ビジネスの情報 2009年3月号

毎月レポート
ビジネスの情報
(2009年3月号)
ビジネスの情報
2009年3月号
●若い女性のメークごころを刺激する「セルフ化粧品」。
美容部員の接客なしに販売される「セルフ化粧品」が、このところ人気を集めています。ターゲットが、初めてメー
キャップ化粧品を買おうかという、10代後半から20代前半の女性が中心のため、価格も低めに設定。主に、ドラッグス
トアなどで展開されています。
美容部員がじっくりコミュニケーションをとりながら販売するのとは違い、その売り方に、各メーカーそれぞれが個
性を出しながらしのぎを削っています。
「セルフ化粧品」の売れ行きは、「商品力」「売り場づくり」「広告宣伝」の3つの要素によって大きく左右される
と言われています。
例えば、「セルフ化粧品」分野のトップブランドを有するカネボウ化粧品の場合。特徴は、年に数回、消費者調査を
実施し、メークのトレンドとしてブレイクしそうだという兆しをいち早くキャッチして商品化。その方法が功を奏して、
ヒット商品を連発しています。
また、どうしても商品説明がおろそかになると思われがちなセルフ化粧品ですが、それだけに、売り場づくりの面で
は、来店したお客様にいかにわかりやすく仕上がり効果を伝えるかという点に重点が置かれます。華やかなイメージ寄
りの世界に終始するのではなく、実用・機能面をしっかりとアピールして足と目を留めさせるための工夫に最大の力が
注がれています。
意外なのは、「セルフ化粧品」を訴求するためのテレビCMの投入量が少ないことです。接客のない分、テレビCMで商
品告知してから売り場へと誘引する戦略ももちろんありますが、某大手メーカーの「セルフ化粧品」ブランドなどは、
ここ数年、テレビCMを投入していません。しかしそれに代わり、インターネットを効果的に活用。商品の特性、使用イ
メージなどをじっくりと伝える媒体として、サイトが「売り場」の役割も担うというわけです。
どんな商品が、どんな売り方が、若い女性たちのココロをキャッチするのか。商品・売り場・宣伝が三位一体となっ
た、今後の「セルフ化粧品」業界に注目です。
※参考:カネボウ化粧品 http://www.kanebo-cosmetics.co.jp/
日経産業新聞(2008年12月12日付)
●約3割の人が、「エコなメーカーだから」との理由で購入!
世の中“エコブーム”と呼んでいいほど、あらゆる分野で「環境」が叫ばれています。それは、省エネ商品はもとよ
り、企業自体が“エコな会社”か否かで経営に大きな影響を及ぼすまでになってきました。実際、企業サイドの環境へ
の取組み姿勢と、私たちの購買行動はどのように関係しているのでしょうか? その実態調査※によると――。
まず、CO2排出量削減といった『環境対策に力を入れているイメージのある企業は?』の問いに対して、2位以下を大
きく引き離してのトップは「トヨタ自動車」でした。やはり、ハイブリッドカー開発の姿勢が消費者に浸透しているの
でしょう。2位は省エネ商品の開発に積極的な印象ということで「パナソニック」、3位は流通業では唯一トップ10入り
の「イオン」でした。ちなみに「イオン」は、植林活動に積極的、マイバッグ運動推進等の取り組みの成果か、圧倒的
に女性からの支持を集めました。以下、「シャープ」「サントリー」「本田技研工業」「東京電力」「キリンビール」
「日立製作所」「アサヒビール」の順で続きます。
また、商品を購入する際には、32.2%の人が『環境対策に力を入れている企業だから』とのイメージが後押しとなっ
て購買に結びついています。
さらに、89.5%もの人が『同じ値段なら環境に良い商品を選ぶ』という意識を持っており、66.4%が『省エネ家電製
品の購入経験』があり、82.9%の人が今後『省エネ製品の購買意向がある』と回答しています
環境問題に対して、86%の人が「関心がある」と答える最近の消費者意識の高さ。今後ますます、「エコ意識」が商
品の選択を左右し、購買を決定づける大きなきっかけとなっていくことでしょう。
※「MM総研」による「第1回 環境対策に関する消費者意識調査」より。08年10月、インターネットアンケート・サービ
ス(「gooリサーチ」)の一般消費者会員である全国男女1,052人を対象に行われた。
※参考:株式会社MM総研 http://www.m2ri.jp/
日経MJ(08年12月17日付)
●定年後の団塊世代は、趣味への出費は惜しみません。
「2007年問題」、おぼえていますか? 団塊世代の大量退職が社会問題にまでなって、早2年が経とうとしています。
そんな、団塊の人たち(男性)の定年後の暮らしぶりをのぞいてみました(「第2回 定年団塊の消費実態調査」※より)。
現在60歳前後の人たちが団塊世代ですが、昨今の景気後退は、当然定年後のおサイフにも響きます。定年一年目と、
二年目を問わず共通しているのは、家計の引き締めという現実。しかし、「外食」や「衣料・服飾雑貨など」への出費
を引き締める一方で、「旅行」や「ガーデニング」といった趣味の領域は引き締めたくないという、“譲れない砦”と
も言うべき抵抗にも似た思いがうかがえます。
また、趣味に関して、定年後と前とで、微妙に変化が見られます。
定年後に減ったのは、「競馬・パチンコなど」「ゴルフ」「アウトドアスポーツ(登山・釣りなど)」「テニス」だ
けでした。「食べ歩き」と「スポーツ観戦」については、ほぼ変わらず。逆に、定年前より定年してからのほうが増え
たという趣味は、「旅行(国内・海外)」「パソコン」「映画・演劇観賞」「ドライブ・車・バイク」「ガーデニン
グ」などが挙がりました。なかでも、国内・海外を問わず「旅行」は、“定年記念”の定番として人気が高く、団塊世
代の趣味の王様として君臨しているといえます。
また、定年前と比べて増加幅が最も大きかった定年後の趣味は、「家庭菜園や農作業」。次いで意外にも(?)「パ
ソコン」で、共に2ケタポイントの増加でした。
定年前にいくらかかじったことがある趣味を、定年を機にじっくり腰を据えて再開しようという人も少なくないようで
す。そのトップも先ほどと同様、断トツで「家庭菜園や農作業」でした。定年前には限られていた時間をたっぷり使っ
て、思う存分に花々や土と戯れることができる歓びを満喫しているのでしょう。
次いで「ガーデニング・日曜大工など」「アウトドアスポーツ」「映画・演劇・音楽・美術の観賞」「楽器演奏・カ
ラオケなど」と続きます。
日常は引き締めながらも、好きなことにはそれなりの出費もいとわない―――団塊世代のセカンドライフの一端です。
※「日経産業地域研究所」による調査。60歳で定年退職した男性にネットで実施(08年10月)。回答者は、07年1月~9
月に定年を迎えた「定年二年目」が247人、07年9月~08年9月に定年を迎えた「定年一年目」が191人、計438人。
※参考:日経産業地域研究所 http://www.nikkei.co.jp/rim 日経消費マイニング12月号 日経MJ(08年12月10日