海中ロボットを使ったクラゲの自動捕獲

海中ロボットを使ったクラゲの自動捕獲
はじめに
クラゲの生態を理解するには、現場で観察して、
そのなかの一個体を傷つけずに捕獲するのが適切な方法であると
考えられる。本研究ではマニピュレータとステレオ・ビジョンを利用し
た海中ロボットを開発し、この任務を自動的に実行させる。
The vehicle Twin-Burger 2 with the
sampling module
マニピュレータ
コンセプト
The manipulator and vacuum tube in
stretched and folded position (→).
The manipulator with the two cameras
used for stereovision (→).
SEEKING
? ?
?
(←) Manipulator and vacuum tube
mounted on the AUV Twin-Burger 2.
Field of view of
the cameras
?
1.ロボットはクラゲを探す。
TRACKING
代表的なシリアル・マニピュレータは水中での抵抗が大きいため、高速な運動が不可能であ
り、さらにロボットの位置を摂動させる。本研究では、自分の軸で伸びるため抵抗を最小に
抑え、高速な運動が可能なマルチ・パンタグラフ機構のマニピュレータを提案する。
End 1st trajectory
Re-initialization
Start 2nd trajectory
End 2nd trajectory
2. クラゲを見つけて近づく。
Initialization
Start 1st trajectory
vR
vL
CATCHING
uL
uR
The left image (→) demonstrates the repeatability of the system by
comparing the trajectories tracked by stereovision for an open-loop
command that was repeated after re-initialization of the system.
The left and right images used to performed stereovision. The 3D position
of the LED mounted on the manipulators is calculated using v and u.
3. マニピュレータとバキュームを使って
クラゲを捕獲する。
ステレオ・ビジョン
クラゲはソナーには映らないので、クラゲを見つけるにはビジョン
が最適だと考えられる。ステレオ・ビジョンとは二つのカメラのイメージを使ってターゲットの
位置を三次元に計算するシステムの事である。高い周波での解析が必要なので最終的に
は 「feature-based matching」を使う。
COMING BACK
4. ロボットは水面に戻って…
DELIVERING
0
-0.2
-0.4
-0.6
-2
0.5
↑ left: The image from the left camera with the instant position (X,Y,Z) of the ball.
↑ right: “The depth map”, the intensity of a pixel represents its distance from the cameras.
The black pixels are close and the bright pixels are further from the cameras. The yellow
areas are the areas that position’s cannot be calculated using NCC.
1.5
-1
2
2.5
3
3.5
4
The cameras in the specially built
watertight pressure hulls.
Recognition and tracking of a ball with
Normalized Cross-Correlation (NCC).
y
5. …海洋生物学者などが自由にクラ
ゲを観察できる。
1
4
水槽実験:ボールの捕獲
The target
The ball being
captured
inside the net
1
コントロール
ステレオ・ビジョンを基に、PDコントロールによって
ロボットはターゲットに対してナビゲートするため、ターゲットが動いたり
ロボットの位置が摂動されても自動的にターゲットを追跡する。ターゲット
を捕まえるためにはロボットとの位置関係を正確に知ることが重要である。
水槽実験では0.1度以下の精度を達成した。
Position of the robot relatively to the ball (relative angle,
relative depth and relative distance) given by stereovision.
6
2
4
5
2.0[m]
4
30[°]
0.7[m]
0.1[m]
0[°]
0
catching
0 .0[m]
-1
-10
0.5
0.3
[deg]
任務を開始しロボットは自動的にボールを探す(1)。
ボールを見つけたら近づいて(2)(3)、マニピュレータ
を伸ばし、マニピュレータに取り付けられたネットで
ボールを捕獲する(4)、マニピュレータを元の状態に
戻し、ボールを スタート時点まで持って帰る(5)(6)。
depth
0.3[m]
10[°]
1
6
angle
20[°]
2
5
結果と今後の研究
distance
3
3
x
z
0.1
10
20
30
40
50
60 [s]
70
80
Relative angle of the vehicle (detail).
º
º
º
º
-0.1 0
-0.3
0
º
[s]
10
20
30
40
50
60
70
80
水槽実験で実験用自律型海
中ロボット「Twin-Burger2」
に取り付けられたマニピュ
レータとステレオ・ビジョン・
システムは摂動に対しての
ロバスト性と高精度の制御
を示した。今後、システムを
モンタレイ・ベイで実海域で
任務を行う予定である。