“セルロイド文化の集い”2007大阪 2007年11月9日(金) Friday, November 9, 2007 夢が拡がる・夢を語る Visionary Dream in Celluloids セルロイド産業文化研究会代表理事 セルロイドライブラリ・メモワールハウス館長 岩井 薫生 Iwai Isao セルロイド(Celluloids) 新鮮で、なにか懐かしい魅惑の 材料 Fascinating & Graceful Charm of Beauty セルロイドの魅力 (Charm of Celluloids) • • • • 材料の本質として人を魅了するオーラがある 手にしたい、肌につけたい、ながめて見たい、 コレクションとして保有したい 天然希少材料(象牙、べっこう、サンゴ、コハク、 真珠、貝など)と非常に良く似ている。色やパター ンも多様性に富む • 保存さえ良ければ、半永久的な寿命がある • 軟らかくて、同時に硬いという優れた性質がある セルロイド セルロイドは多くの人々を魅了する特異な天然植物由来の 半合成樹脂です。 今日自動車や電気製品、エレクトロニクス材料として不可欠な 高分子プラスチックスの先駆けとして活躍してきました。 残念ながらこの素晴らしいセルロイドが忘却の彼方に 忘れられつつあります。 私は長年このことを非常に残念と思い、セルロイドを保存し、 次世代の方々に産業文化資産の一環として残したいと 考えてきました。 • 10年前に私と同じ思いを共有する関係者と語らい • ともどもセルロイド産業文化研究会を立ち上げました。 • 私ども関係者は19世紀後半から20世紀にかけてほぼ 100年間の長きに渡り、産業、文化、社会に非常に大きな インパクトを与えたセルロイドに大きな価値を認め、 • その重要性を再評価しています。 • 私どもの活動は発足から7年が経過しましたが、 • 多くの協力者、ご寄贈者、ご支援者のご協力で次の様な 成果が出ています。 • 活動の成果 私どもの活動を通じて、着実に収集品が増えています。 現時点でこれらの収集品をセルロイドハウス横濱館に 一括収蔵して公開しています。 セルロイド製品 約30,000点 金型・冶工具その他 約500点 図書・雑誌・刊行物 約2,000冊 文献・資料・パンフレット 約1,500点 写真・映像記録 約1,000点 未整理文献・資料その他 2,000点以上 引き続き積極的に収集活動を続け 整理が出来次第逐次公開していく計画です。 セルロイドへの夢 ご関心のある方々のご協力を得て、 将来関西地区にミュージアム・資料館 (仮称セルロイドハウス大阪館)の設立を計画し ています。 活動は次のようなテーマを予定しています。 セルロイド製品に関する生活文化史および 玩具史調査 セルロイド製品に関するマーケティング及び加工技術の 変遷に関する研究調査 セルロイド工業における企業史研究と 日本経済に与えたセルロイド工業のインパクト 解析及び事例研究 セルロイド製品に関する芸術的観点からの調査 天然希少材料とセルロイド材料の比較検討 セルロイド材料と競合するプラスチックス(塩ビ、スチレン樹脂など) の代替とその歴史的変遷の研究調査 セルロイド製品に関する収集、保存、調査及び一般展示 セルロイド全般に関心を持つ方々やコレクターに対する 教育と啓蒙活動 関連学界、研究団体及びNPO法人に対しての協力と資料提供 メディア、映画製作等へ資料及びコレクションの貸与、協力応援、 他のミュージアムでの特別公開のため貸出 を主要目標とします。 セルロイドハウス大阪館設立準備室の発足 大阪府の歴史的建造物に登録された大阪セルロイド会館内 に本年10月セルロイドハウス大阪館 設立準備室が発足しました。 発足にあたっては理事長の小野様、事務局の 長峯様及びご関係者に大変お世話になりました。 この席でお礼を申し上げます。 今後の計画としては3~5年をかけ、企画、調査などを行い、 大阪地区にしかるべく施設を確保したい と考えております。 「夢は拡がる・夢を語る」 本日のテーマである 「夢は拡がる・夢を語る」は 私一人のテーマではなく セルロイドに情熱と関心を持つ 全ての方々の 共有テーマです。 「セルロイドを通じて新しい出会い」 材料としてセルロイドを深く知り、その価値を 評価し、ここから何か新しいアイデア、製品、 ビジネスを生み出す手がかりを作る [温故知新] セルロイドを知ることにより、企業、技術、文化、 社会の流れを長期的観点から理解する [歴史的評価] セルロイドをキイとして、人の輪を拡げ、交流を 通じて新しい知見が生まれ、広く社会に貢献する [社会貢献] 「おわりに」 物の価値はその人の愛着の度合いにより決まる 私にとりセルロイドは、愛着度が非常に高いところに位置しますが、 関心のない方にとってはただの無用物とも見られます。 全ての対象物にはこの様に二面性があり、その人の情熱の レベルによりその価値が決まります。 私は次の運動エネルギー方程式を利用して 本日のお話の最終とさせていただきます。 運動エネルギー方程式 E=1/2mV2 E:成果総量 m:知識、学識 V:熱意度×努力量 これからも私どもセルロイド産業文化研究会は セルロイドライブラリ・メモワールハウスと 協力してこの精神で着実に活動を続ける積りです。 今後ともよろしくご指導のほどをお願い申し上げます。
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