( アトラスシリコン I ) Nd:YAGレーザーを用いた シリコンマイクロストリップ型検出器の性能評価 筑波,岡山A,京都教育B,高エ研C,広島D 皆川真実子,原和彦,千石大樹,新間秀一,加藤陽一,恵本健亮,中野逸夫A, 田中礼三郎A,池田篤A,伊藤彰洋A,小林健一A,留田洋二A,栗田峯生A, 宮本能義A,森中哲志A,高嶋隆一B,海野義信C,高力孝C,近藤敬比古C, 寺田進C,池上陽一C,氏家宣彦C,岩田洋世D,大杉節D 1. 2. 3. 4. 5. 6. アトラスシリコンマイクロストリップ型検出器の概要 レーザー使用による追加検査項目 測定原理および測定装置構成 レーザーを用いたストリップ検査システム構築の方針 現在の進行状況 まとめと今後の予定 シリコンマイクロストリップ型検出器 検出器の概略 SCT-BM-FDR-1 ~6cm ~12cm 2 レーザーを用いた追加検査項目 従来の検査項目 電気的性能検査 平面度位置測定 長期安定性 温度サイクル ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ IV特性 デジタルテスト 暗電流長期安定性 ストローブディレイの決定 スレッショルド電圧の オフセットレベルでのトリミング プレアンプ増幅率とノイズの評価 ノイズ占有率による安定性の評価 タイムウォークの評価 バッドチャンネルの数の評価 レーザーを用いた追加検査項目 ストリップ自身の性能検査 New! 全てのストリップに対する導通・応答性検査 センサー応答の位置依存性の評価も可能 (例:周辺部、ストリップに沿った方向の一様性) 3 シリコン検出器とレーザー この測定で用いたレーザーは、Ndネオジウムをドープした YAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネット)結晶を共振 キャビティとした固体レーザーである。Nd3+イオンが励起・ 遷位することで1064nmの発振が得られる。 荷電 レーザー 粒子 Nd:YAGレーザー 1064nm=1.16eV シリコンのエネルギーギャップ =1.12eV 殆どのレーザーはシリコンを通過するが、 ある確率で電子・ホール対を生成できる。 シリコンの深さにほぼ一様に生成できる レーザー光量で生成数を制御できる (但し検出器の構造によって反射吸収を受ける) 約2万対 ~3fC 4 レーザー装置 Rate ~1kHz Spot size ~ 3x3μ㎡ 最小電離粒子が検出器 に入射した時と同程度 の電荷収集(~3fC)が 得られるよう光量を調 整した。 5 測定装置(ブロック図) SCTLV2 Delay=846ns Rate=30Hz 6 測定装置(全体図) 7 ストリップ検査システム構築の方針 センサーストリップについての導通・応答性検査をシ ステム化するには、以下の項目について検討が必要 である。 品質評価の指標として用いる値 レーザーの入射位置 最小電離粒子が通過した際と同程度の電荷収集(~3fC)を行うよ う、レーザーの強度を調整したうえで、パルス波の波高を品質評価 の指標とする。 隣接しているストリップ間(80μm)で注目しているストリップの応答 性を見るためには、そのストリップに対しては応答性がよく、隣の ストリップからの影響が少ない入射位置を選択する。 検査に要する時間 既に量産体制に入っており、1日あたり2モジュール以上の検査速 度が要求される。 8 品質評価の指標 品質評価の指標として波高の中心値を用いる。 デジタル化された信号で波高分布を測定するために閾 値を変化させて測定する。 イベント数 収集効率 波高(mV) 閾値電圧(mV) 9 レーザー入射位置の検討 収集効率(%) 注目しているストリップの中 心から隣のストリップの中心 までの区間に対して、2μmお きにレーザーを照射した。得 られた閾値曲線をエラー関 数でフィットし、閾値電圧中 心値(Vt50)を求めた。 レーザー照射 Vt50 閾値電圧(mV) 収集効率(%) Vt50 閾値電圧(mV) 10 レーザーの入射位置の検討 閾値電圧中心値(mV) 閾値電圧中心値(Vt50)の推移 Strip #370 Strip #371 距離(μm) 11 本システムによる検査イメージ 768本のストリップの応答性の良い領域(ストリップ中心より 25μmの位置)にレーザーを入射させた場合の測定例を以 下に示した。 例えば、応答のないストリップ、応答に異常のあるストリップ については以下の様に判断できる。 12 測定時間の検討(現在進行中) 1日あたり2モジュールの両面検査を行うには、片面 あたり1時間程度で検査を終える必要がある。 閾値曲線の測定時間 現状、閾値電圧100mVから300mVの範囲について100 イベントずつ統計を集め、20mV刻みで測定を行った場 合、1ストリップあたり およそ1分かかる。 768(strip)x1(min) = 13(hour) !! 1ストリップあたり6秒以内の測定が要求される ・ 現在、30Hzでデータ収集を行っているが、 CLOACの使い方を最適化することにより、 数100Hz程度まで上げることが可能。 13 まとめと今後 センサーストリップの導通・応答性の検査 には、荷電粒子の通過を模擬した状況で の検査が不可欠である。 その為、レーザーを用いたセンサーストリップ の導通・応答性検査システムを作成中である。 現在、レーザー装置の調整、基礎データの 収集中である。 量産体制に向けては、検査速度の向上を 図らなければならない。 14
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