、PIAFS も対応できると思います。 参考 • Taylor UUCP – http://www.airs.com/ian/uucp.html • The Free Software Foundation (FSF) – http://www.gnu.org/ • Stone – http://www.gcd.org/sengoku/stone/Welcome. ja.html お願い • 勉強会のお題を決めるのは、早めにして 欲しいと何度も何度も…。 • 今回も寝れねぇじゃん。
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