第13回 現代日本のジャーナリズムの問題点(3)

ジャーナリズム論
第12回現代日本のジャーナリズムの問題点
3
担当:野原仁
松本サリン事件とは?
1994年6月27日に、長野県松本市で、猛毒
のサリンが散布され、死者8人・重軽傷者
660人を出した事件
6月28日、警察は第一通報者であった河野
義行さん宅の家宅捜索を行ない、薬品類
など数点を押収。さらに河野さんは重要
参考人としてその後連日にわたる取り調
べが行われた
松本サリン事件における犯人視報道
専門家が「農薬からサリンを合成するこ
となど不可能」と指摘していたにもかか
わらず、オウム真理教が真犯人であると
判明するまでの半年以上もの間警察発表
を無批判に報じた
河野さんが救急隊員に「除草剤をつくろ
うとして調合に失敗して煙を出した」と
話したとする警察からのリークに基づく
虚偽の情報を流すなど、あたかも河野さ
んが真犯人であるかのように印象付ける
報道を続けた
悪化する日本の報道の自由
世界の報道の自由や言論の自由を守るた
めに、1985年にパリで設立された世界の
ジャーナリストによるNGO「国境なき記
者団」(Reporters Without Borders)が発
表する「世界報道自由度ランキング」で
、2015年の日本の順位は61位
2009年:17位、10年:11位、11年:未発
表、12年:22位、13年:53位、14年:59
位、15年:61位
ここまでのおさらい
ジャーナリズムの取材・報道により
さまざまな人権侵害が起きている
人権侵害報道の原因には、過度の商
業主義・記者教育の不徹底・記者ク
ラブ制度・視聴者の姿勢、などがあ
る