19億円規模 スーパー

韓国出展企業事前セミナー
日本食品業界の動向と韓国食品進出方案
日時: 2011年01月24日
会場:農水産物流通公社
講師:生活協同組合コープさっぽろ
石坂 裕幸 (イシザカ ヒロユキ)
講師紹介
講 師 : 生活協同組合コープさっぽろ 石坂 裕幸(イシザカ ヒロユキ)
経歴
1973~
生活協同組合コープさっぽろ入協
1975~1977
商品検査室
1978~1994
食品バイヤー、バイザー
1995~2001
食品チーフバイヤー、食品部長
2002
品質管理センター長
2003
運営本部長代行、組織改革推進担当
2004~2008
CSR室長、理事長補佐
2008~現在
農業賞・講座担当
現在の活動 北海道プロダクツ研究所
大好き元気な北海道の将来を展望(デザイン)する
・北海道の原材料や加工品に関する情報提供
・商品開発、新製品企画、販売に関するアドバイス
・北海道の産業、学術、官公庁、マスメディアとの広範な人脈作り交流の実現など
コープさっぽろの事業概要
(PUBLICITY FILE 2010/9/1~12/17参照)
・ 事業高 2,441億9200万円 (店舗事業、宅配事業、共済事業、その他事業計)
・ 店舗数99店舗 従業員数 正規1408名、契約717名、パート・バイト9570名
・ 子会社 12社
組合員数 133万人 (2010年3月現在にて)
コープさっぽろの主に取り組んだ CSR
(2009年度)
1.コープさっぽろ農業賞
消費者が生産者を選ぶ全国初の農業賞として身分不相応ではあるが、ささやかでも
応援しようと2004年からスタート
2.地域の知のネットワーク化と大学との連携 (寄附講座2つ開設)
北海学園大学「北海道の将来を展望(デザイン)する
酪農学園大学「食の安全・安心(信頼)への回復に向けて」
(その他) 北海道室蘭工業大学、小樽商科大学、天使大学 など
3.環境元年としてのエコ分野でのリーダーシップ
2008年度6,000tのCO2削減―エコセンターの建設稼動
「北海道の元気な農業・漁業」を発信(08年9月)
寄附講座 ・酪農学園大学 『食の安全・安心(信頼)への回復に向けて』
・北海学園大学 『北海道の自立戦略を考える」
第1章 輸出入の方法・日本食品業界の動向
・ 日本向け輸出入の基本事項
・ 輸出入の流れ (商談~事前準備~輸出)
・ 輸出商品 開発の流れ
・ 日本の人口と販売ターゲット
・ 日本国内の流通業界 市場状況 ①
・ 日本国内の流通業界 市場状況 ②
・ 日本食品のトレンド
・ 『韓国フェア』への輸出提案
日本向け輸出入の基本事項
ジェトロHP 参照
輸出入(貿易)の定義
他国の取引相手と「商品」の売買を行うことです。
他国へ商品を販売・送り出すことを「輸出」と言います。
他国から商品を購入、持ち込むことを「輸入」と言います。
輸出入(貿易)で得られる利益
輸出者の利益 = 市場を海外に広げる
⇒自社の優れた商品の販売先を海外に広げることで、韓国国内以外に市場を獲得
することができます。
輸入者の利益 = 日本にない商品を扱うことができる
⇒日本に新しい商品を紹介することで、新たなビジネスを開拓することができます。
輸出入(貿易)の注意事項
① 商品開発・契約
(韓国側/日本側)
② 輸出/事前準備
③ 輸入/日本で販売
輸出入貿易の①②③の成功には、「言語問題」・「契約」・韓国・日本の「通関ルール」・輸入国
の「販売規制」などをクリアにする為、輸出入業者の相互協力・事前準備が重要です。
輸出入の流れ (商談~事前準備~輸出)
FOODEX出展
日本企業と商談
交渉成立
韓国 輸出企業
商品スペック、価格、数量、
輸入時期、輸送方法、梱包、
決済処理方法など事前商談
日本 輸入企業
・商品設計(レシピ・包装資材・内容量 etc)
・成分表、製造工程表の作成
・自主品質検査/試験成績書作成
・輸出見積書の作成(FOB/C&F)
・韓国側商品開発へのアドバイス
・厚生省、検疫所など通関手続きの確認
・成分レシピに基づいた関税率の確認
・日本の販売先の品質・販売規則確認
輸出商品の完成
・輸出書類作成
(インボイス・パッキング・B/L)
・商品代金の決済方法確認・契約締結
事前テスト通関
正式な輸出が可能
輸出商品 開発の流れ
輸入者の承諾を
得るまで繰り返し
実施
No
商品の基本設計
・成分レシピ (%)
・内容量
(g)
・日本の禁止添加物の排除
サンプル品 製作
・輸入国(日本側)の商品リサーチ
・味覚・内容量・売価設定の調査
サンプル品 評価
Yes
検査 (自社・外部機関)
・自社/外部期間による製品検査
・賞味期限の設定
容器・デザイン・表示
商品の完成
輸出手続き
輸出
・容器形態を選定(PET/パウチ/BOX)
・包装デザインを作成
・JAS規格パッケージ表示作成
・バーコード登録 (加工食品の場合)
・商品梱包用ダンボールBOX製作
日本の人口と販売ターゲット
年齢別人口分布
人口増加率
総務省統計局データ
平成17年 国勢調査
平成18年 人口推移 参照
日本の人口
増加地域
50~70歳の
人口分布が高い
関東・中部・福岡
日本の人口分布は『壺型:少子高齢型』にあります。
全国的に人口増加率は-0.5%~0.0%の微減・現状維持で推移しています。
上記より、ターゲット(年齢層・販売地域)を明確にした商品開発が必要
日本国内の流通業界 市場状況①
インターネットよりデータ抽出
流通企業全般の市場規模 (主要対象企業分)
8%
日本国内の流通企業 市場規模は≒35兆円
スーパーの構成比が一番高く ≒19億円規模
スーパー
百貨店
18%
53%
スーパー
百貨店
コンビニ
ドラッグ
合計
18.8
7.5
6.5
2.9
35.7
コンビニ
21%
ドラッグ
(単位:兆円)
スーパー > 百貨店 > コンビニ > ドラック の関係性
スーパー売上高ランキング TOP 5
スーパーマーケット売上推移
19.4
19.6
(主要対象企業59社)
18.8
18.5
セブン&アイHD
5.1
イオン
16.8
4.5
ユニー
1
ダイエー
イズミ
05年
06年
07年
08年
09年
(単位:兆円)
08年までは成長傾向、消費低迷・低価格化が進み09年より減少
0.9
0.5
(単位:兆円)
日本国内全般では、セブン&i・イオンの2強体制がみられる
日本国内の流通業界 市場状況②
インターネットよりデータ抽出
百貨店 市場規模・企業別実績
売上のピークは06年、07年以降消費低迷、郊外型
ショッピングモールなどの影響で
売上は減少傾向にあります。
(主要対象企業24社 05~09年)
8.6
8.4
7.6
8.1
7.5
08年4月に統合した三越・伊勢丹
が売上シェア1.3兆円でTOP
注)百貨店は衣料品・生活雑貨が売上のメイン
1.3
Jフロント
1
セブン&アイHD
0.9
高島屋
05年
06年
07年
08年
09年
コンビニエンス 市場規模・企業別実績(主要対象企業 9社 05~09年)
(単位:兆円)
08年タバコの自動販売機「タスポ」システム導入
に伴い売上は増加しましたが、翌年以降減少。
2010年3月にファミリーマートがam/pmを買収、
2010年以降は2位のローソンに迫る勢い。
三越伊勢丹HD
(単位:兆円)
5.9
6.2
6.5
6.7
6.5
東急
0.5
1.96
ローソン
1.66
ファミリーマート
1.27
サークルKサンクス
06年
07年
08年
(単位:兆円)
セブン&アイHD
ミニストップ
05年
0.8
0.92
0.3
(単位:兆円)
09年
ドラックストア 市場規模・企業別実績(主要対象企業23社 05~09年)
マツモトキヨシHD
3930
(単位:億円)
業界全般的に新規出店により業績が拡大。
将来的には飽和状態の懸念があります。
09年6月には薬事法改正が施工され、スーパー
コンビニ、家電量販店でも薬剤師を置かず、
大衆薬を取扱が可能になり競争が加速する。
1.9
2.2
2.5
2.7
2.9
スギホールディング
2935
サンドラッグ
2841
ツルハHD
2797
カワチ薬局
05年
06年
07年
08年
2323
(単位:億円)
09年
食品に関係する市場規模は『スーパー』の構成比が高い=輸出効率も良い
日本食品のトレンド
日本食糧新聞 平成22年 第29回 食品ヒット大賞・優秀ヒット賞 受賞商品
日本の商品トレンド分析としては、日本食糧新聞社制定 食品ヒット大賞という評価・表彰があります。
一般加工食品・チルドフローズン・菓子、パン・ロングセラー商品の受賞商品より日本でのトレンドがよく判ります。
(モニター企業112社で1年間販売された商品がノミネートされ、選考委員によって評価決定されます)
受賞商品
■食品ヒット大賞
受賞商品
製造/開発メーカー
サントリー オールフリー
サントリー酒類㈱
日清ラ王
日清食品㈱
辛そうで辛くない少し辛いラー油
㈱桃屋
■優秀ヒット賞 <酒類部門>
受賞商品
JINRO マッコリ
製造/開発メーカー
眞露ジャパン㈱
健康(カロリーoff:機能性)・メディア話題性(ラー油)・新技術、製法など 『トレンド』
JINROマッコリ受賞は快挙! 「韓国からの輸出商品」 にもチャンスはあります!
『韓国フェア』への輸出提案
スタートからヒット狙いは難しいです。韓国中小企業の輸出希望の方にも可能な日本の提案を紹介します。
スーパーマーケット イベント企画 「韓国フェア」へ提案
日本のスーパーマーケットでは、年間4回程度のイベント企画として「韓国フェア」を実施する企業が多いです。
韓国フェアは、輸入商品のテストマーケットとして最適です。成分レシピ・内容量・パッケージなどは韓国規格
そのままで、JAS法・食品衛生法・景表法などをクリアする ステッカー貼りでも輸出は可能です。
農水産物・畜産・チルド(キムチ)・加工商品・お菓子・飲料 など40アイテム規模で実施
韓国キムチ以外にも ゆず茶・トッポギ・サムゲタン・青果など ヒット商品ができました。
第2章 日本バイヤーによる輸入商品の関心事項
消費者が求める商品開発のポイント
食の責任は企業として自立(自律)すること
食の安全3つの基本 (コープさっぽろの例)
消費者が求める商品開発のポイント
•衛生面や添加物など安全・安心が証明されている。
•素材の鮮度や生産技術などでおいしさを追求している。
•原料や加工方法、機能性など商品にこだわりがある。
•作り手(製造者)と使い手(消費者)のつながりが感じられる
•適正な価格である。
・商品の開発までのストーリーがある。
・できれば、環境・健康にも貢献する。
食の責任は企業として自立(自律)すること
□品質管理の内容を上げること
・性善説を否定すること⇒科学的な検証、第3者の検証
・生産管理・品質管理情報の機能の向上
・当事者の責任(信頼回復にはコストかかる)
□内部告発は増えていく前提での組織作り
・インターネットの爆発的普及(情報環境の変化)
□絶えないヒュ-マンエラ-前提での仕組みつくり
・起きることとしてどう解決するか
・仕組みとして、組織風土、教育・学習・評価
食の安全3つの基本 (コープさっぽろの例)
・質の確保
→残留農薬検査の強化、検査機能の強化、
加工品も生産履歴追跡
・量の確保
→北海道産原料を使用した加工品の開発
北海道100として開発
・私たちが学ぶこと
→食べるたいせつ食のネットワークづくり(食育)
「食の安全・安心」をテーマに寄附講座
(酪農学園大学) その他大学との連携
日本バイヤーの現状とさらに求めたいこと
□POS情報の徹底した開示 (コープ宝箱・玉手箱)
良い点―POSデーター及び過去の販売状況の問題点、良かった点を
取引先と共有化し協業できる。
悪い点―過去のデーターのみに依拠し、新しい仮説をたててそこに向かう
チャレンジをしなくなる。
□商品比較優位検証会の成果 (MDラリー)
良い点―単品の商品のレベルは確実に競争力を持つ。
悪い点―品質・ブランドとしての価値、消費者の思いを見失うことがある。
過去の数値に依拠しすぎ、踏み込んで考えない。
独自
性の欠如、チャレンジしない、総合的でない。
他力本願が
強くなる、全体の流れを把握できない。
참고자료